IPアドレス自動監視システムを Code Engine で構築する際(連載第1弾・第2弾)、最も気になるのは「クラウドの費用」です。
この記事では、今回利用した Code Engine および関連サービス(Container Registry)の料金体系を解説し、監視ジョブの月額費用がどれくらいになるかの目安を解説します。
💡 1. Code Engine の料金体系:ジョブ実行の費用対効果
Code Engine の料金は主に「インスタンス時間」と「メモリー使用量」で決まりますが、今回のような「ジョブ」利用の場合、非常にコスト効率が高くなります。
A. 課金対象と仕組み
| 課金対象 | 概要 | 監視ジョブでの特徴 |
|---|---|---|
| インスタンス時間 | コンテナが動作している時間の合計(CPU時間)。 | ジョブは処理が終了すると即座に課金が停止するため、非常に安価です。 |
| メモリー使用量 | 使用したメモリ容量に応じた課金。 | 今回の IP 取得のように軽量なタスクでは、メモリ使用量も少なく済みます。 |
| データ転送 | 外部へのデータ転送量(アウトバウンド)に応じた課金。 | Chatwork通知など、微量のデータ転送しか発生しないため、ほぼ無視できるレベルの費用です。 |
B. コスト効率の高さ
Code Engine ジョブは、Webアプリケーションのように常時起動するわけではなく、「実行した時間だけ」課金されます。
ポイント: 毎日1回実行されるIP監視ジョブの場合、月間の総実行時間は短く、ほとんどの場合、月々数百円程度に抑えられる可能性が高いです。(詳細はIBM Cloudの料金ページで確認が必要です。)
🛠️ 2. 関連サービス:Container Registryの費用
Code Engine ジョブの実行には、コンテナイメージの保管のためのサービスが不可欠です。
A. IBM Cloud Container Registry(ICR)
ICR は、作成したコンテナイメージを保管するプライベートレジストリです。
- 役割: Docker イメージを安全に保管し、Code Engine がジョブを実行する際にイメージを「プル(取得)」するために使用します。
-
費用:
- 保管容量: イメージのサイズに応じた課金。監視タスク用の小さなイメージであれば、費用は低く抑えられます。
- データ転送: イメージの登録(プッシュ)や取得(プル)にかかるデータ転送量に応じた課金。
無料枠の活用: ほとんどのクラウドサービスと同様に、ICR にも一定の無料枠が設定されています。個人的なプロジェクトや小規模なタスクであれば、ICR の費用は無料枠内で収まることが多いです。
✅ まとめ
IPアドレスの自動監視を Code Engine ジョブで実現することは、技術的な安定性だけでなく、費用面でも非常に合理的です。
- Code Engine の「実行時間課金」により、常時サーバーを起動する方式より遥かに安価。
- 関連サービス(Container Registry)も無料枠や低額プランで運用可能。
クラウドで監視タスクを自動化したい場合、Code Engineは費用対効果に優れた選択肢と言えるでしょう。