ジオコーディングとは
ジオコーディングとは、住所や地名などのテキスト情報を、緯度・経度といった地理座標に変換する処理のことです。
具体例
- 「東京都千代田区丸の内1-1-1」→ (35.6812, 139.7671)
- 「東京タワー」→ (35.6586, 139.7454)
逆に、座標から住所を取得する処理は「リバースジオコーディング」と呼ばれます。
主な用途
- 地図上に店舗や施設をマッピング
- 配送ルートの最適化
- 位置情報に基づくデータ分析
- 顧客データの地域分析
実装方法
1. Google Maps Geocoding API
最も一般的な選択肢で、精度が高く日本の住所にも対応しています。
特徴
- 高精度で信頼性が高い
- 月額200ドル分の無料枠あり(約40,000リクエスト相当)
- APIキーが必要
主なライブラリ
- Python:
googlemaps - JavaScript:
@googlemaps/google-maps-services-js
2. OpenStreetMap(Nominatim)
オープンソースの地図データを使用した無料のジオコーディングサービスです。
特徴
- 完全無料
- APIキー不要
- 商用利用には制限あり(リクエスト頻度制限)
- 日本の住所精度はGoogleより劣る場合がある
主なライブラリ
- Python:
geopy
3. HERE Geocoding API
ヨーロッパ系の地図サービスで、グローバルに対応しています。
特徴
- 月25万リクエストまで無料
- APIキーが必要
- 日本の住所にも対応
4. Azure Maps
Microsoftが提供する地図サービスです。
特徴
- Azure統合環境で使いやすい
- 無料枠あり
- 日本の住所にも対応
5. 国土地理院のサービス
日本政府が提供する位置参照情報を利用する方法もあります。
特徴
- 無料
- 日本国内の住所に特化
- APIではなくデータセットのダウンロードが必要な場合がある
選択のポイント
予算がある場合
- Google Maps Geocoding API(精度と信頼性が最優先)
無料で使いたい場合
- HERE API(無料枠が大きい)
- Nominatim(完全無料だが制限あり)
日本国内のみの場合
- Google Maps(日本の住所表記に最も強い)
- 国土地理院データ
データ分析用途で大量処理する場合
- バッチ処理可能なサービスを選択
- キャッシュ機構の実装を検討
実装したい用途や予算、処理量に応じて最適なサービスを選択するのが良いでしょう。