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[Docker] Docker + Nginx + Angular の開発環境を構築する

Last updated at Posted at 2019-01-19

作業環境

補足

Raspberry Pi3 に加えて次の環境でも動作確認済み

作業環境

  • 2020/12/27 作業環境を以下に更新しました
  • 上記に伴い、これまで「作業環境」と「補足」で挙げていた内容は当該環境での動作未確認につき、取り消し線で修飾しました
環境 バージョン 備考
macOS Catalina v10.15.7
Docker Desktop for Mac v3.0.3
Docker v20.10.0, build 7287ab3 $ docker --version
Docker Compose v1.27.4, build 40524192 $ docker-compose --version
Angular CLI v11.0.5 $ ng --version
Angular v11.0.5 同上
Node.js v12.18.3 $ node --version
npm v6.14.6 $ npm --version
ng version の結果
$ ng version

     _                      _                 ____ _     ___
    / \   _ __   __ _ _   _| | __ _ _ __     / ___| |   |_ _|
   / △ \ | '_ \ / _` | | | | |/ _` | '__|   | |   | |    | |
  / ___ \| | | | (_| | |_| | | (_| | |      | |___| |___ | |
 /_/   \_\_| |_|\__, |\__,_|_|\__,_|_|       \____|_____|___|
                |___/
    

Angular CLI: 11.0.5
Node: 12.18.3
OS: darwin x64

Angular: 11.0.5
... animations, cli, common, compiler, compiler-cli, core, forms
... platform-browser, platform-browser-dynamic, router
Ivy Workspace: Yes

Package                         Version
---------------------------------------------------------
@angular-devkit/architect       0.1100.5
@angular-devkit/build-angular   0.1100.5
@angular-devkit/core            11.0.5
@angular-devkit/schematics      11.0.5
@schematics/angular             11.0.5
@schematics/update              0.1100.5
rxjs                            6.6.0
typescript                      4.0.2

0. 事前準備

まず次の構成でディレクトリを作成する。
これが本記事で行う作業の基本構成( Docker 環境のベース )となる。

ディレクトリ構成
angular-in-docker          # ルートディレクトリ
└ angular-app/             # Angular アプリや Dockerfile 等を管理するディレクトリ

1. Angular プロジェクトの作成

次に angular-app 配下で Angular プロジェクトを作成する。

Angularプロジェクトを作成〜配置する
$ cd angular-app/
$ ng new app

2. Docker 環境を構築する

今度は作成した Angular プロジェクトを Docker 環境で動かすための環境構築を行う。

2.1. Dockerfile の作成

Angular アプリをビルドし、ビルドした資産を Nginx 上にデプロイするための設定を行う。
この Dockerfile の基本的なコンセプトは以下のとおり。

  1. Angular プロジェクトは Docker コンテナ生成時にビルドする
  2. ビルドした資産を Nginx の資産にコピーする(デプロイする)
  3. 本プロジェクト用の nginx.conf を用意し、そのファイルで Nginx の挙動を制御する
  4. アプリは Nginx 上で稼働する

詳細は下記のコメントを参照。

angular-app/Dockerfile
# -----------------------------------------------------
# Angular アプリをビルドするための環境を構築する
# -----------------------------------------------------
# Angualr のビルドする環境として node をインストール
# 12.18.3 は開発で使用しているバージョン
FROM node:12.18.3 as build-stage

WORKDIR /app
COPY ./app/package*.json /app/

# npm install 中に下記 Warning がでるが回避策が現状見当たらないので放置するしかない
# 内容はプラットフォームが Mac OSX ではないからスキップするというもので、
# 対象となっている fsevents は node_modules 中のライブラリが依存関係で使用しているライブラリ

# Warning の内容
#   npm WARN optional SKIPPING OPTIONAL DEPENDENCY: fsevents@1.2.6 (node_modules/fsevents):
#   npm WARN notsup SKIPPING OPTIONAL DEPENDENCY: Unsupported platform for fsevents@1.2.6: wanted {"os":"darwin","arch":"any"} (current: {"os":"linux","arch":"x64"})

RUN npm install
COPY ./app/ /app/
ARG configuration=production

# Angular アプリをビルドする
RUN npm run build -- --output-path=./dist/out --configuration $configuration

# -----------------------------------------------------
# Nginx の Docker 環境を構築する
# -----------------------------------------------------
FROM nginx:1.15

# ビルドした成果物を Docker 上の Nginx のドキュメントとして扱うためにコピー(デプロイ)
COPY --from=build-stage /app/dist/out/ /usr/share/nginx/html

# Nginx の設定ファイルを Docker 上の Nginx にコピー
COPY ./docker/nginx/nginx.conf /etc/nginx/nginx.conf

2.2. .dockerignore の作成

Docker イメージをビルドする際にコピー対象から除外するリソースを指定する。
今回のケースでは Angular プロジェクト上の node_modules を除外している。これは当該フォルダ配下にある依存ライブラリが大量にあるため。

angular-app/.dockerignore
./app/node_modules

2.2. nginx.conf の作成

Docker 上で起動する Nginx の設定ファイルとして nginx.congangular/app/docker/nginx/ 配下に作成する。
このファイルに記載した内容で Nginx の挙動を左右できるので、今後もこのファイルは更新されていくことになる。

ここではあくまで初期設定としての内容を示す。

angular-app/docker/nginx/nginx.conf
worker_processes  1;

events {
    worker_connections  1024;
}

http {
    server {
        listen 8080;
        server_name  localhost;

        root   /usr/share/nginx/html;
        index  index.html index.htm;
        include /etc/nginx/mime.types;

        gzip on;
        gzip_min_length 1000;
        gzip_proxied expired no-cache no-store private auth;
        gzip_types text/plain text/css application/json application/javascript application/x-javascript text/xml application/xml application/xml+rss text/javascript;

        location / {
            try_files $uri $uri/ /index.html;
        }
    }
}

2.3. docker-compose.yaml の作成

Docker コンテナを Docker Compose 経由で管理するための設定ファイルを作成する。

docker-compose.yaml
version: '3'
services:
  app:
    build: angular-app/
    container_name: "angular-app"
    ports:
      - "80:8080"
    environment:
      TZ: "Asia/Tokyo"

3. 最終的なプロジェクト構成

Angular プロジェクト、及び Docker の各設定ファイルを含めた構成は以下のとおり。
フロントエンド開発はこの構成で行っていく。

なお Git で管理する都合上、 1. Angular プロジェクトの作成 のときに生成された .editorconfig.gitignoreREADME.md 等はルートディレクトリの直下に移動させてある。

プロジェクト構成
angular-in-docker        # ルートディレクトリ
├ .editorconfig          # エディタの設定ファイル(ng new で勝手に生成される)
├ .gitignore             # Git 管理から除外する資産を管理する
├ LICENSE                # ライセンスファイル
├ README.md              # アプリケーションの README
├ angular-app/           # Angular アプリや Dockerfile 等を管理するディレクトリ
│ ├ .dockerignore        # Docker イメージ作成時にコピー対象から除外する資産を管理する
│ ├ Dockerfile           # Docker コンテナを管理する
│ ├ app/                 # Angular アプリ
│ │ ├ angular.json       # Angular プロジェクトの設定ファイル
│ │ ├ e2e/               # e2e テストの資産
│ │ ├ karma.conf.js      # JavaScript のテストランナー Karma の設定ファイル
│ │ ├ node_modules/      # npm install で導入されるライブラリ群
│ │ ├ package.json       # プロジェクトの依存関係を管理する. プロジェクト配下での npm install は初期状態ではこれを元にライブラリがインストールされる
│ │ ├ src/               # Angular プロジェクトの本体となるソース群
│ │ ├ tsconfig.app.json  # TypeScriptおよびAngularテンプレートコンパイラオプションを含む、アプリケーション固有の TypeScript の設定
│ │ ├ tsconfig.json      # TypeScript -> JavaScript へのトランスパイルの設定
│ │ ├ tsconfig.spec.json # アプリケーションテスト用の TypeScript の設定
│ │ └ tslint.json        # 静的解析のチェッカーファイル
│ └ docker/              # Docker 用 Nginx の設定ファイル
│   └ nginx/
│      └ nginx.conf
└ docker-compose.yaml    # 複数の Docker コンテナを管理する

Angular アプリの各設定ファイルについては公式の Angular 日本語ドキュメント-ワークスペースとプロジェクトのファイル構造 を参照。

4. Docker コンテナの起動と確認

では作成した環境を実際に動かしてみる。

4.1. Docker Compose 経由で Docker コンテナを起動する

次のコマンドを実行し、Docker コンテナを起動する。

$ docker-compose up -d --build

-d はバックグラウンドで起動するオプション。
もし次の動作確認で画面が表示されない場合は -d を外してコマンドを実行すると、起動時の情報がコンソール上に出力されるので解決の糸口となる。

4.2. 動作確認

ブラウザより http://<ホストのIPアドレス> にアクセスする。以下の画面が表示されれば導入とコンテナの起動は成功している。
スクリーンショット 2020-12-27 13.19.08.png
※ 開発状況によって表示される内容は異なる

4.3. Docker Compose によるサービスの停止とコンテナの停止

Docker Compose によるサービスの停止とコンテナの停止については次のコマンドを実行する。
( 目的に応じて次のどちらかを実行する )

  • サービスの停止

サービスを停止する。Docker コンテナは削除されない。

サービスの停止
$ docker-compose stop
  • コンテナの停止

サービスの停止とサービスを提供するコンテナの削除、それからネットワークも削除する。

コンテナの停止
$ docker-compose down

今回の記事で作成した環境

こちら にアップしているので、よろしければご参考まで。

参考

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