LoginSignup
29
11

More than 3 years have passed since last update.

SafariはBasic認証の結果でAuthorization: Bearerを上書きする

Last updated at Posted at 2020-05-10

最初に結論

Safari で Basic認証 が成功した後、Authorization Header を Basic の認証結果で上書きしてしまう。JWT のアクセストークンを上書きするので、APIアクセスが失敗してしまう。解決策として、アクセストークンは Authorization Header で渡さず、別の方法で渡せば良い ※。

Safari 12 replaces authorization header - Stack Overflow

※ OpenID Connect ではクエリパラメータやフォームで渡す方法も定義されている。これらを使えば回避できると考えているが、試せてはいない。

ある日のこと

アルバイトの方から「検証環境のアクセスが401になります...」と報告があった。彼には開発中 Webアプリケーションの iPhoneデバッグをお願いしていたのだが、どうやら iPhoneでアプリケーションに繋ぐとエラーが発生するらしい。

アプリケーションの構成

アプリケーションは認証認可に OpenID Connect を使っている。クライアントは、IdP で認証が成功したら JWTのアクセストークン を受け取る。そのアクセストークンを HTTPリクエスト の Authorization Header に設定し、APIサーバと疎通する仕組みだ。

ざっと図にするとこんな感じ。ちょっと端折っている。

image.png

  • アプリケーションは SPA で CloudFront + S3 で配信される
  • CloudFront は /api/* は Fargate/* は S3 で参照先を変更している
  • 認証はAuth0を使用。クライアントが認証成功するとアクセストークンを取得する
  • Fargate からデータ取得するとき、クライアントはアクセストークンをリクエストヘッダに設定して /api/* へ APIリクエストを行う
  • Fargate はアクセストークンを検証して、正しいものであればデータを返す。逆に不正なアクセストークンの場合は401エラーを返す

よくあるアーキテクチャ構成かと思う。今回問題となったのは、検証環境のためBasic認証を導入していたという点だ。本番環境にはBasic認証はない。

ちなみに上記の図では、CloudFront のところに Lambda@Edge を使用してBasic認証を導入していた。

影響範囲を確認

発生当時はすぐ本番環境を確かめたが再現しなかった。よってすぐ検証環境のみで発生していると辺りがついた。モバイルのみで発生? Android Chrome でアプリを開いたが再現しなかった。なので Safari が怪しいと当たりをつけて調査を行った。

その結果、どうやら MacのSafari と iPhoneのSafari の両方で発生していた。

リクエストを覗いて見る

バックエンドのレスポンスが401になっていたため、Chrome と Safari のリクエストの差異を調べて見た。(実際にはアルバイトがリクエストを見て報告してくれた🙏)。下記は /api/* へのAPIリクエストの中を覗いたもの。

Safari Chrome
Authorization: Basic abc... Authorization: Bearer xyz...

...Basic?

Safari の Authorization Header の値が Basic認証の結果で上書きされている...。まさか、と思いすぐさまググってみると、同事象で困っている人が。この記事だと、旧Edge や IE でも発生するらしい。

日本語のハマった記事も見つけました。

結局 どうしたか

🤷‍♂️

まだ何もしてない...

できればアプリケーションに手を加えず解決したいところ。だって本番影響のない事象で修正をしたくない。検証環境はアクセスを絞り込みしたいため、グローバルIP制限に変更する...とか?

検証環境へのアクセスを絞る別方法、なにか良いアイデアがあれば教えてほしいです。

回避策

そもそも CloudFront を使っているのだから、Basic認証ではなく「署名付きCookie」でアクセス制御しようよって話な気がしている。

29
11
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
29
11