はじめに
私は2025年に新卒ソフトウェアエンジニアとして、基幹システムの開発に従事しています!
入社から約半年が経過した中で見えてきた、AI時代の新卒エンジニアの戦略について考えを述べていこうと思います。
新卒エンジニアに求められるもの
AIツールが当たり前になった今、エンジニアに求められる能力は大きく変わってきています。
ただ「コードを書くことができる」エンジニアは十分ではありません。
それだけではAIによって代替可能な領域だからです。
アメリカではすでにジュニアエンジニアの採用が減少傾向にあります。
Business Insider の記事でも、AIがジュニアレベルの仕事を代替可能にしているため、初級エンジニアの就職難が広がっていると指摘されています。
(実際に、コーディング試験では AI の方が安定したスコアを持つというデータまであります)
では、新卒エンジニアはどう価値を発揮するのか?
その答えは、「AIを使いこなすこと」と「AIでは代替しづらい力を身につけること」の両方です。
AI時代の新卒エンジニア戦略
このAI時代に、新卒エンジニアはどうスキルを伸ばし、どう働いていけば価値を出せるのか、具体的な戦略を考えてみました。
1. AIをパートナーにする
AIを便利な補助ツールと考えるより、自分の仕事を一緒に進める相棒と捉えた方が、圧倒的に成長速度が上がります。
例えば、
-
自分の書いたコードをメンターにレビューをいただく前に、AIにレビューしてもらう
- タイポやコーディング規約違反など基礎的な指摘はAIにしてもらうことでメンターから深いレビューをもらえる
-
設計案や実装案をAIに複数出してもらい、議論しながら比較検討する
- なぜそのような設計なのか、背景情報までAIに理由を聞きながら、その案を選択した理由を自分の言葉で伝えられるようにする
ただし、丸投げはNG。
AI の出力には誤りもあるため、最終的な「判断や責任」は人間が持たなければなりません。
このAIに任せつつ、自分で判断する力が価値になります。
2. 学びのサイクルを高速で回す
AIを効率的に学習に使うことで、短期間で大きな成長が得られると考えています。
学び → 実践 → 振り返り → 改善のサイクルをAIを使って素早く回すことができます。
それぞれのフェーズで
- 「どこが分かっていないか」
- 「どこが曖昧か」
- 「何を次に学ぶべきか」
をAIと対話しながら進めることで、
深い学びとサイクルを短時間で回すことができ、大きな成長につながります。
3. 既存コード/レガシーコードを学びの教材にする
初めて実際に動いているプロダクト携わっていると、どうしても難解な既存コードと向き合う機会が多いです。
最初は大変ですが、歴史を知るとそのコードは「よい学習素材」になります。温故知新です!
それらのコードには必ず意図があり、AIと一緒に分析すると理解速度が一気に上がります。
例えば、
- 「この関数は何を意図している?」とAIに尋ねる
- 「このクラスの責務を要約して」と要約させる
- 「この実装の改善ポイントは?」とレビュー依頼する
- 「仕様が変わった場合、どこを修正すべき?」と設計変更をAIに提案してもらう
ただ読むより理解が5倍速になります。
レガシーコード=負債ではなく、
レガシーコード=無料の教材
と捉えるだけで、よりたくさんと知識を吸収することができると思います。
4. ドメイン知識 × AI × 全体俯瞰で価値提供力を高める
固有の業務ドメインとシステム全体を知ることは新卒エンジニアにとって大きな山場になります。
AIを組み合わせると、理解スピードが一気に上がります。
- 会議メモをAIに要約してもらい、背景の業務課題をつかむ
- 業務フロー図やシステム図をAIに書いてもらう(← 初めにやると効果的です)
- 「この処理は業務的に何を行なっている?」とAIに質問して理解を深める
そして全体が見えれば見えるほど、
「この実装の意図は何か?」
「この変更はどこに影響するか?」
といったプロダクト視点の判断ができるようになります。
ドメイン理解 × 全体俯瞰 × AI の組み合わせは、
新卒が最速で価値を出すための強力な武器になると思います。
5. “浅く広く × 1つ深掘り” の学習戦略が現実的かつ強力
AI時代においてさまざまな情報に簡単にアクセスできるようになった反面、
すべての情報を深掘りすることは時間的に難しいことです。
そのためにも広く様々な情報に触れながらも、自分の得意とする領域を1つ深掘りすることがとても良いと考えます。
1つ得意分野があるだけで、新卒でも組織の中で頼られる人になれます。
まとめ
AIが急速に発展したことで、エンジニアの働き方や求められるスキルは大きく変わりつつあります。
特に新卒エンジニアにとっては、これまで以上に「自分で考え、学び続け、AIを使いこなす力」が重要になっていくと実感しています。
AIを味方につければ、新卒でも成長速度を何倍にもできる。
この記事が、「AI時代のエンジニアとしてどう歩くべきか?」
と悩んでいる新卒・若手の方のヒントになれば嬉しいです。
これからもAIと上手に付き合いながら、一緒にエンジニアとして成長していきましょう!
参考文献