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すでにWEBデザイナーの8割は不要である

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Last updated at Posted at 2026-10-07

はじめに

タイトルは煽りではなく、ここ2〜3年の現場で私が実際に感じていることです。

この記事で言う「WEBデザイナー」は、FigmaやPhotoshopで画面を作る人全般を指します。業務システムのUIを作る人も、LPを作る人も、いったん同じ括りで話します。そのうえで、残る2割がどういう人なのかを後半で書きます。

なお、この記事は私の個人的な見解ですが、それを裏付ける根拠は提示します。また「8割」という数字は私の肌感であって、統計ではありません。

1. デザイナーの仕事はもう数字として減っている

まず私見ではない部分から。

Imperial College、Harvard Business School、ドイツ経済研究所の共同研究「Who is AI Replacing?」では、ChatGPT公開以降、ライティングやコーディング関連のフリーランス需要が21%減少したとされています。デザインに直接関わる数字としては、画像生成AIの登場後、グラフィックデザインや3Dモデリングといった画像生成系の仕事の需要が17%落ちたという結果が出ています。

別の研究(Hui、Reshef、Zhou)もUpworkのデータを使っていて、ChatGPT公開後、ライティング関連フリーランサーの月間案件数は2%、月間収入は5.2%減少したとされています。案件数の減りより収入の減りが大きい、つまり単価が落ちているという点が重要です。

UX職に絞るともっと極端で、Indeedのデータでは2022年から2023年にかけてUXリサーチの求人が73%、UXデザイナーの求人が71%減少したとされています。ただしこれにはコロナ禍の採用バブルの反動も含まれているので全部がAIのせいだとは言えませんが、この時よりAIはずいぶん進化しているので、現時点でU デザイナーの需要はこれを遥かに下回る数字だといって間違いないとおもいます。

一方で逆の数字もあります。日本のデザインスクール運営会社がフリーランスのWEBデザイナー110名に行った調査では、6割以上が単価上昇を実感したという結果が出ています。母数が小さく自己申告であることは差し引く必要がありますが、「減った人」と「上がった人」がはっきり分かれていること自体は、私の実感と一致します。

要するに、デザイン案件はまとめて減ったのではなく、安い案件が消え、高い案件はむしろ上がっている。真ん中がごっそり抜けた、という状況です。

2. toB業務システムのデザイナーは、プロジェクトを遅らせる要因でしかない

ここからは私見です。

少なくともclaude designリリース以降はtoB向けの業務システムに参画しているデザイナーの大半は不要となりました。品質も納品スピードもデザイナーがいない方が上がります。

業務システムのUIに求められるのは、独自性ではなく予測可能性です。一覧があって、検索があって、詳細があって、編集フォームがあって、ボタンの位置がシステム全体で揃っている。これだけです。この領域でデザイナーが「もっと良い体験を」と言い出すと、既存の業務フローとの整合性チェック、エンジニアとの実装可否の往復、顧客への説明と承認が増え、工数が純増します。しかも出てくる画面は、Material DesignやAnt Designの標準パーツで組んだものと大差ありません。

いまはこの標準パーツで組む作業を、AIがやります。v0は簡単なテキストプロンプトからshadcn/uiベースのReactコードを生成しますし、Lovableはテキストプロンプトを機能するアプリに変換し、フロントエンドのレイアウト、バックエンドのAPI、ホスティングまで生成します。Klarna、Uber、Zendeskといった企業が社内ツールやMVPにLovableを使っていると報じられてもいます。

私も業務システムの管理画面をAIに出させて、デザイナーが2週間かけて作ったFigmaと並べたことがあります。正直、AIのほうが良かったです。理由は単純で、AIはデザインシステムの作法を一切崩さないからです。人間のデザイナーは「ここだけ少し変えたい」をやってしまい、それが実装側の例外処理になり、QAの項目になり、遅延になります。

3. 綺麗なUIは、もう誰でも作れる

「綺麗なUIが作れる」は、2026年現在、スキルとして1円も値段がつきません。

Figmaは自社のMakeを「技術的バックグラウンドに関係なく、デザイナーやプロダクトビルダーがインタラクティブで高精度なプロトタイプを作れるprompt-to-appツール」だと説明しています。Figma自身が「デザイナーじゃなくても作れる」と言っているわけです。

これはAIだけの話でもありません。Tailwind、shadcn/ui、Radixのようなコンポーネントライブラリが整った時点で、「破綻していないUI」の生産コストはほぼゼロになりました。エンジニアがこれらを使えば、デザイナーが作った画面と見分けがつかないものが出てきます。デザイナーの付加価値が「見た目が綺麗」だけだった人は、この時点で付加価値がなくなっています。

PhotoshopやFigmaが使えること自体の希少性は、もうありません。

4. こんな時代でも必要なデザイナーは2種類いる

ここまで読んで「じゃあデザイナー全員いらないのか」と思われそうですが、そうは思っていません。残ると思っている種類のデザイナーを2種類挙げます。

(1) toCで、目的に対して結果を出せるUI/UXを作れる人

toC向けのプロダクトでは、UIの差が数字に直結します。登録完了率、継続率、課金転換率。ここで「このボタンをこの位置にしたら離脱が何%減った」を自分の設計と検証で語れる人は、引き続き高い報酬で必要とされます。

このタイプの人が作る画面は、AIが出す「標準的に正しい画面」とは別物です。標準から意図的に外す判断と、その検証を回せることが価値であり、AIはまだそこを自律的にはやれません。

(2) コーポレートサイトやLPで、デザインの意味と根拠を語れる人

案件単価はかなり下がりました。ノーコードで数万円のホームページが作れる以上、相場が下がるのは当然です。それでもコーポレートサイトとLPについては、経験のあるデザイナーがまだ必要だと感じています。

理由は、この領域のデザインが「正解のある設計」ではなく「誰に何を伝え、どう動いてほしいか」の設計だからです。AIに「かっこいいLPを作って」と頼めば、かっこいいLPは出ます。でも「このターゲットには余白を広く取るべきで、ファーストビューに価格を出すべきではない。なぜなら」と根拠つきで説明できるかどうかは、まだ人の仕事です。

ただし条件つきです。根拠を持てないデザイナーは、この領域でも不要です。「なんとなく良い感じ」で納品していた人は、AIの「良い感じ」に価格で負けます。

5. デザイナーがいないプロジェクトのほうが上手くいく

言いにくい話ですが、世のアプリケーションエンジニアの9割はAIエージェンを使用した開発が当たり前になるずっと前から、デザイナーに対して強い苛立ちを感じていたのではないでしょうか。

私のキャリアで、デザイナーと揉めなかった案件は一つもありません。

揉める構造はだいたい同じです。デザイナーは「自分目線のユーザー体験」を根拠に要求を出し、エンジニアは「実装コストと納期」を根拠に反論し、PMがどちらにも根拠を示せないまま調整役に回る。toBの業務システムでは、この「ユーザー体験」の根拠が検証されないまま進むことが多く、最終的に顧客が「で、これ何が良くなったんですか」と言って終わります。

デザイナーがいない案件では、この往復がそもそも発生しません。エンジニアがデザインシステムに沿って画面を組み、AIにバリエーションを出させ、顧客に見せて決める。確かに「驚き」はありませんが、業務システムに驚きは不要です。

これは「デザイナーの性格が悪い」という話ではなく、根拠を数字で示せない人がプロジェクトに入ると、意見の対立が検証ではなく政治で決まるという構造の話です。デザイナーに限らず、根拠なしに「こうあるべき」を言う人は同じことになります。

最後に

まとめると、私の考えはこうです。

業務システムのUIを作っていたデザイナー、綺麗なUIを作ることが仕事だったデザイナーは、AIとコンポーネントライブラリに置き換わります。これが私の言う「8割」です。残るのは、toCで数字を出せる人と、コーポレートサイト・LPで根拠を語れる人。合わせて2割。

数字に出ているように、安い案件はすでに消え始めていて、高い案件は上がっています。「ツールが使える」から「結果に責任を持てる」に自分の売り物を変えられるかどうかが、この先の分かれ目になります。

エンジニアがGPT-4のときに迫られたのと、まったく同じ問いです。

-- 綺麗な画面は、もう誰にでも作れる --

参考

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