はじめに
この記事は Wano Group Advent Calendar 2025 の 9 日目の記事となります。
昨日の記事は@gibom さんのAIにフィッシングメールを書かせて訓練してみたでした。
背景と概要
弊社では、社内外で実施した会議の議事録を Notion で管理しています。
同じ話題に関して複数の議事録に記載されており、その内容に進展や修正などが発生するため、議事録ごとに同じ話題に関する内容が異なる場合があります。
決め事や今後のタスクについても、議事録ごとに進捗が異なります。
これによって、ある話題に関する最新情報を知りたいとき、最新の議事録を開いて確認する必要があります。
特に会議に参加していないメンバーが Notion のキーワード検索で調査する場合、その情報が最新なのかの判断に時間がかかるという問題がありました。
今回の記事では、これを解決するためにいろいろ試して、結果うまくいかなかった話をします。
現在の状況
最も大きな問題であり、解消したいのはある特定の話題についての最新情報がどの議事録に記載されているか分からないことです。
現在、弊社の議事録は Notion で以下のように管理されています。
テーブルビューのイメージ
| 議事録タイトル | タイプ | 開催日 | 編集者 |
|---|---|---|---|
| 2025-12-xx プロダクト定例 | プロダクト関連 | 2025-12-xx | 社員 A |
| 2025-12-yy A 社ミーティング | 外部 | 2025-12-yy | 社員 C |
| 2025-11-zz B 社ミーティング | 外部 | 2025-11-zz | 社員 B |
| 2025-11-aa hogehoge 打ち合わせ | hogehoge | 2025-11-aa | 社員 A |
| 2025-11-xx プロダクト定例 | プロダクト関連 | 2025-11-xx | 社員 C |
| 2025-11-bb B 社ミーティング | 外部 | 2025-11-bb | 社員 A |
| 2025-10-cc プロダクト定例 | プロダクト関連 | 2025-10-cc | 社員 A |
| 2025-10-dd A 社ミーティング | 外部 | 2025-10-dd | 社員 D |
例えば、「プロダクトの方針」に関する話題について、プロダクト定例の議事録に記載があるとします。
ある日、「プロダクトの方針って今どんな状況だったっけ?そもそも結論出てた?」と思い情報を探した時、本来2025-12-xx プロダクト定例を見るべきです。
しかし誤って2025-11-xx プロダクト定例を見てしまうと、古い情報で理解してしまいます。
そのため、会議に参加していない人や、決定からしばらく経ち忘れた頃に、その話題について調べる場合、見つけた情報が本当に最新なのかを精査する手間がかかってしまいます。
目指したゴール
最終的には、定期的に各議事録の内容から最新情報を取得して「ナレッジ QA ページ」を作成し、
それを更新し続けることで情報ソースを1箇所にまとめ、問題を解消しようとしました。
やってみたこと
Dify と Notion MCP を利用して、自動化を試みました。
Dify とは
オープンソースの AI アプリ開発プラットフォーム。
ドラッグ&ドロップの視覚的操作を通じて、RAG パイプラインやエージェント型ワークフローを含む高度な AI アプリケーションを、エンジニアだけでなく非エンジニアでも素早くプロトタイプから本番運用まで移行できます。
料金
セルフホスト(community 版)なら無料で利用できます。
主な用途
-
AI アプリケーション開発
- カスタムチャットボットやドキュメント検索ツールなど、各種 AI アプリをノーコード/ローコードで設計・構築できます。
-
RAG(Retrieval-Augmented Generation)パイプライン
- 多様なデータソースから情報を収集し、インデックス化して LLM に適した形で提供する高性能エンジンを内蔵。
-
エージェント型ワークフロー
- 複数ステップの「自律エージェント」をドラッグ&ドロップで作成し、外部ツールや API と連携した複雑なタスクを自動実行できます。
具体的なユースケースの例
- 社内外の FAQ 対応の効率化
- 議事録や各種コンテンツの自動生成
- データ分析
- メール監査や契約書のチェック機能
セルフホストの事例
- 全社チャットボット
https://tech-blog.tabelog.com/entry/advent-calendar-20241207
Notion MCP とは
- Model Context Protocol(MCP)は、LLM が各種ツールへアクセスする方法を標準化するオープンプロトコル
- Notion と Claude、Cursor などの外部 AI ツールを接続する橋渡し役
- AI ツールが Notion ワークスペースを自然に理解し、相互作用を可能にする
ローカル(VS Code) x Notion MCP では問題なく動いた
Dify 上で実施する前に、まずは VS Code 上で Notion MCP を利用し、タスクを実行しました。
目的は、ここでうまくいったプロンプトを Dify で作成するアプリに流用できる状態にすることです。
結果的に、このパターンでは意図通りの動作をしました。自動化が目的なので、これを Dify 上で再現します。
ナレッジ QA のイメージ
| Q | 経緯 | 詳細 | タグ | 最新の情報源 |
|---|---|---|---|---|
| XXXXX の実施はいつになった? | 部署 A から XXXXX の実施日程に関して aaaaa と要望があり、部署 B とともに調整した | xxxxxx が yyyyyy で zzzzz となった | タグ A | 議事録の url |
| YYYYY の対応方針は決定されたか? | YYYYY に関する問い合わせが増加しており、対応により人的リソースを圧迫していた | 一時的に ccccc のような対応を取り、重要度の高い件は別途 dddd の対応を実施する | タグ B, タグ C | 議事録の url |
| ZZZZZ の担当者は誰になった? | ZZZZZ の運用開始に伴い、担当者のアサインが必要となった | 社員 X がメイン担当、社員 Y がサブ担当として対応する | タグ D | 議事録の url |
| WWWWW の予算は承認されたか? | WWWWW の導入にあたり、見積もりを取得し稟議を上げていた | ○○ 万円で承認済み。来期から運用開始予定 | タグ A, タグ E | 議事録の url |
| VVVVV との契約更新はどうなった? | 現行契約が 12 月末で満了となるため、更新条件の交渉を実施していた | 条件を一部見直し、△△ の内容で 1 年更新することで合意 | タグ F | 議事録の url |
Dify でのワークフロー構築
役割ベースの協力(Role-based cooperation)を参考にエージェントを複数利用し、以下のようにそれぞれ作業を分担しました。
- 未取り込みの議事録を取得
- 1 で取得した議事録の内容から「決定事項(ナレッジ)」「TODO・検討事項」に分類・抽出する
- 決定事項を、最新情報まとめページに追記 or 更新
- TODO・検討事項を、最新情報まとめページに追記 or 更新
Dify の制約
1、2 は上手くいきましたが、3 で失敗しました。
調査したところ Dify の仕様で、オブジェクトや配列形式のパラメータが文字列形式で渡されてエラーになるようです。
Invalid JSON String in Dify Agent Node Due to Backslash Escape Character Removal
プロンプトによって、MCP へのパラメータの渡し方を厳密に指示しましたが解決しなかったため、現時点では別の方法を検討した方が良さそうだという結論に至りました。
まとめ
今回は、Notion に蓄積された議事録から最新情報を自動で集約する仕組みを Dify × Notion MCP で構築しようとしましたが、残念ながら完全な自動化には至りませんでした。
やったこと:
- VSCode × Notion MCP でプロンプトを検証 → 問題なく動作
- Dify でワークフローを構築し、自動化を試みた
つまずいたポイント:
- Dify のエージェントノードで、オブジェクト・配列型のパラメータが正しく渡せない問題に遭遇
- プロンプトの工夫だけでは回避できず、現時点では Dify 側の制約として断念
議事録の最新情報迷子問題は依然として残っていますが、別のアプローチで引き続き試していきたいと思います。
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