国土交通省がMCPサーバーを公開
国土交通省がMCPサーバーを公開した、というニュースを見ました。
お仕事柄、観光DXの観点で国土交通省のデータを見ることがあるので、気になって調べてみました。
国土交通データプラットフォーム内に情報が公開されていたので見てみたところ、官公庁のサイトと思えないくらいわかりやすい説明が…!
これはいいですね。という訳で試してみましたのでまとめます。
最初に結論:できること
後述の国土交通データプラットフォームに入っているデータを、自然言語で検索しつつ、要約してもらえるようになります。
そもそも国土交通データプラットフォームとは
国や民間が保有するシステムと連携し、様々な分野のデータを横断的に検索・表示・可視化・ダウンロードできるプラットフォーム、とのことです。
道路点検の情報などのインフラに関するデータや、旅客動態などの移動に関するデータ、他にも人口動態なども取得できるものになっています。
見ていただいてわかる通り、とてもおしゃれな見た目です。このページを見るだけでも面白いです。

※画像は令和2年の国勢調査を地図で表したもの。(プラットフォーム上で出来ます。)
公開されたMCPサーバーを試してみた
設定・構築
丁寧な説明書が公開されています。
簡単に内容をまとめると、
- Pythonをインストールする
これはまず問題ないと思いますが…一応、実行環境はPython 3.10以上です。 - Claude Desktopをインストールする
Claude Desktop以外で実施する場合は飛ばしてOKです -
国土交通データプラットフォームでアカウントを作成する
国土交通データプラットフォームにアクセスし、左下のユーザーメニュー>ログイン>ログイン画面内の「アカウントを作成する」で作成できます。
↓ユーザーメニュー

↓アカウントを作成する
- APIキーを取得
アカウント作成後、左下のユーザーメニュー>アカウントの管理>アプリケーションの新規登録を押下し、作成されたアプリケーションをクリックするとAPIキーが取得できます。
↓アプリケーションの新規登録

↓新規登録をするとアプリケーションが追加されます。下記のapp_1を押下するとAPIキーが閲覧できます。
- GitHubリポジトリをローカル環境にクローンし、仮想環境を作って設定を行う
- Claude Desktopを開いて設定を行う
これらは先ほどの説明書のP.8移行をなぞるだけなので割愛します。
設定が出来たら、検索とツールのところに"mlit-dpf-mcp"というものが出てきます。


情報を取得してみた
ここからは、説明書に記載のあるClaude Desktopを使って、実際に情報の取得を試していきます。
①何ができるのか?
まずは何ができるのかを聞いてみました。
データカタログを参照して返してくれました。色々なデータを見られることがわかります。

②OD分析
プラットフォームには、全国幹線旅客流動調査という調査のデータが入っています。
幹線交通機関における旅客流動の実態を把握できるもので、まずはこれを使って簡単なOD分析をしてもらいました。

レポートとして出力してくれました。


OD分析をやるには元データの粒度が荒いのでざっくりしかわからないですが、主要な県間移動の情報は出してくれました。
③訪日外国人の情報
①で訪日外国人流動データを持っているとの回答があったため、これも聞いてみます。


例えば愛知県内の移動(出発地・目的地が両方愛知県)ですが、e-StatのFF-Data(訪日外国人流動データ)と一致しており、データが取得できていることが分かります。
このような形で、国土交通データプラットフォームに入っているデータをもとに回答してくれるようになります。
できたこと
後述の国土交通データプラットフォームに入っているデータを、自然言語で検索しつつ、要約してもらえるようになりました。
ただ、Claude Desktopで使う方は、Claudeの使用制限にすぐ引っかかってしまうので、がっつり使いたい方はProでも足りないかもしれないですね。
試してみた感想
- 実装のための説明書がわかりやすい
さすがは官公庁の取組みです。なぞっていくだけで試せるので、MCPを初めて触る方にもおすすめかもしれません。 - オープンデータの新しい触り方になっていきそう
e-Statで探して使うだけでなく、MCPサーバーが今回のように公開されていくことでオープンデータ活用の裾野がもっと広がっていくのではないかと思います。
今後、他のオープンデータにも拡大していくことを期待しています!!