社会に出てわかった「ビジネスで本当に強いのは、物理屋の思考法」
※この記事を読むと、
・「物理学科でよかったのか…?」という不安が少し減ります
・「自分、意外と社会でやれるのでは?」という錯覚が起きます
・自己肯定感が体感で1.2〜1.5倍くらい上がります
ただし、単位は出ません。
なぜこの記事を書くのか(正直な話)
PhysiKyuのアドベントカレンダーで、私は2日分を担当していました。
12月1日の記事は書いたのですが、もう一つ約束していた12月17日の分は、結果的に間に合いませんでした。
理由は単純で、めちゃくちゃ忙しかったからです。
……と言うと、完全に言い訳っぽいですよね。
今年(読むタイミングによっては去年?)、私は学業と並行して、 自分で立ち上げた事業を実際に動かしはじめました。
正直、体力的にも時間的にもかなりギリギリで、 一時は「このまま続けたら休学もあり得るな」と思うレベルでした。
その中で、こんな場面に何度も出会いました。
あれ?
これ、物理で鍛えられてきた思考法、そのまま使ってない?
この記事は、その気づきを言語化したものです。
遅れてでも、ちゃんと書こうと思いました。
物理学科生が一度は感じる不安
物理学科にいると、こんなことを考えたことはありませんか。
- 研究者になる人って、ほんの一部じゃない?
- 物理って、就職したら何に使えるの?
- プログラミングできる人のほうが強いんじゃ?
- 結局、社会に出たら別スキルが必要なのでは?
正直、私もそう思ったことも、言われたこともありました。
このままじゃ、社会に出て戦える気がしない、という感覚。
でも実際に外に出てみて、これはかなり誤解だと気づきました。
ビジネスの現場で感じた「物理屋が強い瞬間」
① 問題を“感情”ではなく“構造”で見る
ビジネスの現場では、
トラブル・対立・認識のズレが日常茶飯事です。
でも物理屋は、自然とこう考えます。
- 何が変数か
- 何が制約条件か
- どこを動かせば全体像が見えるか
感情的な「誰が悪いか」よりも、
構造としてどうなっているかを見る癖が、驚くほど役に立ちました。
② 「とりあえずやる」より「仮説→検証」
ビジネスでもよく言われます。
「まずやってみよう」
でも物理屋は無意識にこう考えています。
- 仮説は何か
- どこを測れば検証できるか
- 次に何を改善するか
これは実験そのものですよね。
一発成功を狙わず、再現性を重視する姿勢は、そのまま武器になります。
③ 不完全な情報でも意思決定できる
社会に出ると、情報は常に不完全です。
- データが足りない
- 条件が曖昧
- 未来は読めない
でも物理では、
- 近似
- オーダー見積もり
- 無視していい項・ダメな項
をずっとやってきました。
「完璧じゃなくても、今出せる最適解を出す」 これは物理屋の得意分野です。
④ 「わからない」に耐えられる
物理学科の授業って、
正直「わからない」の連続ですよね。
でもその中で、
- 調べる
- 人に聞く
- 問題を分解する
を繰り返してきたはずです。社会では、この耐性がそのまま即戦力になります。
今やっている物理は、無駄じゃない
レポート、演習、意味不明な証明、バグだらけのコード。
全部、 「考え方の筋トレ」 です。
研究者にならなくても、 物理を直接使わなくても、物理屋の思考法は確実に残ります。
⑤ 「物理学科」という肩書きが、想像以上に効く
これは少し生々しい話ですが、正直に書きます。
社会に出てみて気づいたのは、
「理系」というだけで、すでに一定の評価があるということです。
さらに言うと、
「物理学科です」
と伝えた瞬間の反応は、ワンランク違います。
「すごいですね」
「頭良さそう」
「難しそうなことやってますよね」
……と、ほぼ自動で言われます。
別にこちらが何か成果を出したわけではありません。 それでも、最初から少し“できる側”として扱われる。
これは個人の実力というより 肩書きが持つ社会的バフですね。
もちろん、
物理学科にいるだけで何でもできるわけではありません。
でも少なくとも、
- 話を聞いてもらえる
- 意見をちゃんと検討してもらえる
- 「考えている人」という前提で扱われる
このスタート位置は、かなり大きいです。
だからこそ、物理学科生はもっと自信を持っていい
物理学科で学んでいること自体が、 既に社会では十分に希少です。
その上で、思考法まで身についています。
物理学科にいると周りに圧倒されて落ち込むことがあるかもしれませんが、
それは単純に、外の基準を知らないだけかもしれません。
最後に
物理は、将来を一つに決める学問ではありません。
どこに行っても通用する考え方の土台をくれる学問です。
だから今日も、
意味が分からない式と格闘しているあなたは、
ちゃんと前に進んでいます。
「物理をやっていてよかった」と思える日は、
たぶん、想像より近くにあります。