複数のGitHubリポジトリを同時に更新できるツール「MPR(Multiple Pull Request)」を紹介します。
MPRとは?
MPRは、特定のファイルやディレクトリを複数のGitHubリポジトリで一度に更新するためのツールです。例えば、CI/CDの設定ファイルや共通のドキュメントなどを、組織内の全リポジトリで同時に更新したい場合に役立ちます。
主な特徴
- 複数リポジトリ同時更新: 一度のコマンドで複数のリポジトリにPull Requestを作成できます。
- 簡単な操作: コマンドラインから簡単に使用できます。
- GitHub CLI統合: GitHub CLIを利用しているため、認証や操作が簡単です。
インストール方法
mprはHomebrewを使ってインストールできます。以下のコマンドを実行してください:
brew tap koriym/mpr
brew install mpr
インストール後、GitHub CLIの認証を行う必要があります:
gh auth login
認証時には、repo
、workflow
、read:org
のスコープが必要です。gh auth status
で確認してください。
% gh auth status
- Token scopes: 'read:org', 'repo', 'workflow'
使い方
基本的な使い方は以下の通りです:
mpr <ファイルまたはディレクトリのパス> <コミットメッセージ> <リポジトリ1> <リポジトリ2> ...
例えば、CI設定ファイルを更新する場合:
mpr .github/workflows/ci.yml "CIワークフローの更新" owner1/repo1 owner2/repo2
.githubフォルダを追加/更新する場合:
mpr .github "GHアクションの追加" owner1/repo1 owner2/repo2
活用シーン
- CI/CD設定の一括更新: 組織内の全リポジトリのCI/CD設定を一度に更新できます。
- ライセンスファイルの更新: オープンソースプロジェクトで、ライセンスファイルを一括で更新できます。
- セキュリティポリシーの適用: セキュリティ関連のファイルを複数のリポジトリに同時に追加または更新できます。
- 共通ドキュメントの管理: READMEやCONTRIBUTINGなどの共通ドキュメントを一括で管理できます。
メリット
- 時間の節約: 手動で各リポジトリを更新する手間が省けます。
- 一貫性の確保: 全リポジトリで同じ変更を適用できるため、一貫性が保てます。
- ミスの防止: 手動操作によるミスを減らせます。
- 効率的なレビュープロセス: 複数のPull Requestを一度に作成し、レビューできます。
注意点
- GitHub CLIの認証が必要です。
- 対象リポジトリへの適切な権限が必要です。
同様のツール
他にも複数リポジトリを管理するためのツールがあります。以下にいくつか紹介します:
-
Multi-gitter
- 特徴:複数のGitリポジトリに対して一括で変更を加え、プルリクエストを作成できます。
- 使い方:
multi-gitter run "sed -i 's/old/new/g' README.md" --branch-name "update-readme"
- リンク:Multi-gitter GitHub
-
Gita
- 特徴:複数のGitリポジトリのステータスを一覧表示し、一括で操作できます。
- 使い方:
gita fetch
で全リポジトリのfetchを実行 - リンク:Gita GitHub
-
Gitbatch
- 特徴:複数のGitリポジトリを並行して管理するためのCLIツール。
- 使い方:
gitbatch status
で全リポジトリのステータスを確認 - リンク:Gitbatch GitHub
これらのツールはそれぞれ特徴が異なり、用途によって使い分けることができます。他のツールはより広範な Git 操作や管理機能を提供していますが、MPRは特定のファイルやディレクトリを複数リポジトリで更新することに特化しています。
まとめ
MPRは特定の用途に特化した効率的なツールですが、他のツールも含めて検討することで、より適切なソリューションを見つけることができるでしょう。プロジェクトの規模や要件に応じて、これらのツールを使い分けたり、組み合わせたりすることで、より効率的な開発ワークフローを構築できます。
複数リポジトリの管理は開発者にとって重要なタスクの一つです。これらのツールを活用して、作業の効率化とコード管理の一貫性向上を図りましょう。使い方や詳細については、MPRのGitHubリポジトリを参照してください。