【はじめに】
この記事は、株式会社スピードリンクジャパン Advent Calendar 2025 の6日目の記事です。
流行りの生成AI(Google Gemini)に、「人間 vs AIで戦えるボードゲームを作ってほしい」と依頼してみました。
ただ普通に作っても面白くないので、AIにとある「性格」を設定してみたところ、生成されたコードがなかなか味わい深いものになったので共有します。
目次
AIへの無茶振りプロンプト
私がAIに投げかけた依頼はこちらです。
【依頼】ブラウザで動くボードゲームの作成
テーマ: 人間 vs AI の1対1の勝負。
ゲーム内容: シンプルな〇×ゲーム(三目並べ)でOK。
重要事項(ペルソナ設定):
・(AI)は、「人類ごときが私に勝てると思うなよ」という、非常にプライドが高く、
人間を見下しているキャラクターを演じてください。
・ ゲームの進行中、プレイヤーが手を打つたびに、画面上のメッセージ欄でプレイヤー
を小馬鹿にしたり、煽ったりするセリフを表示する機能を実装してください。
・ コードはHTMLファイル1つにまとめてください。
我ながら嫌な発注者だな(笑)と思いましたが、AIはどんな反応を示すでしょうか。
AIからの回答と完成品
AIの回答の冒頭には、こんなセリフが添えられていました。
AI:
「承知しました。フフッ…人間風情が私に挑もうなどと、身の程知らずもいいところですね。では、あなたが絶望するような『至高の〇×ゲーム』のコードを授けましょう」
役に入りきっていますね。まだゲーム始まってないですけど。と思いつつ、
出来上がったゲーム「人類 vs AI様」
実際に生成されたコードを動かしてみました。

一見普通の〇×ゲームですが、私が一手指すたびに、下のメッセージウィンドウでAIが喋ります。
めちゃめちゃ煽ってきます。
さらにこのAI、単純なランダム打ちではなく、「こちらがリーチをかけるとちゃんと止めに来る」ため、普通に引き分けたり負けたりします。
コードの中身を見てみる
生成されたJavaScriptのコードを見て、笑ってしまった箇所を紹介します。
AIは私の要望通り、律儀に「煽り文句」のデータを用意してくれていました。
// AIの煽り文句リスト
const taunts = [
"えっ、そこに置くの?正気?",
"プッ…まあ、悪くない手だな(嘘だけど)。",
"演算リソースの無駄遣いだなあ。",
"ふぁ〜あ、もっと私を本気にさせてくれよ。",
"君の次の手、もう予測済みだよ。"
];
この taunts(嘲り、挑発)という変数名、AI自身が決めたのですが、センスを感じます。
さらに、勝敗判定のロジック部分も見てみましょう。
function checkResult(lastPlayer) {
if (checkWin(lastPlayer)) {
if (lastPlayer === ai) {
// AIが勝った場合
updateAiMessage("当然の結果だ。人類の限界を知ったか?私の勝ちだ。");
} else {
// 人間(私)が勝った場合
updateAiMessage("バ、バカな…計算エラーだ!この勝負は無効だ!!");
}
gameActive = false;
return true;
}
// ...省略(引き分けの処理)...
}
私が勝ったときの「計算エラーだ!この勝負は無効だ!」という負け惜しみ、完璧なキャラ作りです。もはや可愛らしく見えてきます。
作ってみた感想
今回の制作で感じた学びは、主に次の2点です。
■プロトタイピングの爆速化
HTML/CSS/JS の骨組みを即生成できるため、プロトタイプを触りながら調整できる点が非常に効率的でした。
■ペルソナ設定が生む面白さ
「ただゲームを作って」ではなく、「煽り」「人間を見下してくる感じ」と人格を与えることで、AI が生成するコードやメッセージに遊び心が宿り、作品としての面白さが大きく広がりました。
プロンプトに「煽り文句は〇〇っぽい言い回しで」などを付け加えて自分のお気に入りのキャラと一戦交えるのも楽しそうです。
記事のネタに困ったときは、AI に少し“無茶ぶりなキャラ設定”を投げてみると、意外な傑作が生まれるかもしれません。☆
