はじめに
昨年11月頃から転職活動を開始し、学習含めて約4ヶ月半の転職活動を行いました。
結果、自社開発企業・受託開発企業それぞれ一社ずつから内定をいただくことができました。
SIerからエンジニアへの転職を目指す方は多いと思うので、記事として残しておきます。
同じようなところにいる方の参考になれば幸いです!
想定読者
- SIer含む、未経験からWantedlyを利用してエンジニアへの転職を目指す方
自己紹介
- 26歳、新卒でSIer企業に入社し4年間勤務
- 大学までプログラミングの経験なし
- 仕事ではCOBOLを使用、Web系の言語は経験なし
転職の動機
- 自分の仕事が世の中の役に立っている実感がなかったから
- 職場以外での勉強が仕事に活きなかったから
実は、転職活動開始の折にもこれから頑張るぞという記事を書いています。
興味を持っていただけた方は、お目通しいただけたら光栄です!
目次
- 成果物の作成(11月〜12月)
- 成果物
- 成果物作成までの勉強
- 参考リンク
- 転職活動(1月〜2月) ⇦ここがメイン
- 利用したサービス
- 応募数
- 未経験転職の通説について
- Wantedlyスコアは100まであげたほうがいい?
- 未経験からの転職はとりあえず100社応募したほうがいい?
- 「実務経験○○年以上必須」は無視して応募していい?
- 第一志望以外の企業で面接の練習をしたほうがいい?
- エンジニア転職で資格は役に立たない?
- これから選考を受ける方への注意点共有
- カジュアル面談の時点で選考フローを聞いておくべき
- 選考は全てオンラインで行われることが多い
- オンライン面談のカンペはあまり意味がない
- さいごに
1 成果物の作成(11月〜12月)
未経験の場合、意欲と技術力をアピールするために成果物を作成することが必要です。
成果物作成のための勉強と実際の成果物作成で2ヶ月かけました。
1.1 成果物
Webアプリケーション
Github
※ 2021年3月中にインスタンス停止予定
Ruby on RailsでオリジナルのWebアプリケーションを作成しました。
機能や使用した技術についてはGithubのREADMEに記載しています。
1.2 成果物作成までの勉強
こちらについてはまとめている方が何人もいらっしゃると思うので、さらりと。
- コンピュータサイエンス基礎(-)
- Linux基礎(Linux標準教科書)
- HTML/CSS基礎(Progate)
- JavaScript基礎(Progate)
- Ruby基礎(Progate)
- RDBとSQL基礎(Progate)
- GitとGitHub基礎(Udemy)
- Ruby on Rails基礎(Progate)
- Rails Tutorial
情報処理の資格を取得済みであったため、コンピュータサイエンス基礎については飛ばしました。
他の教材についてもアプリの作成に使わなそうな章は基本的に飛ばしていました。
ここまでで大体1ヶ月くらいかかりました。
1.3 参考リンク
2 転職活動(1月〜2月)
2.1 利用したサービス
転職エージェント
以下の3社を利用しました。
- マイナビ転職
- ワークポート
「エンジニアへの転職を目指している」と何度も伝えるも、
繰り返しSIer・コンサルへの転職を勧められ利用停止してしまいました。
- レバテックキャリア
電話で面談を行っていただき、親身なアドバイスをいただくことができました。
コロナ禍での転職の厳しさなど含め、有益な情報を提供していただけました。
希望に沿う企業を何社か紹介いただきましたが、自分の力不足で内定には至りませんでした。
Wantedly ( https://wantedly.com )
今回は主にこちらを利用して転職活動を行いました。
転職の意思がなくても話を聞く目的で企業にカジュアル面談を申し込めます。
自分のプロフィールに興味を持ってもらえれば、面談の日程調整で企業から返信が来ます。
申し込みも履歴書の送付等はなく、「話を聞きにいきたい」ボタンを押すだけです!
内容にこれといった決まりはなく、履歴書よりもだいぶカジュアルな印象です。
記載する項目も「座右の銘」などがあって、個性が出ますね!
(参考)エージェントとWantedlyの比較
二つの転職サービスを比較して、感じた大きな違いは以下のところです。
自分に合う方を選んでも良いですが、登録は両方してしまってもいいと思います。
Wantedlyでは自分に興味を持ってくれた企業からスカウトが来ることも多いです!
転職エージェント | Wantedly | |
---|---|---|
求人 | 大手が多い | ベンチャーが多い |
面接 | 入社前提で一次面接から | とりあえず話してみるところから |
条件面 | 募集要項に記載 | 最終面接までわからないことがある |
日程調整 | やってくれる | 自分でやる必要がある |
MENTA ( https://menta.work/ )
転職サービスではありませんが、メンター(相談者)を見つけるためのサービスです。
内定をいただいた2社で迷っている時に、キャリア相談の経験があるエンジニアの方に相談しました。
エンジニアの知り合いが少なく、技術・キャリアの相談できる方がいない方にはオススメです!
自分はこちらの方に相談し、非常に納得感のある説明をしていただくことができました!
また、ポートフォリオの作成でエラーの解決に行き詰まった時にも利用していました。
AtCoder ( https://atcoder.jp/home )
競技プログラミングのサイトです。
選考フローの中でコーディングテストがある企業があり、その対策で利用していました。
コーディングテストではWebアプリケーション作成とは少し違った能力が必要になると感じました。
アルゴリズムを考えることに苦手意識がある場合は対策必須だと感じました。
企業によってコーディングテストを実施するサイトが異なります。
事前にわかるのであれば、指定されるサイトで練習するのが一番だと思います。
2.2 応募数
企業によって選考フローが異なるなので、表にまとめるのが難しいのですが、大体こんな感じでした。
エージェント経由の通過率が以上に低いのは、面接が下手すぎたことに起因します。
エージェント経由の面接で練習してからWantedlyの選考が始まったので、Wantedlyの方が通過率が高いです。
面接の練習は大事。
転職エージェント (レバテック) |
Wantedly | |
---|---|---|
応募 | 32 | 44 |
返信 | 7 | 12 |
1次面接通過 | 2 | 10 |
2次面接通過 | 0 | 7 |
内定 | 0 | 2 |
2.3 未経験転職の通説について
未経験からのエンジニア転職というテーマでは、多くの著名な方がロードマップを発信しています。
そのロードマップを実践して今回転職しましたが、以下のような通説について自分の考えを記載しておきます。
2.3.1 Wantedlyスコアは100まであげたほうがいい?
必要ないと感じました。
Wantedlyのプロフィールにはウォンテッド・スコアというものがあります。
プロフィールを充実させるごとにスコアが上がり、スコアが高いと企業の目に止まりやすくなるそうです。
(単に文字数を増やしたり、全ての項目を埋めればスコアは上がるようです)
必要な情報が記載できていれば、企業から返信はいただけると感じました。
個人的には他のことに時間をかけたほうがいいと思っています。
2.3.2 未経験からの転職はとりあえず100社応募したほうがいい?
以下の2点の理由から必要ないと感じました。
① 返信を多くいただけた場合に調整が不可能になる
ほとんどの企業は平日の日中帯を面談日に指定します。
大体の企業は面談申し込みの次の週くらいを指定してくれるので、面談が同じ週に集中します。
現職と並行する場合、出社の前後に複数の面談を行うのはなかなかハードです...。
(既に前職を退職されている場合や、柔軟に休みを取れる場合は問題なし)
② 何をしている会社かも知らずに応募することになる
数を打とうとすると、会社の募集要項を読む時間がありません。
入りたいと思っていない会社の志望動機は話せないし、質問も思いつきません。
そんな面接に時間をかけるくらいなら、志望度の高い会社の下調べに時間をかけるべきだと感じました。
また、Wantedlyの面接では「社風にあっているか」をかなり重視されるように感じます。
カジュアル面談でも社風に合わないと判断した場合、その場で面談を終了することもザラです。
自分が入社したいと思える会社に応募して、有意義な時間にしたいですね!
2.3.3 「実務経験○○年以上必須」は無視して応募していい?
その通りだと感じました。
「○○の言語を使った実務経験」などの記載は無視して応募し、実際に返信をいただけました。
「未経験者可」という記載をすると、成果物も作成していない人が大量に応募してくるそうです。
それを防ぐための足切り的な役割で記載している企業も多いとのことでした。
(本当に実務経験者を募集しており、お祈りされる企業もありました笑)
2.3.4 第一志望以外の企業で面接の練習をしたほうがいい?
その通りだと感じました。
練習をすることで面接が上手くなることを、転職活動を通して実感しました。
聞かれるかわからない想定問答集で対策を行うより、実際に面接を受けた方が早く上達しました。
「第一志望以外の企業で練習」という言葉は非常に聞こえが悪いですが、必要であると明確に感じました。
どうしても入りたい企業がある場合、いきなり面接を受けるのは得策ではないと感じました。
2.3.5 エンジニア転職で資格は役に立たない?
私の場合は役に立ちました。
自分はIPA・AWSの資格をいくつか取得していました。
面接の場で話題に上がることは多く、「定期的に勉強をする習慣がある」と評価していただけました。
資格を取得していることにポジティブな印象を持っていただけることをはっきりと実感しました。
ただ、転職する上での最短経路が「成果物を作成すること」であるのは明確です。
あくまでも「現在持っている場合、全く役に立たないということはない」ということです。
決して今から資格の勉強を勧めるものではありません。
2.4 これから選考を受ける方への注意点共有
選考を進めていく中で自分が困ったこと・やっておくべきと感じたことについて以下に記載しておきます。
2.4.1 カジュアル面談の時点で選考フローを聞いておくべき
Wantedlyの場合、全体の選考フローが募集要項に明記されていない企業が結構多いです。
ベンチャー企業だと内定を受けて承諾は一週間程度しか待ってくれないことが多々あります。
したがって複数内定を比較する場合、内定(最終面接)を同じ週に集中させる必要があります。
2回の面接で終了する企業・3回面接+コーディングテストがある企業など選考のフローは様々です。
面談の日程は割と調整できるので、最終面接が同じ週に調整できるよう事前に確認しておくべきです。
2.4.2 選考は全てオンライン面談で行われることが多い
2021年1月〜2月にかけて転職活動を行いましたが、選考はオンラインで行われることがほとんどです。
(会社に来るよう求められたのは全体でも2社のみ、それも両方最終面接でした)
選考に当たっては映像(カメラ)・音声(マイク)が通じるよう準備を事前にしておくべきです。
オンラインの面談の経験がない場合、話すテンポなど対面より気をつけることが多いので練習必須です。
Zoom・Google meetが多いですが、他のツールを指定されることも稀にありました。
2.4.3 オンライン面談のカンペはあまり意味がない
オンライン面接はカンペを作って画面の半分に表示すれば見放題!のような文言をよく見かけます。
事実として見ることはできますが、個人的にはあまり意味がないように感じました。
キャリアプランなどよく聞かれることは、何社か面接を受ければスラスラ言えるようになります。
技術的な質問については何が聞かれるかわからないので、カンペを用意することができないと感じました。
自分が聞かれた技術的な質問で覚えているものについて、参考までに記載しておきます。
例)
- HTTPのレスポンスコードを思いつくだけあげてください
- HTTPのリクエストからレスポンスが帰ってくるまでの流れを説明してください
- ISO参照モデルの各層が分かれている理由を説明してください
- DNSについて説明してください
- 「テスト」についてあなたの考えを述べてください
- Twitterをあなたが開発する場合、何日で作れるか根拠とともに説明してください
さいごに
熟慮の結果、受託開発企業に入社することを決めました。
内定をいただくことができたもう一社も素晴らしい会社で非常に悩みましたが、納得いく決断ができました。
相談に乗っていただいた知人のエンジニア・メンターの方に、この場で感謝を申し上げます。
現職と並行しての転職活動は大変でしたが、無事エンジニアとして働けることが決まり、一旦は安心しています。
一日でも早くエンジニアとして独り立ちできるよう、毎日勉強していきたいと思います。
拙文ですが読んでいただきありがとうございました。