はじめまして、koiです。
SIerでPMやPMOを担当しています。
現在は複数プロジェクトのPMを兼務しており、チームビルディングやベンダーコントロール、課題管理が得意です。
さて、AIの進化が甚だしい昨今。
便利になったはいいのですが、どうしても気になるのは「私の仕事ってAIにもできることなのでは?」という感覚があるので、以下のテーマで考えてみました。
PMOの仕事はどこまでAIに代替される?
これを考えるには、まずPMOの定義から振り返る必要があります。
そもそもPMOとは?の定義を振り返る
PMOは「Project Management Office」の略。
プロジェクトを円滑に推進するために支援する役割を担っています。
ただし、その実態はプロジェクトによって大きく異なり、「書類作成代行」から「全体統括の右腕」まで幅広くあるのが現状です。
なので『PMO』と一口に言っても解釈が分かれてしまうのですが、だいたい以下の3つに分類されるかなと思います。
事務局型
会議体の運営、資料作成、進捗集計などを担当サポート型
課題管理やスケジュール進行など、PMの補佐を担当統制型
複数チームを横断して、標準化やルール策定・マネジメントを行う「PMO」という肩書きだけでは、その人が何をするのかは明確には読み取れないのが難しいところ。
だからこそ、プロジェクトで“どんな支援を求めているのか”は事前に明確にすることが最重要だと思います。
結局、PMOは何ができればいいのか?
ここからは、実際に私が現場で「PMOとして求められたこと」を書き出していきます。 まずは基本動作として、これらができると一定の信頼を得られる印象です。課題管理
議事録やエンジニアのヒアリングから課題を抽出する タスク化し、「誰が・いつまでに・何をやるか」を整理して全体に共有スケジュール管理
進捗が想定と異なる場合は、その背景をヒアリング 聞いた内容はマネジメント層にも噛み砕いて報告 専門的な理解も必要なので、ある程度のシステム知識が求められるリスク管理
課題やスケジュール遅延を起点にリスクを見つけ、事前に手を打つプロジェクトの標準化
やり方が属人化していたり、うまく回っていないプロセスを整理する テンプレやルールを整備して、関係者に展開するリソース管理
稼働状況を把握して過負荷があれば調整する 必要に応じてリソース補填の相談(必要となる要員のスキルセットを整理)各種資料作成
計画書・報告書など、PMが一人で抱えるには重い資料作成を補佐これができると強い!と感じる+αスキル
これらの他に、PMOとしてプロジェクトの礫が伸びてくると、以下のようなことも求められるようになりました。 プロジェクトによっては優先順位が異なるものもあるかと思いますが、この辺りもできると結構重宝されるのかなと思います。メンバー育成
新人向けのキャッチアップ資料作成や、オンボーディング支援要員アサイン
人が足りないときに、社内外からリソースを見つけてこれる人は貴重。 横のつながり大事!PMOの仕事はどこまでAIに代替される?
感覚的に、正直半分くらいはAIに効率化されるだろうと思っています。
例えば「課題管理」。
議事録やエンジニアのヒアリング記録をAIに流せば、課題抽出はほぼ自動化できそう。
さらに「誰が・いつまでに・何をやるか」を整理して割り当てるのも、スケジュールやスキルセットを事前に学習させれば自動化は難しくなさそう。
完全に人の仕事がゼロになることはないにせよ、確実に工数は減るだろうな〜〜という未来を感じてます。
それでも人に残る仕事ってなんだろう
ただ、効率化が進んだからといって、PMOの価値が消えるわけではないとも思っています。最初のうちは、AIが下準備したものを判断する精査の作業が残ると思います。
今までの勘所を活かしつつ、「本当にこれでいいのか?」をチェックして手直しする。 「GO」を出すのは結局人間がやるのでしょう。
AIは責任を取ってはくれないので、「判断して責任を負う」というところに人間の価値が最大化される気がします。
AIの精度がどんどん上がれば、「まぁこれでOKだよね」と通るものが増え、単なる確認作業になってしまう可能性も十二分にあるなと思います。
その時に「右から左に流すだけのPMO」になってしまうと、確かにお役御免感は出てきそうです。
これからPMOは何が求められるのか
ただ、ここまでの下準備というか、 「どうやってAIを生かしてPMOタスクを効率的に進めるか」 を考えるのは、しばらくPMOの仕事として重宝されそうだと思います。 DX推進のように、プロジェクトごとに「どの作業をAIに任せ、どこを人が担うか」をデザインするのが、PMOの立ち位置になるのではないだろうか。そうなると、やっぱり日頃からAIに触れて「君は何ができるんだい?」を色々試す習慣をつけておきたいと思います。
自分の作業を楽にする目的でもいいし、AIを導入しているプロジェクトに参画するのも良さそうです。
そうした経験が、AI時代に市場価値を押し上げてくれるのではないかと思います。
終わりに
ちなみAIに仕事が奪われることを否定的に話す文脈もよく目にしますが、私は効率化される分には全然いいと思っています。 空いた時間で他にできる作業を見つければいいだけの話。 それに、今までに電話やメール、インターネットが普及しても、人の仕事は減らずに増え続けてきました。 なくなった仕事の先には、絶対新しい仕事が生まれるに決まっていると思っているのです。効率化されてもその仕事に価値があるのであれば、支払われるお金は減らないわけですし(紹介したタスクは誰でもできるものになりそうなので、価値は減りそうですが)
今後は「どう使いこなすか?」を考えられる人に、新しい役割が生まれていくと思っています。