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IBM i 駆け出し日記:LPAR間でテープ装置を共有して使う

Last updated at Posted at 2024-04-22

はじめに

複数LPAR間でテープ装置を共有して使う場合の、資源の切り替え検証を行いました。
今回は以下の2種類の検証を実施しております。

  1. HMCから資源の割り当てを直接切り替える方法
  2. 仮想SCSIを用いて切り替える方法 手順資料
    (2の方法は物理LPARではなく、IBM i ホスト-クライアントの構成である必要があります)

環境情報

  • マシン:9009-42A (IBM Power S924)
  • OS:IBM i 7.4
  • ドライブ:LTO5
  • テープ:LTO6
  • SASアダプター:PCIe デュアル x4 SAS アダプター (FC 5901)
  • HMCバージョン:V10 R3 SP1050

LPAR 情報

  • ホスト区画:IBMINWS
  • クライアント区画:IBMITS01、IBMITS03

1.HMCから資源の割り当てを直接切り替える方法

本検証ではクライアント区画であるIBMITS01とIBMITS03間で資源の切り替えを行います。
この方法は、IBM iホスト-クライアントの構成である必要がなく、物理LPARでも実施できます。

事前準備

マシンの資源情報を確認する

HMCのシステムから該当マシンを選択、
左側のプロセッサー、メモリ、物理I/Oアダプターから、SASアダプター(PCI-E SAS Controller)が未割り当てであることを確認します。
image.png

アダプターを割り当てる

IBMITS01にSASアダプター(PCI-E SAS Controller)を割り当てます。

システム>リソースからIBMTS01を選択し、左側の物理I/Oアダプターを選択します。
そこからアダプターの追加を行ってください。
変更が終了したら右上の保管ボタンを押します。
image.png

IBM i から資源の情報を見る

WRKHDWRSCコマンドでOSがアダプターおよびテープを認識しているか確認します。
CMB08のDC04が今回アサインしたアダプターです。
image.png

DC04でオプション7を選択すると、TAP01としてテープ装置が認識されていることがわかります。
(テープ装置だと認識するまでには少し時間がかかります、2-3分くらい待ちました)
image.png

WRKCFGSTS CFGTYPE(*DEV)でテープの状況を見てみます。
image.png

TAP01が使用可能であることがわかります。
image.png

では、IBMITS01からIBMTSI03にテープ資源を切り替えます。

テープをオフに構成変更する

IBMITS01にて以下のコマンドを実行し、テープの構成をオフにします。
VRYCFG CFGOBJ(TAP01) CFGTYPE(*DEV) STATUS(*0FF)

image.png

HMCでアダプターを付け替える

IBMITS01からSASアダプターを剥がします。
該当LPARを選択し、物理I/Oアダプターを選択します。
除去対象のアダプターを選択し、アダプターの除去を押します。終わったら保管を押します。
image.png

IBMITS03にアダプターを割り当てると同じ手順でアダプターを割り当てます。

移動先LPARにてテープ装置をVary Onする

IBMITS03にサインオンし、WRKHDWRSCWRKCFGSTSでテープがOS側から認識されているかを確認します。
装置が自動構成になっていれば、自動的にVary Onになりますが、なっていない場合は以下のコマンドでテープ装置をVary Onします。
VRYCFG CFGOBJ(TAP01) CFGTYPE(*DEV) STATUS(*ON)

Vary onが失敗した場合は、2-3分待ってからもう一度実行してみてください。
(テープの移動後、OSに認識されるまで少し時間がかかるため)

2.仮想SCSIを用いて切り替える方法

ホスト区画であるIBMINWSを用いて、1のようなアダプターの物理付け替えを行わずにテープ装置をIBMITS01からIBMITS03に切り替えます。

環境概要として、IBMINWSがホスト区画で、2つのクライアント区画(IBMITS01とIBMITS03)がある環境で検証を実施いたしました。
AIXでいうVIOS環境のようなものです。

またNWSDの作成から行う場合はこちらの手順を参考にしてください。
手順資料

事前準備

ホスト区画にSASアダプターがアサインされていることを確認

HMCからテープ装置に接続されているSASアダプターがホスト区画にアサインされていることを確認します。
image.png

ホスト区画でテープ装置を使用不可にする

クライアント区画でテープ装置を使用するためには、ホスト区画でテープ装置を使用不可にする必要があります。
WRKCFGSTS CFGTYPE(*DEV)のオプション2で、今回はTAP02として見えているテープ装置を使用不可に変更します。
image.png

ホスト区画からクライアント区画の回線記述をオンにする

ホスト区画であるIBMINWSにサインオンし、下記コマンドでクライアント区画を確認します。
WRKCFGSTS CFGTYPE(*NWS)
テープを認識させたいクライアント区画に対して、オプション 1 (オンに変更) を実行します。
image.png

クライアント区画からテープ装置の状況を確認する

オンに構成変更したクライアント区画(今回はIBMITS01)にサインオンし、テープの状況を確認します。
以下のようにTAP02として使用可能になっていることがわかります。
image.png

このテープ装置をIBMITS03で使用したい場合、同様に以下を実行して切り替えることができます。

  1. IBMITS01でテープ装置を使用不可にする
  2. IBMINWSでWRKCFGSTS CFGTYPE(*DEV)からIBMITS01の構成をオフにする
  3. IBMITS03の構成をオンにする

Tips

テープ装置の構成をオフにするとドライブからテープが飛び出してきてしまう問題

オフに構成変更時の装置のアンロードを*NOにするとテープが飛び出てこなくなります。
CHGDEVTAPで設定変更が可能です。
この構成だとオフにした際、飛び出てきてしまいます。
image.png

ドライブとテープ装置問題

ドライブはテープを読み取る装置のこと、テープはテープ本体です。
(私は語彙がごちゃごちゃになっていたので、、)

これがテープです↓
image.png

ちなみにOSにTAP01として認識されているのはドライブです。

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