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生成AI(ChatGPT)禁止で、若手エンジニアが崩壊した話

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この記事のまとめ

  • 私自身はもともと複数の生成AIをヘビーに使っていた
  • 禁止デーを前に「効率がおちるのでは」と反対だった
  • 実際にやってみると、以前より自分の力が伸びていたことに気づき衝撃を受けた
  • 一方で、新人エンジニアはChatGPTなしでは基本すら解けず崩壊した
  • AWS CEOも「AIに頼りきった教育の危うさ」を警鐘しており、現場の実感と重なった
  • 結果として、若手育成においては「AI禁止」に一定のメリットがあると感じた

目次


はじめに

エンジニアとして働く中で、組織の中で生成AIをどう活用するかについてずっと頭を悩ませていました。

私はもともと複数のAIをヘビーに活用するユーザーであり、業務の多くにAIを活用していました。

だからこそ「ChatGPTを含む生成AIを禁止する」という職場の決定が下されたとき、正直反対でした。AIがなければ効率悪化するのでは、と。

しかし、実際に「AI禁止デー」を経験してみると、予想していなかった変化が起きました。


自分への影響

禁止が始まってみると、意外にも自分には大きな影響がありませんでした。
驚いたのは、普段あれほどAIを多用していた自分でも、自力でコーディングができるだけでなく、以前よりスムーズに、説得力ある実装ができていたことです。

もちろん「ここはChatGPTで補助したいな」と思う場面は頭をよぎりました。

それでも手は止まらず、AIを使わない中で自分の力が確実に伸びていたことに気づきました。

ヘビーユーザだったからこそ、この逆説的な発見は大きな衝撃でした。


若手エンジニアへの影響

一方で、AIネイティブの新人エンジニアに大きな変化がありました。

ChatGPTがなければ、基本の基本の問題すら自力で解決できない。禁止になった途端、まるで手も足も出ない状態になってしまったのです。

普段はReactやバックエンドを高速で実装していた人でした。
しかし禁止デーになると、オブジェクトの値を書き換える1行のコードすら自力で書けなかったのです。

この落差はあまりに大きく、現場にいた私自身に強烈な衝撃を与えました。


なぜ結果がここまで分かれたのか

私自身と新人エンジニアとで、なぜここまで結果が違ったのか。
理由はシンプルで、AIとの関わり方の違いに尽きると思います。

私はもともとAIを「補助的なツール」として使っていました。
コード理解を深めたり、別の実装方法を探したり、日本語ドキュメントが不足している部分を調べるためにAIを活用していました。
つまり、地力があったうえでAIを拡張的に使っていたのです。

一方で新人は「最初からAIに頼る前提」で学んできた、いわばAIネイティブです。
基礎を身につける習慣がなく、禁止されれば学習の入口すら見えなくなる。
だからこそ禁止デーで、私は「力が伸びていた」と感じ、新人は「何もできなくなる」という正反対の結果になったのです。


AWS CEOの警鐘

この状況と重なるのが、AWSのCEO Matt Garman氏の発言です。

  • 「AIで新人を置き換えるのは、私が今まで聞いた中で最も馬鹿げたことのひとつだ」
  • 「新人はコストも低く、AIにも慣れている存在だ」
  • 「しかし、大学を出たばかりの若者にソフトウェアの作り方や問題の分解の仕方を教えることは、今後も必要だ」

彼は、AIに頼りきった教育では次の世代を育てられないと強い警鐘を鳴らしています。
まさに、現場で直面した状況と重なって見えました。

(参考: itpro.com


感想と結論

今回の経験を通じて、当初は反対していた「生成AI禁止」が、意外にも大きな意味のある取り組みだと感じました。

禁止によって現場にどんな変化が起きるのか、鮮明に理解できたからです。

AI活用推進派だった私ですら、少なくとも若手育成においては、禁止のメリットのほうが勝っていたと思います。

AI禁止デーの導入に悩まれている方は、一度早急に試験的に実施しまずは状況把握することが急務だと思います。それほど状況は切迫しています。

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