こんにちは!まっつんです。
前回までは Dify・VBA などを使って効率化に挑戦していましたが、
今回は Power Automate Desktop を使って、身近な業務課題にアプローチしてみました。
「ちりつも」の作業はいたるところに
私の職場では、毎月「経営会議」があります。
会議後には議案資料がフォルダに保存されますが、それを一覧にまとめる作業が大変でした。
これまではアシスタントさんに依頼し、
- PDFファイルの名前を1つずつExcelに入力
- 検索できるように一覧表を作成
という流れ…。
正直、この作業は地味ながら 時間も手間もかかりすぎます。
「この作業、もっと簡単にできないかな?」
と思ったのが今回の挑戦のきっかけです。
今回作ったもの
ゴール
フォルダに保存された会議資料のファイル名を読み取り、
Excelに自動で転記する仕組み を作りました。
イメージはこんな感じです👇
- 会議資料(PDF)をフォルダに入れる
- Power Automate Desktopを実行
- Excelに自動で議案名一覧が完成!
🎥 動作の動画
使用したツール
- Power Automate Desktop(無料)
- ChatGPT
- PDFファイル
なぜこのツールを選んだのか?
- ノーコードで簡単に操作できる
- Excelとの相性が良い
- 社内の同僚にも「見せやすい」
特に 「誰でも試せる」 というのが大きなポイントです。
作り方の流れ
Power Automate Desktopでは、動作のブロックをドラッグ&ドロップで並べるだけなので、初心者でも取り組みやすいです。
主なフロー
- Excelを起動
- 対象フォルダのPDF一覧を取得
- ファイル名を抽出
- Excelに1行ずつ書き込み
Folder.GetFiles Folder: $'''C:\\Users\\201459\\Desktop\\9.8宿題\\実装宿題\\実装試験用_配信データ''' FileFilter: $'''*.pdf''' IncludeSubfolders: False FailOnAccessDenied: True SortBy1: Folder.SortBy.NoSort SortDescending1: False SortBy2: Folder.SortBy.NoSort SortDescending2: False SortBy3: Folder.SortBy.NoSort SortDescending3: False Files=> Files
Excel.LaunchExcel.LaunchUnderExistingProcess Visible: True UseMachineLocale: False Instance=> ExcelInstance
SET NewVar TO 2
Excel.WriteToExcel.WriteCell Instance: ExcelInstance Value: $'''ファイル名''' Column: $'''A''' Row: 1
LOOP FOREACH CurrentItem IN Files
Excel.WriteToExcel.WriteCell Instance: ExcelInstance Value: CurrentItem.NameWithoutExtension Column: $'''A''' Row: NewVar
Variables.IncreaseVariable Value: NewVar IncrementValue: 1
END
Excel.SaveExcel.SaveAs Instance: ExcelInstance DocumentFormat: Excel.ExcelFormat.OpenXmlWorkbook DocumentPath: $'''C:\\Users\\201459\\Desktop\\9.8宿題\\実装宿題\\実装試験用_議案一覧\\議案一覧.xlsx'''
✅ 苦労した繰り返しのやり方はこちら(RowCounter変数を使う方法)
①変数を作る
フローの最初で 「変数の設定」アクション を追加
- 変数名:
RowCounter
- 値:
2
(Excelは1行目をヘッダにするため、2行目から開始)
②書き込み処理を変更
「Excel ワークシートに書き込む」アクションを以下のように修正します。
- 書き込む値:
%CurrentItem.Name%
- 列:A
- 行:
%RowCounter%
③カウンターを更新
ループの最後に 「変数の値を増加」アクション を追加します。
- 変数:
RowCounter
- 増加値:1
✨ フローの動き
RowCounter = 2
For Eachでファイル1件目 → A2に書き込み
RowCounter = 3
次のファイル → A3に書き込み
RowCounter = 4 …
👉 これでファイル名が順番に縦に並びます!
✅ 変数の設定を入れる場所
- フォルダー内のファイルを取得
- Excelの起動
- 変数の設定(
RowCounter = 2
) ←ここに入れる - Excelにヘッダを書き込む(A1に「ファイル名」など)
- ループ内の「Excelに書き込む → 行」に
%RowCounter%
を入力 - 「Excelに書き込む」の直後に「変数の値を増加」アクションを追加
- 変数:
RowCounter
- 増加値:1
- 変数:
- Excelを保存
- Excelを閉じる
💡 ポイント:もし「変数の設定」をループの中に入れると、毎回リセットされてA2にしか書き込まれません。なので必ずループの前で一度だけ設定してください。
実際に使ってもらった!
今回は、職場の 同僚A(若手の優秀な後輩) に試してもらいました。
事前に説明したこと
- フォルダにPDFを入れて、ボタンを押すとExcelにリストが出ますよ
- 今は「議案名(ファイル名)」だけですが、拡張すれば共有フォルダの整理にも使えそうです
フィードバック
💬 同僚A
- フォルダに追加しただけで一覧が作成されるのは便利
- ファイル名が正しくないと結局修正が必要
- 議案PDFから議案名を直接読み取ってくれると一番ラク
- わかりやすいシンプルな議案名ルールを決めたほうが良い
- 支社ごとでも活用できそう
確かに、各部署からの資料は ファイル名の付け方がバラバラ。
そのため「どれが最新?」と混乱することも多く、課題を再認識できました。
学んだこと・感じたこと
- 周囲に試してもらうと、新しいアイデアが必ず出てくる
- 自分の発想では「作業効率化」だけだったが、ルール化や見える化の重要性 に気づけた
- 目の前が忙しくても、少し立ち止まって議論すると課題感が見える
- 世代に関係なくDXには抵抗感があり、根気よく説明が必要
さらに、部署の他の方からは…
- 「PDFファイルから議案名を取り出せるとより便利」
- 「ほかの資料でも活用できそう」
という声もありました。
小さな仕組みでも、周囲を巻き込むことで発展性が広がる と実感しました。
まとめ
- 手作業で行っていた「会議議案のリスト化」をPower Automate Desktopで自動化
- 同僚に試してもらったことで、効率化以外の視点(ルールや運用の徹底)も見えた
- DXは小さな一歩から!パズルのように楽しんで作れる
👉 「プロトタイプを早く作って試してもらう」ことの大切さを学びました。
ぜひ皆さんも Power Automate Desktop を触ってみてください!
あとがき:ChatGPTと進めた試行錯誤の記録
今回のフロー作成は、最初から完成形を描けていたわけではありません。
むしろ「やりたいことはあるけど、どう組み立てればよいかわからない」という状態からのスタートでした。
そこで、課題にぶつかるたびに ChatGPTに相談 → 解決方法を模索 する、という流れを繰り返しました。時には、嘘情報をつかまされて一人でツッコみを入れることも...
このように 「課題 → 相談 → 解決」 を積み重ねることで、少しずつ前進していきました。
完成した仕組みそのものはシンプルですが、試行錯誤を通じて理解が深まったこと が、一番の成果だと感じています。