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あれから1年、ストレングスファインダーによる活動はどうなったのか?

Last updated at Posted at 2025-12-07

はじめに

この記事はスタンバイ Advent Calendar 2025の8日目の記事です。

昨年、明らかに一人だけういていたストレングスファインダーの記事を書いてから約1年経ちました。おかげさまで私はなんとかやっています。

2024年のAdvent Calendarを公開した翌日から
次こそSQ(私が属する組織であり職種。Search Qualityの略)の悲哀を書くぞ!
などとひとり息巻いていたのでありますが、なんとその間にテックブログの執筆の機会を頂き、そちらに思いの丈を勢い余って綴ってしまいました。

SQについて知りたい方はぜひ以下の記事をお読みください。

残された選択肢

さて、SQについて現状で記すことがないとなると、Advent Calendarでは前回テーマであるストレングスファインダー1に再び触れていくのが上策でしょう。

スタンバイのプロダクト部門は、個々人が事業を深く理解し、個々の専門性を発揮し、自らの裁量を持って実行する「自立型組織」を標榜しています。

個の強みが生きる環境を作ることは、すなわち自立型組織にもつながる。

プロダクト部門が昔からストレングスファインダーで強みの可視化を行ってきたのはこれに連なるわけですが、私はその過程で入社し、たまたま認定コーチの資格2を持っていたこともあり、様々な支援活動を始めることになりました。

前回記した部分の話でもあります。

では、それからストレングスファインダーの活動はどうなったのか? 継続か? 自然消滅か?

答えはと言うと、活動は続いています

時に本業そっちのけでのめり込み、偉い方々に「お前はSQとしての仕事にも集中せい!」という耳の痛いフィードバックをもらいながらも、社内の皆さんのおかげで継続しています。

そして、ついこの間、来年度も引き続き活動を行っていくことが決定しました。
今回はせっかくの機会なので、前回記事からの約1年の活動を振り返っていきます。

支援メニューその1「1on1セッション」

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シンプルにやっていたことは2つでした。

1つは個人向けの1on1セッション、もう1つは組織向けのグループセッションです。

1on1セッションは基本的に、資質の発揮の瞬間を一緒に捉えたり、継続的にセッションを行っている場合はその後のアクションがどうなったかの会話をしていることが多いです。
いわゆる「コーチング3」的手法で個々の能力開発のお手伝いをする。

ただ、世間一般で言う「コーチング」とはちょっと異なりまして……

私は一応ICFのACC認定を受けているコーチでもありますが、この1on1セッションにおいては実は「コーチング」をほとんど行っていないんですね。

契約書を交わして守秘義務のある中で……というのがICFが定める倫理規定としてあるわけですが、事業会社の中だとそこまでやるのはハードルが高い。
また、評価者・被評価者のような利害関係もあり、社外コーチが行うコーチングのような中立性を社内コーチが保ちにくいです。

そんなこともあり、1on1セッションはコーチングとコンサルが融合したようなスタイルとし、割と実利に振り切っています。

たとえば、私はセッション中に具体的な説明・解説やアドバイスを「ストレングスファインダーの専門家」としてすることがあります。
コーチングであればこれはありえないでしょう。

とはいえ、皆さんやはりお忙しいので1on1セッション時にストレングスファインダーに触れ直すことも珍しくありません。
その際は、「この資質はこういう特性が〜」というような解説をすることが多いですし、具体的に「こんな活用をされてみては」とアドバイスをすることも多いです。

また、ややもすればレッテル貼りになりやすい資質の捉え方を正すこともあります。

これはあるあるですが、現場での使い方は「回復志向だからこう、達成欲だからこう」と決めつけ、自分の行動を過度に限定してしまうことがよくあります。
ストレングスファインダーはタイプ論ではなく特性論なので、同じ資質でも、何をベースに発揮しているかで言えることは当然変わってきます。
どの資質とどの資質が結びついたのか、どのようなシチュエーションで発揮したのか……これらを総合的に捉える必要があるわけです。

それもあり、決めつけに近いような捉え方になっているな、と思うような時はその認識を正すような説明をすることも多いです。

この1on1セッションの頻度ですが、四半期に1回30分はやっています。
対象者が3桁に近い人数なので、割とこれだけでも手一杯です……。

支援メニューその2「グループセッション」

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グループセッションは、組織単位で行うものになりますが、それぞれの組織ごとにカスタマイズしていて、内容が多岐にわたっています。

最近は新しく入られた方がいる場合はその方の資質解説を私がした後に以下のようなワークを組み合わせて実施することが多いです。説明+ワークという構成ですね。

  • 価値観をお互いに知るためのワーク
  • コラボレーションを生むために強みの発揮の瞬間を教え合うワーク
  • 上位役職者の承認をとるために自分の上長に資質の観点でどう頼るかを考えるワーク

ベーシックには
お互いの解像度を高め、相互に依存し合う関係性を構築する
ことが主なので、それを各組織のニーズや状況を踏まえた形で実施すると。

ちなみに以前触れた「Best of Us」に関しては、スタンバイの場合、個々人が裁量をもって動かしている領域が大きく、チーム目標に対して、というスタイルでやろうとしてもワークがはまらないこともあったため、現在はあまり実施していません。

このあたりは、実際の課題感に対しての柔軟性が求められる部分だなと思っています。

グループセッションは半期に1度くらいの頻度で行っており、大体1〜2時間程度のプログラム内容です。
ただ、私も研修の専門家ではないので、グループセッションの内容に関してはここ最近プランニングで苦戦することが多くなってきました。

近頃はストレングスファインダーに関する情報と人事研修の情報をかき集めてNotebookLMに読み込ませ4、こちらがやりたいことや希望することを細かくプロンプト化した上で複数の案を出させています。
そこから選んだものをさらに改良するという手法でバリエーションを増やしつつ、各組織への継続的なプログラム提供に努めています。

現状の課題

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苦労している点としてやはり大きいのは、定量的な成果を測りにくいことでしょうか。

聞けば誰しも「やった方がいい」と言います。
実際に1on1等で感謝されることもあります。

しかしながら、それが定量的なスコアとしては浮かびにくいのです。
ストレングスファインダーは何も占いでやっているんじゃなく、自立型組織に近づくため、そして最終的には組織としてのパフォーマンスを最大化するためにやっています。

(ストレングスファインダーによって)個の強みが発揮される環境を構築できれば、その人のエンゲージメントが上がり、そしてパフォーマンスも向上する。
ここには相関するものがあります。

でも、最終的にそのパフォーマンス向上を、たとえば「売上」で定量化できるかといったら、やっぱりそうではないんですね。
複合要因だから「ストレングスファインダーが効いた」などということは言いにくい

では、個人評価ではどうか? これは一理あるものの、やっぱり複合要因なので、「ストレングスファインダーの成果です!」とはしにくい

このあたりをきちんと測る物差しがなかなかないんですね

いわゆるエンゲージメントサーベイで、「個の強み」に関する部分が評価項目にあればそれの上がり下がりで見るのも手です。
ただ、既存のサーベイではしっくりくる領域も少なく、GallupのQ12を使わない限りはバシッと言える形で出る可能性も低いでしょう。

スタンバイではまだここに対して明確な答えを出せていません
これから導入しようとしている方がいれば、どう定量化するかは最初にじっくり時間をかけて詰めていくことをお勧めします。

なくても成立しますが、あった方がシンプルに話が早いです。

結びに

1年の振り返りいかがでしたでしょうか。まあまあやれることはやってきたかなとは思っています。
それもあって、冒頭で触れたように、来年度に関しても引き続きの支援活動をしていく流れになりました。

個人として、芳しくなかったら1年で支援を止めた方がいいだろうと思ったので、一定の評価でもあるのかなと捉えています。

ひとまず現状の支援レベルの維持は最低限として……せっかくなら新たな試みも取り入れていきたいという欲があります。
生成AIを使ってもっと気軽に資質の活かし方がわかるようなプロンプトを提供するなどしていき、カジュアルに、でも誤った使い方にならないような支援も行っていけたら面白いのかなとも。

その答えは1年後というところでしょうか。

明日の記事は@jun910さんです。お楽しみに!

  1. 正確には「クリフトンストレングス」ですが、「ストレングスファインダー」の方が馴染みが深いと思うので、本記事中ではストレングスファインダーに表現を統一しています

  2. Gallup社の認定ストレングスコーチ。Gallup社の研修プログラムを受けたうえで試験に合格するとなれます。が、別にこれがなくてもストレングスファインダーを用いたコーチングはできます。違いは、Gallup社から提供を受ける公的資料の有無です

  3. ここで言うコーチングとは、「思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くこと」です(ICFのサイトより引用)。IT企業で広く行われている1on1はこれと異なりますが、「傾聴」という一点のみを指して1on1をコーチングと称している層も一定おり、言葉の意味が人によって大きく異なります

  4. 読み込ませる情報のうち、ストレングスファインダーに関してはGallup社のサイト内にある情報がいいでしょう。また、Gallup社の英語のコンテンツも素材としてお勧めです

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