📘 GMT(Generic Mapping Tools)最速入門:10行で世界地図を描いてみる
地図可視化ツールにはいろいろありますが、私が大学時代に聞いた“ある伝説”が忘れられません。
「昔、学会のポスター発表を GMT だけで全部作り切った猛者がいたらしい」
普通、ポスターって Illustrator や PowerPoint で作りますよね。
でもその人は タイトル・図表・地図・凡例・注釈・背景、
全部をコマンドライン(gmt ...)だけで描き切ったらしく、
学会会場では、
「これ、どうやって作ったんですか?」 → 「ターミナルで」
という謎のやり取りが生まれたとか生まれなかったとか。
そんな 硬派で職人芸あふれる世界観 を持つツールが GMT(Generic Mapping Tools) です。 公式
この記事では、そんなGMTを 最速で体験する ことが目的です。
🎯 本記事のゴール
- GMT をインストールできる
- 10行以内で世界地図を描ける
- 地図上に印と線を描く
- 日本地図を描けるようになる
1. GMTとは?
GMT(Generic Mapping Tools)は、地図と科学可視化のための強力なコマンドラインツールです。
🌟 特徴
- 投影法がとにかく強い
- 気象・海洋・地質などの科学分野で定番
- スクリプト自動化が簡単
- ベクター品質で綺麗
- 地図以外の数値データ可視化にも強い
QGISやmatplotlibと比べて、
精密かつ“計算された地図”が得意なツールです。
Claude Code なんかと親和性高いかも?! (未検証😢)
2. インストール
Home Brewやyum、apt-getなどのパッケージマネージャも使えますし、
Windows用のインストーラも用意されているのでぜひ!
本家ご参照くださいm(..)m
今回はmacでやってみましたが、インストールには結構時間かかるかもしれません!!
手元のMBPで15分弱かかりました...
macOS(Homebrew)
brew install gmt
brew install ghostscript
動作確認
gmt --version
本記事は 6.6.0ベースで進めます!
3. 最初の地図を描いてみる(1行で完成)
以下3行を実行するだけで、世界地図のPNGが出力できます。
gmt begin gmt_ac2025_world png
gmt coast -R-180/180/-70/70 -JQ12c -B -Dc -A5000 -Gred
gmt end show
出力: world_ac2025.png
ここで使われているのは coast コマンド。海岸線・国境を描画しています!
🔍 オプションざっくり解説
| オプション | 意味 |
|---|---|
-R |
描画範囲(経度/緯度) |
-J |
投影法(ここでは Q 等距円筒) |
-B |
枠線と目盛り |
-Dc |
解像度(c = 粗い) |
-A5000 |
小さな島を省略 |
-Gred |
大陸の塗りつぶし |
この手軽さがGMTの魅力です。
4. GMT のキモ:3つだけ覚えれば描ける
GMTを理解するうえで、まずはこの3つだけ覚えればOK。
① Region(範囲) — -R
-R128/146/30/46 # 西端経度/東端経度/南端緯度/北端緯度 (日本付近)
② Projection(投影法) — -J
-JM12c # M メルカトル(幅12cm)
③ Basemap(枠線) — -B
-Baf # 自動で枠線と目盛り
地図が描ければ楽しさが見えてくるので、細かい理論は後回しで問題なし。
5. 点や線を書いてみる
点やライン:plot
echo "139 35" | gmt plot -Sa0.2c -Gred # 東京(139E 35N) に青い星マークを配置
echo "-157 21" | gmt plot -Si0.2c -Ggreen # ホノルル(157W 21N) に緑の三角形マークを配置
echo "139 35 \n-157 21" | gmt plot -A -W2p,red # 東京からホノルルへの大円航路
# 先ほどの coast と組み合わせて (緯度経度は改変しています)
gmt begin gmt_ac2025_with_greatcirc png
gmt coast -R120/230/10/50 -JQ12c -B -Dc -A5000 -Ggrey
echo "139 35" | gmt plot -Sa0.2c -Gblue
echo "-157 21" | gmt plot -Si0.2c -Ggreen
echo "139 35 \n-157 21" | gmt plot -A -W2p,red
gmt end show
出力: gmt_ac2025_with_greatcirc.png
6. 高解像度の海岸線とともに日本地図を描く(実用的な最初の山場)
高解像度で日本地図を出してみましょう!
gmt begin gmt_ac2025_detailed_japan png
gmt coast -R128/146/30/46 -JM14c -Baf -W1 -N1 -Df -Glightgray
gmt end
出力: gmt_ac2025_detailed_japan
🔍 このコマンドでやっていること
-
-R128/146/30/46→ 日本の緯度経度範囲 -
-JM14c→ Mercator 投影 -
-Df→ 高解像度 -
-Glightgray→ 陸地をグレー塗りつぶし
これだけで 出版物クオリティの日本地図 が完成します。
7. まとめ:GMTは「硬派だけど癖になる」
GMT は、
- 再現性が高く自動化しやすい
- 出力がきれい
- 投影法が豊富
- 科学データに強い
- CLIでガシガシ書ける ← 個人的にここが❤️
という理由で、地図・データ可視化の強力な武器になります。
本記事では割愛していますがグリッドデータをプロットするとかも得意分野で、
グラフの描画にも使われています!!
Claude Codeとかにガンガン書いて貰えばいい!!たぶん![]()
学会ポスターをGMTだけで作る必要はないですが(笑)、
「地図を自由に操りたい」「投影で遊びたい」
という人には、間違いなく刺さるツールです。


