MS365導入に際して、色々と行った内容を整理、メモしておきます。
前提
- 既存のドメインを持っている
- MS365のアカウントは買ったものの、一部の人だけの分しかない
- 既存のドメインのアカウントは大塚商会のAlphaメールにて管理している
- 既存ドメインでのメールのやり取りを一部の人だけ、MS365に持っていきたい
Microsoft 365 に既存の独自ドメインを設定する手順書
✅ 概要
この手順書は、Microsoft 365 環境において、既存の独自ドメイン（例：XXX.co.jp）を送信専用アドレスとして設定するためのものです。
受信は既存のメールサービス（例：Alpha-Mail）を引き続き利用し、MS365では一部のユーザーのみメール送信に活用する構成です。
🧭 手順概要
- Microsoft 365 に独自ドメインを追加
- DNS にTXTレコードを追加して所有権を確認
- Exchangeメール受信設定をスキップ（MXレコード不要）
- Exchange管理センターで送信用アドレスを追加
- SPFレコードを任意で設定
🔧 Step 1：独自ドメインの追加
- Microsoft 365 管理センター（https://admin.microsoft.com）にサインイン
- [設定] → [ドメイン] → 「ドメインの追加」
- 追加したいドメイン名を入力（例：
XXX.co.jp） - 表示された TXT レコードを控える（例：
MS=ms12345678）
📌 DNSプロバイダ（例：Alpha-Mail）に以下のレコードを追加
| ホスト名 | 種別 | 値 |
|---|---|---|
| @ | TXT | MS=ms12345678 |
- 管理センターに戻り「確認」をクリックして所有権を証明
🔧 Step 2：Exchange設定をスキップ
- ドメイン所有権の確認後、「Exchange」および「Exchange Online Protection」のチェックを外す
- 「続行」を選択し、MX等の受信設定をせずにドメイン追加を完了
🔧 Step 3：ユーザーに送信用メールアドレスを付与
- Exchange 管理センター にアクセス
- [受信者] → [メールボックス] → 対象ユーザーを選択
- [メールアドレス]タブで「＋追加」
- 種類：SMTP（大文字）
- メールアドレス：
user@XXX.co.jp - 「プライマリに設定」にチェック
- 保存（反映まで数分〜最大1時間）
✅ ユーザー操作：Outlook上で送信元アドレスを確認
- OutlookまたはOutlook Web（OWA）で新規メール作成
- 「差出人」欄が
@XXX.co.jpになっていることを確認 - 表示されない場合は差出人を手動で追加・選択
🛡️ SPFレコードの設定（任意・推奨）
受信側メールサーバーからの信頼性向上のため、以下のようなSPFレコードを追加：
v=spf1 include:spf.protection.outlook.com include:spf.alpha-mail.ne.jp ~all
※ include:spf.alpha-mail.ne.jp の部分は利用しているメールサービスの指定に応じて調整してください。
✅ チェックリスト
| チェック項目 | 状況 |
|---|---|
| 独自ドメインの追加 | ✅ 済 |
| TXTレコードでの所有確認 | ✅ 済 |
| Exchange受信設定のスキップ | ✅ 済 |
| ユーザーへの送信専用メールアドレス設定 | ✅ 済 |
| SPFレコードの登録 | ⬜ 任意 |
📘 補足
- 既存メールサービス（Alpha-Mail等）を受信専用で継続する場合、MXレコードはMS365に向けて変更しないよう注意
- Exchangeの「送信専用」であれば、メールのフローも変更せず導入可能
- 将来的に受信もMS365へ統合する場合は、MX設定やメールボックス移行が必要となる
⚠️ 同一ドメイン内での送信時の「宛先不明」対策
💡 問題の概要
Microsoft 365 に一部のユーザーのみを移行し、残りは引き続き Alpha-Mail を利用している場合、
同一ドメイン（例：@XXX.co.jp）内のメール送信時に、存在しないユーザーと誤認されてバウンス（宛先不明）となることがあります。
🛠️ 解決策：Microsoft 365 にコネクタとアドレス一覧を設定
方法1：外部配信ルールを作成して内部送信でもメールを外部に出す
- Microsoft 365 管理センターで Exchange 管理センター にアクセス
- [メールフロー] → [ルール] で新しいルールを作成
- 条件：
- 差出人 → 内部
- 宛先 →
@XXX.co.jpのドメイン
- 処理：
- 「このコネクタを使って外部に転送」 → 既存の外部ルーティングコネクタを選択
方法2：非MS365ユーザーを「連絡先」として登録する
- Exchange管理センターで [受信者] → [連絡先] → 「＋追加」
- 表示名：該当ユーザーの名前
- メールアドレス：
user@XXX.co.jp - 登録された連絡先により、内部から送っても外部ルートが選ばれるようになる
📝 推奨構成まとめ（ハイブリッド運用時）
| 構成項目 | 設定内容 |
|---|---|
| ドメイン | XXX.co.jp |
| 受信サーバ | Alpha-Mail（既存） |
| 送信ユーザー | Microsoft 365上に登録 |
| 他のユーザー | Exchangeで「連絡先」登録 |
| メールフロー | すべて外部に一旦出すルールあり |