📺 この記事は YouTube チャンネル きなこもっちーのテック深掘り の動画解説記事です。
▶️ 動画はこちら → AIを訴えていたGettyが、なぜOpenAIと手を組んで株価140%急騰できたのか
🐹🦜 この記事に登場する2匹
- 🐹 もっちー (ハムスター)… AI はまだ勉強中。「それどういうこと?」と素朴に質問する生徒役
- 🦜 きなこ (セキセイインコ)… AI で調べものをこなす解説役。やさしく深掘りして教える先生役
この記事は2匹の掛け合いを書き起こした形式です。発言の先頭にいる絵文字+名前が話者です。
はじめに
🐹 もっちー「ねえきなこ、Getty Imagesって、AIが勝手に画像使ったって怒って訴えてたよね?」
🦜 きなこ「そう。Stability AIっていうAI企業を著作権侵害で訴えてたの」
🐹 もっちー「なのに、そのGettyが今度はOpenAIと仲良く手を組んでるってニュース見たよ!なんでやねん!」
🦜 きなこ「実はそこ、もっとびっくりする話があってね。Gettyは裁判でほぼ負けてるのに、提携発表の日、株価が単日で最大140%も跳ね上がったの」
🐹 もっちー「え、負けたのに勝ってるみたいになってるってこと!?どういうこと!?」
🦜 きなこ「今日は、Gettyがどうやって負けを収益に変えたのか、そしてその裏でクリエイターの収入がどうなってるのかを一緒に見ていくね」
訴訟の経緯と英国高裁での実質敗訴
🐹 もっちー「ねえきなこ、そもそもGettyって、AIを訴えてた側だよね?その訴えてた相手と手を組むって、どう考えても順番がおかしくない?」
🦜 きなこ「そう思うよね。だから最初から順番に見ていくね。始まりは2023年、GettyがStability AIをイギリスの裁判所に訴えたところなんだよ」
🐹 もっちー「Stability AIって、絵を作るAIの会社だっけ?ぼくでも名前は聞いたことあるかも。で、Gettyは何がそんなに問題だったの?詳しく教えてよ」
🦜 きなこ「うん、Stable Diffusionを作った会社ね。Gettyの写真が1200万枚も学習に使われてた、それが訴えの中身なんだよ」
🐹 もっちー「1200万枚って!そんなん勝手に使われたら、普通に負けるやろ!ワイでも分かるで、それはアカンやろって!」
🦜 きなこ「ところがね。2025年11月4日、イギリスの高等法院が出した判決で、Gettyの著作権侵害の主張はほとんど棄却されちゃったの」
🐹 もっちー「えっ、棄却って、Gettyが負けたってこと?なんで?ぼくの感覚だと、勝手に使ったんだから思いっきりアウトなんだけどなあ…」
🦜 きなこ「ここが引っかかるところだよね。裁判所が見たのは、AIモデルの中身は『重み』っていう数字の集まりで、写真そのものが保存されてるわけじゃない、っていう点なの」
🦜 きなこ「写真をコピーして持ってるんじゃなくて、写真を見て絵の描き方を勉強しただけ。そういう判断だと思ってもらえばいいの」
🐹 もっちー「あー、人間が美術館で名画を模写して練習するのと同じ扱いってこと?うーん、それは納得いくような、いかないような…」
🦜 きなこ「結局認められたのは商標侵害だけ。生成された画像にGettyやiStockの透かしが写り込んでた、その部分だけなの」
🐹 もっちー「イギリスの話は分かったけど、アメリカでは訴訟どうなってるの?向こうにもGettyの写真あるよね」
🦜 きなこ「アメリカでも別に裁判が続いてるの。カリフォルニアの連邦裁判所に舞台を移して、証拠開示の手続きが今まさに進行中なんだよ」
🦜 きなこ「Gettyは12月に上訴の許可は取ったけど、実質的には負けた形。でもね、負けたはずのGettyが、そのすぐ後に思いもよらない動きに出るの」
Getty-OpenAI提携の詳細と株価急騰
🦜 きなこ「実はね、私も最初は『Gettyはこれで完全に終わった』って思ってたの。裁判で負けて、学習も止められなくて、もう打つ手なしだって」
🐹 もっちー「思ってたってことは、違ったってこと?ぼくの目には、どう見ても完全な負け試合にしか見えなかったんだけどなあ」
🦜 きなこ「ところがね。判決から7ヶ月後の2026年6月21日にGettyが発表したのは、あのOpenAIとの複数年にわたる提携だったの」
🐹 もっちー「はぁ!?裁判でボロ負けした直後に、AIの会社と手ぇ組んだんか!?ワイ、話が分からへんようになってきたわ!」
🦜 きなこ「落ち着いて。訴えてた相手はStability AIで、今回手を組んだのはOpenAI。同じAI企業でも、まったく別の会社なんだよ」
🐹 もっちー「あー、そっか。ぼく、AIの会社って全部ひとかたまりで考えてたけど、訴える相手と手を組む相手は別々でいいんだね」
🦜 きなこ「そう。しかもこの契約はね、AIに絵を覚え込ませる学習ライセンスじゃなくて、表示パートナーシップっていう別の形なの」
🐹 もっちー「ひょうじ、パートナーシップ?ごめん、全然ピンとこないよ。覚えさせないんなら、そもそも画像を渡す意味なんてあるの?」
🦜 きなこ「ChatGPTで調べものをしたときの答えの中に、Gettyの写真がそのまま出てくるの。ニュースやスポーツ、有名人の話題が対象なんだって」
🦜 きなこ「しかも誰が撮った写真かっていう帰属表示が付くし、画像生成AIの学習には使わないってOpenAI側がはっきり明言してるの」
🐹 もっちー「なるほど、分かってきた。AIに覚え込ませて自分のものにするんじゃなくて、写真を見せる場所を貸してお金をもらうってことか」
🦜 きなこ「その理解でぴったりだよ。市場もそこを高く評価してね、発表の当日にGettyの株価は少なくとも123パーセントは跳ね上がったの」
🐹 もっちー「一日で二倍以上かいな!信じられへん!負けたはずやのに、あんなに得意げやった理由、ワイやっと腹に落ちたで!」
🐹 もっちー「そんなに大変だったってこと?もしかして、潰れかけてたの?」
🦜 きなこ「実はそうなの。ニューヨーク証券取引所の上場維持基準である株価1ドル割れの警告を受けてたところから、この発表一回で完全に回避したんだよ」
🦜 きなこ「でしょ。ただね、この契約には実はまだ誰にも明かされてない大事な部分があって、そこがこの話の本当に怖いところなの」
他のコンテンツホルダーはどう動いたか
🐹 もっちー「ねえきなこ、でもこれってGettyだけの特殊な話でしょ?他の写真の会社はこんな大胆なこと、してないんじゃないの」
🦜 きなこ「それがね、まったく逆なの。Getty以外の大手もとっくに動いてて、むしろこれ、業界全体で起きてるパターンなんだよ」
🦜 きなこ「代表格がShutterstock。2023年にOpenAIと6年契約を結んで、2026年にはその中身をさらに拡大更新してるの」
🐹 もっちー「6年って長いね…でもその契約も、さっきのGettyみたいに写真を見せるだけってことなの?」
🦜 きなこ「そこが大きく違うところなの。Shutterstockが渡してるのは画像も動画も音声も含めた学習データ。AIに覚え込ませる方まで許してるんだよ」
🦜 きなこ「しかも買い手はOpenAIだけじゃないの。Meta、Alphabet、Amazon、Appleも同じ学習データのお客さんなんだよ」
🐹 もっちー「名だたる会社が勢揃いやんか!写真屋さんがAIの教科書屋さんに商売替えしてもうたみたいなもんやな!」
🦜 きなこ「ただね、入口はかなり固く閉じてるの。外のAIツールで作った画像は受け付けなくて、自社のツールで作った分だけ許可する閉鎖型なんだよ」
🐹 もっちー「自分ちの畑で採れたもんだけ並べる八百屋さんみたいなもんか。じゃあ他の会社も、同じように門を閉めてるの?」
🦜 きなこ「ううん、Adobe Stockは真逆なの。外のAIツールで作った画像も、条件さえ守れば受け入れるオープン型を選んでるんだよ」
🦜 きなこ「その結果ね、Adobe Stockのライブラリは今や約48パーセントがAI生成画像。毎月2900万件くらい新しく届いてるの」
🐹 もっちー「半分近くがAIかいな!そらもう、人が撮った写真のほうが少数派になりかけとるやんけ!」
🦜 きなこ「動いてるのは写真の会社だけじゃないの。報道のAPはGoogleとOpenAIに、フランスのAFPはMistralに記事を提供する契約を結んでるんだよ」
🦜 きなこ「APはさらにMicrosoftとも契約してて、まだ公表されてない新しいAIコンテンツマーケットプレイスにも参加してるの」
🐹 もっちー「ニュース業界全体が、あちこちのAI企業とどんどん手を組んでる状態なんだね」
🦜 きなこ「こうやって会社側の身の振り方は次々決まっていくの。じゃあGettyの写真を撮ってる人たち自身は、この動きをどう見てるんだろうね」
クリエイターへの影響とライセンス単価の崩壊
🐹 もっちー「ねえきなこ、ちょっと待って。提携でお金が入るなら、写真を撮ってる人たちも一緒に儲かるんじゃないの?」
🦜 きなこ「そう思うよね。私も最初はそう思ったの。でもね、写真1枚を貸し出すときの単価が、この7年でどう動いたかを見てほしいんだよ」
🦜 きなこ「2019年は1枚52ドル。それが2022年に48ドル、2024年には14ドル、2026年はたったの4ドルなの」
🐹 もっちー「52ドルが4ドルて…!ワイでも分かるわ、9割以上ぶっ飛んでるやんけ!」
🦜 きなこ「92%の下落なんだよ。単価が10分の1以下になったら、同じ枚数売っても手元にはほとんど残らない。これが今の現実なの」
🐹 もっちー「え、待って…それってほぼ仕事なくなるってことじゃん?写真で食べてる人の生活、まるごと変わっちゃうよね。他人事に思えないよ…」
🦜 きなこ「フォトグラファー全体が受け取る年間報酬は、2019年の14.7億ドルから、2026年には3100万ドルまで落ちてる。率にして98%減なの」
🐹 もっちー「14.7億が3100万て…桁がまるごと消えてるじゃん。ぼく、聞いてるだけで胸が苦しくなってきたよ…」
🦜 きなこ「しかもこれ、一度落ちると戻りにくい構造なの。まず稼げなくなった腕のいい人から、どんどん業界を離れていくでしょ。プロほど先に消えていくの」
🦜 きなこ「そうすると残る素材の質が下がる、買う人がもっと離れる、また撮る人が減る。この負のスパイラルが自分では止められないの」
🐹 もっちー「あー、回し車が逆向きに回ってるみたいなもんか。必死に走っても、やめた瞬間に勝手に後ろへ落ちてくやつだよね。こわ…」
🦜 きなこ「近いね。企業が画像を用意する手段も、今はAI生成が71%。直接カメラマンに頼むのが19%で、商用のストック写真はたった2%なんだよ」
🐹 もっちー「2%って、もう選ばれてないじゃん…。ぼく、今すごく複雑な気持ちだよ。ねえ、じゃああの提携で動いた大きなお金は、撮った人にちゃんと届いてるの?」
🦜 きなこ「そこがね、両社とも還元額を公表してないの。撮った人に届く保証は、どこにもない。…でもね、全員がこの流れに飲まれてるわけじゃない。生き残ってる人には共通点があってね」
他の著作権訴訟はどうなっているか
🐹 もっちー「ねえきなこ、さっきからGettyの話ばっかり聞いてきたけど、他のAIの著作権裁判ってどうなってるの?」
🦜 きなこ「実はね、AI業界全体で似たような裁判が同時に走ってて、結果もだいぶ出てきてるんだよ。」
🦜 きなこ「まずBartz対Anthropic。約50万人の著作者が参加した大規模な集団訴訟で、15億ドルで和解したの。」
🐹 もっちー「じゅ、15億ドル?! そんなん想像もつかへんて。ワイ、電卓叩いても桁が足りひんわ!」
🦜 きなこ「著作者一人あたり、作品につき約3000ドルの支払い見込みって言われてるんだよ。」
🦜 きなこ「大事なのは中身でね。裁判所はAIの学習自体は公正利用と判定したの。でも違法コピーの保有や入手は対象外だって明示されたんだよ。」
🐹 もっちー「あ、学ぶこと自体はセーフで、どうやってデータを手に入れたかがアウトってことか。」
🦜 きなこ「そう、その整理でぴったり。Kadrey対Metaでも、学習行為は変形的利用として公正利用と認められたんだよ。」
🦜 きなこ「ただ、違法に入手したデータの配布については継続審理中。Disney対Midjourneyの裁判もまだ続いてるの。」
🦜 きなこ「それに2026年3月、最高裁がAI単独で生成した作品は著作権の保護対象外っていう原則を再確認したの。」
🐹 もっちー「つまりAIが自分だけで作ったものは、誰の著作物にもならないってこと?それはそれで不思議な感じがするな」
🦜 きなこ「そうなの。人間が創作に関わった部分だけが守られるってことね。ディズニーもOpenAIと提携して、ちゃんと許可を取る流れが業界に広がってきてるんだよ」
🦜 きなこ「学習はセーフ、でも入手方法や配布の仕方はアウトになりうる。それが今の業界共通の傾向なんだよ。」
🐹 もっちー「なるほどな、Gettyだけの話じゃないんだね。じゃあ、そんな中で生き残ってるクリエイターって、どんな人たちなんだろう。」
生き残るクリエイターの差別化戦略
🐹 もっちー「で、生き残ってる人たちの共通点って何なの?さっきの話が暗すぎて、ぼくちょっと元気なくなってきたよ。早く教えて」
🦜 きなこ「共通点はね、AIじゃ絶対に代われない場所を選んでるってこと。たとえば不動産の物件写真、あれってプロが撮ると全然違うんだよ」
🐹 もっちー「全然違うって、そんなに変わるもんなの?部屋の写真なんてスマホで撮っても同じに見えちゃうけどな」
🦜 きなこ「それがね、プロが撮った物件はオンラインの閲覧数が61%増えて、売却までの期間が50%短くなったってデータが出てるの」
🐹 もっちー「61%て、めっちゃ効いてるやん!あ、それって現場に行かんと撮られへんやつやろ!ワイでもわかるで」
🦜 きなこ「そうなの。あとね、企業のイベントやカンファレンスの撮影は、写真サービス全体の32.5%を占める最大カテゴリーなんだよ」
🐹 もっちー「会社のイベントか。当日その場にいないと撮れないもんね。AIは会場に入れないもんな、社員証ないし」
🦜 きなこ「ふふ、いい例え。もう一つの生き残り方はね、この写真は本物のカメラで撮ったって、あとから証明できるようにしておくこと」
🐹 もっちー「証明って、どうやるの?ぼくが撮りましたって紙に書いても、誰も信じてくれないと思うんだけど」
🦜 きなこ「そこで使われてるのがC2PA認証。撮影データに、いつどの機材で撮ったかの記録を暗号で埋め込んで来歴を残す仕組みなんだ」
🐹 もっちー「なるほど、写真の履歴書みたいなもんか。じゃあ全部AIに取られるわけじゃないんだ、ちょっと安心したよ」
🐹 もっちー「他にも、AIが入り込めなさそうな分野ってあるの?」
🦜 きなこ「あるよ、ペット写真もその一つ。アメリカだけでペットを飼ってる家庭が9400万世帯もあって、市場は毎年7〜12%くらいのペースで伸びてるの」
🐹 もっちー「分かる気がする!うちの子を可愛く撮ってほしいって気持ちは、AIじゃ満たせない気がするもんな。飼い主の愛情も一緒に伝わる感じがするし」
🦜 きなこ「うん。市場は安いAI画像の層と、人が撮った本物の層にきれいに割れてる。この流れ、写真業界だけの話だと思う?実はもっと大きな話につながっててね」
まとめ
🦜 きなこ「今日のポイントをまとめるね。Gettyは裁判で実質負けたけど、表示専用というライセンスの新しい形で収益化に成功したの。これが業界の新しいパターンなんだよ」
🐹 もっちー「でもShutterstockは閉鎖型で自社ツール限定、Adobe Stockはオープン型で外部AIも受け入れてる。会社ごとに方針が全然違うんだよね」
🐹 もっちー「これ保存しとこ!会社ごとの立ち位置がひと目で分かるの、あとで見返したいもん」
🦜 きなこ「そうしてね。でもその裏で、ライセンス単価は92%も下落してる。ここも忘れないでほしいの」
🐹 もっちー「現場に行かないと撮れない写真とか、本物だって証明できる写真は、これからも価値があるってことだね」
🦜 きなこ「不動産・企業イベント・ペット写真、それにC2PA認証。今日出てきたキーワードをまとめて覚えておいてね」
🦜 きなこ「そういうこと。AI企業に学習データの開示を義務付ける法案も出てきてるけど、まだ審議中で成立はしてないの」
🐹 もっちー「Bartz対Anthropicみたいに、もう15億ドルで和解してるところもあるんだもんね。世界中でお金が動いてるんだな」
🦜 きなこ「AIと戦うか使うか、じゃなくて、AIにできないことを見極めるのが大事な時代になってきてるんだよね」
🐹 もっちー「あ、玄関の音した?飼い主かな!このタブレット、また借りてるのバレんといいけど」
🦜 きなこ「というわけで今日はここまで!みんなはAIとクリエイターの関係、どう思う?コメントで聞かせてね」
🦜 きなこ「この『訴訟からライセンス契約へ』って流れ、実はニュース記事の世界でも同じことが起きてるの。それはまた別の動画で」
きなこもっちーのテック深掘り では、AI/LLM を中心としたテック全般をハムスター(🐹 もっちー)とセキセイインコ(🦜 きなこ)の掛け合いで楽しく解説しています。
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