はじめに
ソリューションアーキテクト、ネットワークスペシャリストのための視点を整理してみました。
今回は、Route53のエイリアスとCNAMEの違いです。
問いを用意することで、理解を深めて頂けるように工夫してみました。実務でも試験でも、ご参考にして頂けましたら、幸いです。
理解を深めるための問い
Zone apexにCNAMEレコードを設定することが、出来るのか出来ないのか、説明が出来るか?
Zone Apexはサブドメインを含まない、ドメイン範囲(当該DNSサーバーの頂点にあたる)
そもそも、用語がわからない人が多いのではないでしょうか?
Zone apexにCNAMEレコードを設定することは、DNSの仕様上できません。CNAMEレコードは、他のレコード(A、MX、TXTなど)と共存できないため、ApexドメインにCNAMEレコードを設定すると、他の重要なDNSレコードが機能しなくなります。
www.example.com を CNAME レコードで登録し、かつ同じレコード名 www.example.com を A レコードとして登録するのは RFC 1912 の規約違反となります。
ソリューションアーキテクトのための視点
アプリケーションを Apex ドメインを通じて利用できるようにしたい。
マルチリージョン展開したい。
CNAME レコードを使用できるかどうか考え、使用できないならば、代替手段で、ソリューションを提示して欲しい。
ソリューション 例
AWS リージョンのエンドポイントをターゲットとする複数のエンドポイントグループを持つGlobal Accelerator アクセラレータの静的 IP アドレスを使用して、Apex ドメインのパブリック DNS にエイリアスレコードを作成する。
解説
Apex ドメインは AWS の CNAME レコードを使用できません。これは、DNS 解決の仕組みによるものです。CNAME レコードはドメイン名のエイリアスを指定し、別のドメインの正規名を指します。ただし、DNS 標準では、Apex ドメインには A または AAAA レコードのみが必要であるため、CNAME レコードは許可されていません。AWS Route 53 で Apex ドメインの CNAME レコードを作成しようとすると、レコードセットタイプが Apex ドメインに対して有効ではないことを示すエラー メッセージが表示されます。この制限を回避するには、代わりにエイリアス レコードを使用できます。
Apexドメインを特定のホスト名にリダイレクトする必要がある場合、いくつかの代替手段があります。ApexドメインにCNAMEレコードを設定できない理由と、その代替手段について説明します。
ApexドメインにCNAMEレコードを設定することはできませんが、ALIASレコード、ANAMEレコード、Amazon Route 53のエイリアスレコード、HTTPリダイレクトなどの代替手段を使用することで、Apexドメインを特定のホスト名にリダイレクトすることができます。これらの方法を使用して、DNSの仕様に準拠しながら、Apexドメインのリダイレクトを実現できます。
CNAMEレコードの制限
CNAMEレコードは、あるドメイン名を別のドメイン名にエイリアスとして設定するためのDNSレコードです。しかし、CNAMEレコードには制限があります。
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他のレコードと共存できない
CNAMEレコードは、同じドメイン名に対して他のDNSレコード(A、MX、TXTなど)と共存できません。これにより、ApexドメインにCNAMEレコードを設定すると、他の重要なDNSレコードが機能しなくなります。 -
Apexドメインに設定できない
Apexドメイン(例:example.com)にCNAMEレコードを設定すると、DNSの仕様に違反します。Apexドメインには通常、AレコードやAAAAレコードが設定されます。
代替手段
Apexドメインを特定のホスト名にリダイレクトするための代替手段
1. ALIASレコードまたはANAMEレコード
一部のDNSプロバイダーは、Apexドメインに対してCNAMEのように機能するALIASレコードやANAMEレコードを提供しています。これらのレコードは、Apexドメインを他のドメイン名にエイリアスとして設定するための特別なレコードです。
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ALIASレコード
DNSプロバイダーが内部的にAレコードに変換して処理します。Apexドメインに対して使用できます。 -
ANAMEレコード
ALIASレコードと同様に機能し、Apexドメインに対して使用できます。
2. Amazon Route 53のエイリアスレコード
Amazon Route 53は、Apexドメインに対してエイリアスレコードを提供しています。エイリアスレコードは、特定のAWSリソース(例:CloudFrontディストリビューション、Elastic Load Balancer、S3バケットなど)に対してApexドメインをエイリアスとして設定するためのレコードです。
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設定方法:
- Route 53コンソールにアクセスし、対象のホストゾーンを選択します。
- 「Create Record Set」をクリックし、レコードタイプとして「A - IPv4 address」を選択します。
- 「Alias」にチェックを入れ、エイリアス先のAWSリソースを選択します。
3. HTTPリダイレクト
Apexドメインを特定のホスト名にリダイレクトするために、HTTPリダイレクトを使用することもできます。これは、ウェブサーバーやCDNを使用して、Apexドメインへのリクエストを特定のホスト名にリダイレクトする方法です。
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設定方法:
- ウェブサーバー(例:Apache、Nginx)を設定し、Apexドメインへのリクエストを特定のホスト名にリダイレクトします。
- CDN(例:CloudFront)を使用して、Apexドメインへのリクエストを特定のホスト名にリダイレクトします。
改めて、整理した所、私自身勉強になりました。ご参考になりましたら、幸いです。
Route53のエイリアスとCNAMEの違いが分かりにくいので、整理してみた(1/2)