Tauriとは?
Tauri は、Web技術(HTML, CSS, JavaScript, フレームワーク: React, Vue, Svelte など)で書いたUIを、軽量かつ安全なネイティブデスクトップアプリに変換できるオープンソースフレームワークです。
バックエンドには Rust を採用しており、Electron と比べてアプリサイズやメモリ消費が少なく、セキュリティも強化されています。
- 対応OS: Windows / macOS / Linux
- 公式サイト: https://tauri.app
なぜ Tauri が注目されているのか
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軽量
Electron アプリが数百MBになるのに対し、Tauri アプリは数MB〜数十MB程度とコンパクト。 -
セキュリティ
WebView + Rust バックエンドという構成により、攻撃面を最小化。
ネイティブAPI呼び出しは許可制(ホワイトリスト方式)で安全性が高い。 -
パフォーマンス
Rust でシステムレベルの処理を効率的に実行可能。
Web側は軽量WebViewを利用するため、リソース使用量を抑えやすい。 -
エコシステムの拡大
2025年現在、v2 系が安定化しており、プラグインやテンプレートが豊富に。
Next.js や Vue などのフロントエンドフレームワークとの統合も進んでいます。
仕組みの概要
Tauri アプリは次の構成になっています:
- フロントエンド: 任意のWebフレームワーク(React, Vue, Svelte, VanillaJS...)
- WebView: OSネイティブのWebレンダリングエンジン(macOS: WebKit、Windows: WebView2、Linux: WebKitGTK)
- バックエンド: Rust で書かれた Tauri Core が API / ネイティブ機能を提供
簡単なセットアップ(例: React + Tauri)
# 1. Node.js プロジェクトを作成
npm create vite@latest my-tauri-app -- --template react
cd my-tauri-app
# 2. Tauri CLI を追加
npm install --save-dev @tauri-apps/cli
cargo install tauri-cli
# 3. プロジェクト初期化
npx tauri init
# 4. 開発サーバーを起動
npm run tauri dev
これで React アプリが Tauri 環境で立ち上がります 🎉
実務でのユースケース
- 社内ツール: ブラウザ依存せずに動作するクロスプラットフォームアプリ
- OSSアプリ: 軽量なエディタ、管理ツール
- スタートアップ製品: 小規模で高性能なデスクトップクライアント
代表例:
注意点
- WebView依存: ブラウザ互換性やOSごとの差異が影響することがある
- Rust学習コスト: ネイティブ連携をカスタムするにはRustの知識が必要
- エコシステムの成熟度: Electronと比べると歴史が浅く、情報が少ない部分もある
まとめ
Tauri は「軽量・安全・クロスプラットフォーム」を実現する、Electron に代わる有力な選択肢です。
Webフロントエンドの知識を活かしつつ、Rustの力を借りて効率的にデスクトップアプリを作れる点が魅力です。