ページの趣旨
この記事ではIBMCloud Kubernetes Service(IKS)におけるNGINX Ingressコントローラーのサポート終了(EOL)と今後の移行スケジュールおよび代替案について記載する。
KubernetesコミュニティによるNGINX Ingressのメンテナンス終了に伴いIKS環境でも重要な変更が予定されており、どのような対応と準備を行うべきかを整理したものです。
内容
1.NGINX Ingressコントローラーのサポート終了の背景
2026年3月をもってコミュニティ版のIngress NGINXプロジェクトのメンテナンスが停止されプロジェクトは終了となる。それ以降はコミュニティからの新しいリリース、バグ修正、およびセキュリティの脆弱性に対するアップデートは提供されなくなる。
2.IBM Cloudにおける2026年の対応方針(Chainguardフォーク版への切り替え)
コミュニティ版のサポート終了に伴う一時的な措置としてIBMは2026年3月にChainguardフォークからビルドされたNGINX Ingressリリースへの移行を予定している。
機能と影響:
- 移行期間中、既存のALBやIngressの構成に変更はなくユーザーへの影響はない
- 既存のALBのコンテナイメージがパッチが適用されたChainguardバージョンに置き換わる仕組み
IPアドレスの変更:
- Chainguardフォーク版への移行(第一フェーズ)において現在利用中のIPアドレスが変更されることはない
パッチと新機能:
- Chainguardフォーク版ではCVEパッチ(セキュリティ修正)は継続して提供されますが新機能は追加されない
サポート期間:
- IBM環境で使用されるIngress NGINX(Chainguardフォーク版)は2026年12月末までサポートされる
- 2026年中の再起動や通常の運用は安全に行うことが可能
3.2027年以降のリスクとサポート方針
2026年12月以降、IKSではフォークされたNGINX Ingressも利用できなくなる。
2027年1月以降はNGINX Ingressは完全にサポート対象外となり使用を継続することはリスクを伴う。
-> 脆弱性パッチ、新しいイメージのビルド、およびIngressコントローラーの機能に関する問題へのカスタマーサポートは提供されなくなる。
4.Traefikへの移行と代替手段
長期的な安定性とサポートを確保するためには最終的にTraefikへの移行が必要
移行スケジュール:
- 2026年3月にTraefikが選択可能なIngressとして提供開始される
-> Traefikが一般提供(GA)となり6ヶ月間の移行期間がアナウンスされる予定 - 2026年6月以降に具体的な移行手順やリリースノートが記載された公式ドキュメントは随時更新予定
代替アプローチ:
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現在利用しているNGINXIngressのアノテーションがTraefikでサポートされていない場合、Traefik独自のCRD(IngressRoute、Middleware、TLSOptionsなど)を使用する必要がある
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mTLS、トラフィックシェーピング、リトライ/タイムアウトなどの高度な機能が必要な場合はIstioのようなサービスメッシュを使用しGatewayAPIをTraefikと共存させるか完全に置き換えるアプローチも検討が必要
まとめ
2026年3月:
コミュニティ版NGINX Ingressのメンテナンスが終了しIKSではChainguardフォーク版への一時的な移行が始まり、この際、既存のIPアドレスや構成に影響はない。
2026年6月〜12月:
Traefikとフォーク版NGINX Ingressの両方がサポートされ移行ガイダンスが提供される移行推奨期間
2026年12月末:
IKSでのNGINX Ingressのサポートが完全に終了
対応策:
今後も長期的かつ安全に運用を続けるためユーザーは2026年12月までにTraefikへの移行を完了させる必要があル。詳細な移行手順に関する公式ドキュメントは順次公開される予定ですので最新のアップデートにご留意ください。