2020年6月19日 追記
Veeam on IBM Cloud で、 VSI に加えて VMware 仮想マシンとしての提供もできるようになりました。
https://cloud.ibm.com/docs/vmwaresolutions?topic=vmwaresolutions-relnotes_v37#relnotes_v37-services-veeam
There are two deployment types for Veeam v10:
- Windows Server VM on the management cluster
- Single Public Windows VSI
サマリー
表にまとめてみました。
この後、購入方式のそれぞれを解説します。
※ VSI = Virtual Server Instance
Veeam 購入方式 |
VSI OS アドオン |
Veeam on IBM Cloud (VSI or VMware 仮想マシン) |
ベアメタル OS アドオン |
ライセンス 持ち込み |
---|---|---|---|---|
Veeam ライセンス 形態 |
IBM Cloud から月額請求 |
IBM Cloud から月額請求 |
IBM Cloud から月額請求 |
購入形態 によって 異なる |
Veeam ライセンス 課金単位 |
バックアップ 対象OS数 |
バックアップ 対象OS数 |
バックアップ 対象OS数 |
購入形態 によって 異なる |
Veeam サポート 提供者 (問い合わせ先) |
IBM Cloud | IBM Cloud | IBM Cloud | 購入元 |
バックアップ用 ストレージ |
要別途購入 | 含まれる (購入時に指定し、 OSにマウント済み の状態で払い出し) |
要別途購入 | 要別途購入 |
Veeam Backup Manager の導入先 |
VSI の Windows (VMware上の ゲストWindows は不可) |
VSI の Windows or VMware上の ゲストWindows |
ベアメタルの Windows (VMware上の ゲストWindows は不可) |
任意の Windows (VMware上の ゲストWindows に導入可) |
Veeam Backup Proxy の導入先 |
任意の Windows |
任意の Windows |
任意の Windows |
任意の Windows |
Veeam Backup Repository の導入先 |
任意の Windows, Linux |
任意の Windows, Linux |
任意の Windows, Linux |
任意の Windows, Linux |
VSI
VSI OS アドオン
構成としては、小規模(〜50 VM 程度)から始められます。
制約としては、以下の点が挙げられます。
- 購入可能リソースは、8 core, 32 GB RAMから
- 月額サーバーで注文可能(時間課金には未対応。)
- VSI の NIC は最大1Gbpsまで
- VLANトランク不可
- 仮想ルータを使って VLAN 間のアクセス制御を行う場合、その仮想ルータを必ず経由することになり、パフォーマンスボトルネックになることが懸念される
- Veeam Backup Manager は VSI の Windows に固定
- Veeam Backup Manager を VMware上のゲストWindows OS に構成することは不可
注文画面:https://cloud.ibm.com/gen1/infrastructure/provision/vs?type=monthly
Veeam on IBM Cloud (VSI or VMware 仮想マシン)
制約は「VSI OS アドオン」に、1点追加があります。
- VMware vCenter Server on IBM Cloud を購入する(している)必要がある
構成上異なる点は、購入時に指定するバックアップ用ストレージが含まれ、OSにマウント済みの状態で払い出されるところです。
以下「構成例」のオールインワン構成で始めることを想定したものになっていますが、中規模(100 VM 前後)・大規模(数百 VM)になると、スケールアウトするために柔軟に構成を組み替える必要が出てくるでしょう。
こちらがドキュメントです。
Veeam on IBM Cloud overview
構成例
例えば、50 VM 以下のケースでは、このようなオールインワン構成で十分でしょう。(転送モードは Network Mode)
※ ICOS = IBM Cloud Object Storage
Veeam Backup & Replication を IBM Cloud Object Storage と連携する - Qiita
中規模(100 VM 前後)・大規模(数百 VM)になると、以下のようなスケールアウトに対応した構成が考えられます。
ESXi ごとに Proxy を配置し、Repository はベアメタルの 10Gbps NIC を活用します。(転送モードは Network Mode or Virtual Appliance)
ベアメタル OS アドオン
制約としては、以下の点が挙げられます。
ベアメタルの 10Gbps NIC を活用したい、ネットワークのパフォーマンスボトルネックを回避する構成をとりたい、といった要件に最適です。
また、「VSI」で Veeam を購入した場合でも、上記の「スケールアウト時の構成例」のように Repository の役割をベアメタルに割り当てることでパフォーマンスボトルネックを回避する構成が可能です。
- 月額サーバーで注文可能(時間課金には未対応。)
- ベアメタルの NIC は最大 10Gbps を構成可能
- VLANトランク可
- 経路上の、パフォーマンスボトルネックを回避する構成が可能
- Veeam Backup Manager はベアメタル の Windows に固定
- Veeam Backup Manager を VMware上のゲストWindows OS に構成することは不可
ライセンス持ち込み (BYOL)
構成上の制約はないので、自由に構成することができます。
特に VMware 基盤上ですべて完結させたい(VMware基盤の他に VSI やベアメタルなどを立てたくない)人に最適です。
- Veeam Backup Manager は 任意の Windows 上に構成可能
- Veeam Backup Manager を VMware上のゲストWindows OS に構成することが可能