Oracle Application Express (APEX) 22.1では、Oracle Cloud Infrastructure（OCI）のMySQL Database Service（MDS）をベースにしたアプリケーションを直接構築するために使用できるな機能がリリースされました。Autonomous DatabaseのOracle APEXを使ってOCI MDSの表データを表示してみました。Oracle APEXのORDSの「REST対応SQLサービス」を活用することで実現できます。

作業ステップ

（事前準備）
- （Oracle APEX環境としての）Autonomous Databaseの作成
- MySQL Database Service(MDS)の作成
- パスワードシークレットの作成
OCIデータベース・ツールでMDSへの接続の作成
- プライベート・エンドポイント
- 接続
Oracle APEXのアプリケーション作成
- Oracle APEX でWeb資格認証の作成
- REST対応SQLサービスの作成
- Oracle APEXアプリケーションの作成

事前準備

（Oracle APEX環境としての）Autonomous Databaseの作成

OCIチュートリアル：101: ADBインスタンスを作成してみようを参考にAutonomous Databaseを作成します。
Oracle APEXの利用が目的なのでワークロード・タイプ「APEX」として少ないコストで構成することもできます。

MySQL Database Service(MDS)の作成

OCIチュートリアル：その9 - クラウドでMySQL Databaseを使うを参考にMySQL Database Serviceインスタンスを作成します。

パスワードシークレットの作成

MySQLのデータベースユーザのパスワードを格納するパスワードシークレットをOCI VaultのOCIシークレットとして作成します。
[OCI] OCIシークレットを使ってOracle FunctionsからAutonomous DBに接続してみた。の前半部分が参考になります。

OCIデータベース・ツールでMDSへの接続の作成

プライベート・エンドポイントの作成

OCI Webコンソールで「開発者サービス」から[データベース・ツール]:[プライベート・エンドポイント]をクリック
[プライベート・エンドポイントの作成」をクリック
プライベート・エンドポイントの名前を入力
- プライベート・エンドポイントの名前を入力
- 「ネットワーク情報の入力」を選択し、MDSインスタンスが属しているプライベートサブネットを選択
- 「作成」をクリック

接続の作成

OCI Webコンソールで「開発者サービス」から[データベース・ツール]:[接続]をクリック
[接続の作成」をクリック
接続詳細で以下の入力
- 接続の名前
- 「データベースの選択」を選択
- データベース・クラウド・サービス：「MySQLデータベース」を選択
- 作成済みのデータベース・システムを選択
- ユーザー名：MySQLデータベースのユーザ名を入力
- ユーザー・パスワード・シークレット：MySQLユーザのパスワードを格納したシークレットを選択
- プライベート・エンドポイント：作成済みのプライベート・エンドポイントを選択
SSL詳細で SSLモード「必須」を選択し「作成」をクリック

Oracle APEXのアプリケーション作成

Oracle APEX でWeb資格認証の作成

資格認証情報の収集

APIキーの生成
OCI Webコンソールからユーザ名の「ユーザー設定]をクリック

｢APIキー｣の「APIキーの追加」をクリック

表示されたAPIキーの追加画面で「APIキー・ペアの生成」新規にキーペアを生成し、「秘密キーのダウンロード」ボタンをクリックし、秘密キーファイルを保存(既存のpem フォーマットの秘密鍵・公開鍵のキーペアの使用も可能)

OCIユーザの詳細画面で「構成ファイルの表示」をクリックし以下の情報を準備

ユーザーのOCID
テナンシのOCID
fingerprint

Web資格証明の作成

Oracle APEXのワークスペースにログイン
（OCIチュートリアル：105: ADBの付属ツールで簡易アプリを作成しよう(APEX) を参考）

アプリケーション・ビルダーをクリック
ワークスペース・ユーティリティをクリック
「Web資格証明」をクリック
「作成」をクリック
Web資格証明の名前を入力し、認証タイプを「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を選択し以下を入力
- 「認証タイプ」：Oracle Cloud Infrastruture(OCI)
- 「OCIユーザーID」：OCIユーザのOCID
- 「OCI秘密キー」：APIキー・ペアの生成で生成した秘密キーファイルの中身
- 「OCIテナンシID」：テナンシのOCID
- 「OCI公開キー・フィンガープリント」：fingerprint
「作成」をクリック

REST対応SQLサービスの作成

ワークスペース・ユーティリティから「REST対応SQLサービス」をクリック

「作成」をクリック

REST対応SQLサービスの名前を入力
エンドポイントURLにはデータベース・ツールで作成した接続のOCIDを以下のように指定します。

https://sql.dbtools.<region>.oci.oraclecloud.com/20201005/ords/<データベース・ツールで作成したMDSへの接続のOCID>

例東京リージョンの場合

https://sql.dbtools.ap-tokyo-1.oci.oraclecloud.com/20201005/ords/ocid1.databasetoolsconnection.oc1.nrt.XXXXXXXX

REST対応SQLサービスの作成 - 認証
作成したWeb資格証明を選択し、「作成」をクリック

作成後、自動でREST対応SQLサービスのテストが実行され、「成功」となることを確認

Oracle APEXアプリケーションの作成

MySQL Database Service上の表を表示するAPEXアプリケーションとして対話モード・レポートを作成します。

Oracle APEX アプリケーション・ビルダーをクリック
「新規アプリケーション」を選択
アプリケーションの「名前」を入力し「アプリケーションの作成」をクリック
「ページの作成」をクリック
「対話モード・レポート」をクリック
対話モード・レポートの作成
- ページの名前を入力
- データ・ソース：「REST対応SQLサービス」を選択
- 作成した「REST対応SQLサービス」を選択
- MDSの表/ビューの所有者、表/ビューの名前を選択
- 「ページの作成」をクリック
「アプリケーションの実行」をクリック

MDS（MySQL Database Service）のデータをOracle APEXのアプリケーションで表示されていることを確認

おわりに

Autonomous DatabaseのOracle APEX 22.1を使ってOCI MySQL Database Serviceのデータを表示することができました。

参考情報