[Oracle Cloud][Autonomous Database]ADB-S19c を 23ai へ In-Placeアップグレードしてみた。(2025/08/20)

はじめに

Oracle CloudのECPUで稼働しているOracle Database19cベースのAutonomous DatabaseがIn-PlaceでOracle Database23aiへアップグレードする機能が提供されたので、試してみました。
In-Placeアップグレードが完了すると、データベース接続に使うホスト名やサービス名の変更なしで新しいバージョンに接続することができます。

アップグレードをスケジュールするためのオプション

1. 追加料金なしで使用可能な最も早いスケジュール（デフォルト）
2. 追加アップグレード・リソースを保持するための料金がかかる将来のスケジュール

選択した予定時刻が来ると、数分間のダウンタイム(最大15分間)が発生し、アップグレードされた23aiデータベースがスワップインされ、接続可能になります。(スタンバイ、リフレッシュ可能クローンがすべて含まれます。)

スケジュール済アップグレードを使用したOracle Database 23aiへのアップグレードのステップ

1. Oracle Cloud Infrastructure Consoleで「Autonomous Databases」ページで、「一般情報」の下の「データベース・バージョン」フィールドで、「23aiへのアップグレードのスケジュール」をクリック

2. 「23aiへのアップグレードのスケジュール」パネルが表示されます。
   23aiへのスケジュール・アップグレードは、ECPUベースのデータベース・バージョンが19cの場合にのみ表示されます。

3. Oracle Database 23aiへのアップグレードをスケジュール
   ドロップダウン・リストから次のいずれかのオプションを選択して、データベース・インスタンスをアップグレードします。

   • 使用可能な最も早いスケジュール (デフォルト)
     データベースのサイズ、接続されたリフレッシュ可能クローンの数および接続されたAutonomous Data Guardスタンバイ・データベースの数に応じて、Oracleによってアップグレードの使用可能な最も早いスケジュール日時が自動的に選択されます。
     「使用可能な最も早いスケジュール」オプションを選択すると、「日付」、「時間」および「分」フィールドがグレー表示されます。
   • 将来のスケジュール
     現在の日付から30日以内の日時を選択する場合に選択します。
     追加コストが発生する可能性があります。

ノート：アップグレード・スケジューラでは、10分間隔でのみ時間選択が許可され、選択した10分間隔でアップグレードが開始されます。

1. スケジュールを適用するには、「スケジュール」をクリック
   Autonomous Databaseの状態が「更新中」に変わります。
   Oracle Database 23aiへのアップグレードが正常にスケジュールされると、Autonomous Databaseの状態が「使用可能」に変わります。

「Scheduled 23ai Upgrade」という新しいフィールドが表示され、アップグレード・スケジュールが「再スケジュール」および「アップグレードの取消」リンクから、スケジュールされたアップグレードを再スケジュールまたは取り消すことができます。

「将来のスケジュール」を選択した場合の追加課金

スケジュールされてからアップグレードが完了するまでECPU課金、データベース記憶域課金が2台分となります。

4 ECPU/1 TBのデータベースの場合
基本ECPU 4 + 4 = 8 ECPU
データベース・ストレージ 1 + 1 = 2TB

アップグレードが完了するまで、ベースECPUとアタッチされたリフレッシュ可能クローンおよびリモートAutonomous Data Guardスタンバイのストレージに対して2倍請求されます。
スケジュール済アップグレードの取消の料金は発生しません。
アップグレードをスケジュールした時点からアップグレードを取り消した時点までの間は課金対象

アップグレード

スケジュールされた時間になるとアップグレードの作業リクエストが実行されます。

アップグレードの確認

アップグレードが完了するとコンソール表示が 23ai になります。

補足

• URL、OCIDsおよびウォレットなどを同じに保持する新しいインプレース・アップグレード・オプションです。
• ユーザーは、23aiでのテストのために、19cから23aiへのデータベースを別のデータベースにクローニングするために、引き続き使用可能なオプションを使用することもできます。
• アップグレードは一方向であり、19cにダウングレードバックするオプションがないため、23aiクローンで必要に応じてテストすることをお薦めします。
• 機能リリース(2025/08/19)時点で23aiへのアップグレード期限は発表されていません。
• データベースをOracle Database 23aiにアップグレードした後、データベースのアップグレード前に取得したバックアップからデータベースをリストアすると、指定したバックアップから前のデータにデータベースがリストアされます。リストア操作はデータベース・バージョンをダウングレードしません。データベースのバージョンはOracle Database 23aiのままです。

さいごに

スケジュールされたIn-Placeアップグレードをすることで、変更点少なく19c の Autonomous Databaseを23aiへアップグレードすることができました。

参考情報

• Upgrade to Oracle Database 23ai with Scheduled Upgrade