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【Microsoft Power Platform】ノーコーディングでオンプレミス環境を自動監視・通知・管理するアプリケーションを作成

Last updated at Posted at 2020-04-28

はじめに

本記事は以下の記事の続きとなります。
【Microsoft Power Platform】Power AppsでNoCodeでアプリ作成
前回はノーコード・ローコードのあれこれで紹介したプラットフォーム、ツールの中からMicrosoftのPower PlatformサビースであるPower Appsを利用して簡単な出欠確認アプリを作成しました。
今回はPower PlatformのPower AppsだけではなくPower AutomatePower BIも連携したアプリケーションを作成します。
各サービスの説明等で間違いがあればコメントしてくださると嬉しいです。

Power Platformとは

Power PlatformとPower Appsは前回説明したので割愛

Power Automateとは

概要
お気に入りのアプリとサービス間の自動ワークフローを作成し、ファイルの同期、通知の受信、データ収集などを行うことができ、わずかなコード(Excelで使用する関数等)でワークフロー、プロセスを自動化することを目的としたプラットフォームサービスです。

5種類のフローについて

Power Automateで作成するフローは大きく分けて以下の5種類に分けれます。

  • 自動化されたフロー
    【ユースケース】
    他サービスのイベントによってトリガーを設定することで、1つまたは複数のタスクを自動的に実行するフローを作成できます。
    クラウドまたはオンプレミス(windows環境のみ)のサービス向けの150を超えるコネクタ(データソース)を利用できます。
    ※メール通知やスプレッドシート更新など
  • ボタンフロー
    【ユースケース】
    モバイルデバイスでいつでも、どこからでも繰り返しタスクを実行できます。
    ボタンUIをPower Automateで作成可能でユーザスタートのタスクフローを作成できます。
  • スケジュールされたフロー
    【ユースケース】
    スケジュールに合わせて 1つまたは複数のタスクを実行するフローを作成できます。
  • 業務プロセスフロー
    【ユースケース】
    ユーザーが実行することで求められる結果を導く一連の手順を定義できます。
    人的プロセスの手助けを行い、ステージとステップで作業手順を管理することができます。
    ※承認フロー等を作成できます
  • UIフロー(プレビュー) 2020年4月2日から一般提供開始
    【ユースケース】
    レガシーソフトウェアの手動手順を記録し、再生を自動化できます。
    自動化にAPIを利用できないデスクトップとWebアプリケーションをRPAのように自動化できます

本記事では、自動化されたフローでフローを作成していきます。

コネクタについて

コネクタは様々なクラウドやオンプレミス環境のサービスに接続できます。
利用できるコネクタについて概要はこちら
コネクタ概要ページの左側に各コネクタの詳細情報ページが一覧としてあります。

少しだけコネクタの紹介

などなど

料金プラン

公式
非公式だがプラン等を詳しく説明してくれている記事
https://memo.tyoshida.me/power-platform/power-automate/power-automate-ui-flows-rpa-license-price/
基本的には以下の2種類のプランがある。

  • ユーザーごとのプラン
    1ユーザーあたり月 15ドルとなる。また、手動RPA(UIフロー)を含む場合は 40ドル
  • フローごとのプラン
    組織全体で5つフローごとに 500ドル/月

※無料試用版
Power Appsの試用版は 30 日間だが、Power Automateの場合、90日間となっている。
Power Apps コミュニティプランはPower Automateも同じプランとなり無料で確認できる。

今回はコミュニティプランを使用する

Power BIとは

概要
Power BIを利用することでクラウド上のデータソースや、オンプレミスのデータソースに接続してデータの視覚化や検出、また視覚化したデータ(Report)をその他ユーザに共有することが簡単にできます。
基本的には以下の3つの要素で分析情報を作成、共有、使用を効率よくできるように設計されています。

  • Power BI Desktop → Windowsのデスクトップアプリケーション
  • Power BI サービス → SaaS(サービスとしてのソフトウェア)サービス
  • モバイル デバイス → Windows、iOS、Android デバイス向け

また、要素としてもう一つPower BI Report Serverというのがあります。
こちらは、Power BI Desktopで作成したレポートを別環境のオンプレミスのレポートサーバーに発行できます。

本記事ではPower BI サービスのみを使用します。

料金プランとライセンスに関して

下記2点の料金についてこちらを参照 → 料金情報

  • ユーザごと
    【Power BI Pro】
    Power BI Pro ユーザーのコンテンツを使用して共同作業、共有したりできます。アプリ ワークスペースへのコンテンツの発行、ダッシュボードの共有、ダッシュボードとレポートのサブスクライブを行うことができます。
    【Power BI Free】
    無料ライセンスを持つユーザーは、Power BI Premium 容量に割り当てられたワークスペース内のコンテンツを使用やマイ ワークスペースに含まれている個人用コンテンツのために Power BI サービスの一部機能にアクセスしたりできます。
    詳しくは以下を参照
    個人として Power BI にサインアップする
    Power BI Pro のユーザー ライセンスを購入して割り当てる
  • Power BI Premium
    一貫したパフォーマンスを実現し、より大規模なデータ ボリュームをサポートするための、専用の容量が用意されています。 また、Pro ユーザーが広範囲にコンテンツを配布し、Power BI Pro ライセンスを持たないユーザーでもそのコンテンツを閲覧できるようにすることも可能。

※Power BI 管理者であれば、以下のライセンスを参照
組織でのPower BI のライセンス

本記事ではユーザごとのPower BI Pro試用版を利用します。
試用期間が終わるとPower BI freeに変更されます。

実装するアプリケーション

今回実装するアプリケーションはオンプレミス環境のファイルを自動監視・通知・管理するアプリケーションです。
流れとしては以下です。
image.png
1. 何らかのオンプレミスシステムでError、Warningログファイル(csv)が指定されたフォルダに出力
2. 指定されたフォルダ内のcsvファイル追加・変更のトリガーで該当ファイルのデータを取得
3. 取得したデータをもとにメールの通知
4. 取得したデータをもとにGoogleスプレッドシートにデータを追加
5. 取得したデータをもとにGoogleドライブにファイルを保存
6. Power BIデータセットにデータが追加されデータ分析でレポート更新
7. Power Appsのアプリでデータ対応管理をデータ更新で行う

アプリケーション実装については説明が長すぎるので、成果物見るだけでいいよって方は以下のとこまで飛んでください。
成果物について

環境の準備

Power Automateへのアクセス

以下を参考にサインアップ、またはサインインをする。
※私は前回Power Appsでサインアップしていた為、サインインでアクセスしました。
Power Automate にサインアップ・サインイン

Power BIへのアクセス

以下を参考にサインアップ、またはサインインをする。
Power BI にサインアップする

オンプレミスデータゲートウェイの設定

オンプレミス データ ゲートウェイは、オンプレミスのデータと安全に接続するためのものです。オンプレミス データ ゲートウェイをオンプレミスの環境にインストールすることで、クラウドサービス(Power BI、Power Apps、Power Automate、Azure Analysis Services、Azure Logic Apps)とデータのやり取りを行うことができます。
【注意事項】
Microsoftサービスですので、Windowsマシンのオンプレミスデータしか扱えません。

また、最小要件としては以下となっています。

  • .NET Framework 4.6 (ゲートウェイリリース (2019 年8月) 以前)
  • .NET Framework 4.7.2 (ゲートウェイリリース2019年9月以降)
  • Windows 8 または64ビットバージョンの Windows Server 2012 R2 の64ビットバージョン
    ※本記事ではWindows10を使用して動くことが確認できました。

【オンプレミスデータゲートウェイ手順】

インストールについてを参考にしました。

①インストール

インストールについてのリンク先でStandard ゲートウェイを使用するオンプレミス環境にダウンロードしてインストールします。

②設定

インストール完了後、Power Automate、Power Appsで使用している組織アカウントでサインインを行います。
サインイン後に、「このコンピュータに新しいゲートウェイを登録します。」を選択します。
image.png
その後、ゲートウェイを設定するマシンのアカウント情報を聞かれるので入力。
Service account → Windowsにログインするユーザネーム
・ ローカルユーザーなら [マシン名\ユーザー名]
・ ドメインユーザーなら [ドメイン名\ユーザー名]
Password → Windowsにログインするパスワード
image.png
入力後、構成画面で以下の画面のように任意な内容で入力して設定は完了。
image.png

※注意
構成したゲートウェイのリージョンと使用するサービスのリージョンが同じでなければ連携出来ないため確認する必要がある。
今回はPower Automateを使用するため、以下のリンク先で確認できる。
Power Automateの管理ポータル画面
もし、リージョンが異なれば以下の2点のどちらかの方法で対応する。
・Power Automateの管理ポータルで新規の環境を作成する。
・ゲートウェイの構成設定でリージョンをPower Automateに合わせる 
私の場合は以下のように、ゲートウェイの構成設定でリージョンを変更
image.png

アプリケーション作成

Power Automateでフロー作成

以下4段階に分けて説明します。
①オンプレミス環境ファイルの追加・変更をトリガーにしてメール通知
②追加・変更したファイルをGoogleドライブに保存
③取得したファイル(CSV)のデータ整形
④整形したデータをスプレッドシートとPower BIのデータセットに追加
image.png

①オンプレミス環境ファイルの追加・変更をトリガーにしてメール通知

  1. Power Automateにアクセスします。
  2. アクセス後+作成自動フローを選択する
    image.png
  3. 自動フロー作成画面でフロー名フローのトリガーを設定する。
    フロートリガーの検索欄でファイルで検索してファイルシステムのトリガーをチェックして作成する。
    image.png
    ファイルが追加または変更されたときのトリガーは以下となります。
    image.png
  4. メール通知する相手の管理
    今回は適当な場所にGoogleスプレッドシートで管理します。以下のように作成。
    image.png
  5. 3.で作成したフローでファイルトリガーの設定をする。
    フロー編集画面で以下のファイル接続設定が表示されているので入力する。
    接続名:任意
    ルートフォルダ:監視したいフォルダのルート
    ユーザ・パスワード:接続するオンプレミスのWindowsログイン情報
    gateway: 環境の準備で構成したgatewayがデフォルトで設定されています
    image.png
    作成後以下の画面で設定を入力する。 オンプレミス環境がオンライン状態であればファイルシステムでルートを選択できます。 ファイル数は10で設定する。
    image.png
  6. 追加・変更されたファイルデータを取得するフローを追加する。
    +新しいステップをクリックするとアクション選択画面がでるので以下のファイルコンテンツを取得を探して選択する。
    image.png
    ファイルコンテンツを取得のアクション設定で、以下の動的コンテンツ・関数選択入力画面でファイルの一覧Pathを選択する。
    ※ここで選択するファイルの一覧Pathはファイルが追加・変更したトリガーのアクションで出力されるデータとなる。これ以降フローで出力されたデータは動的コンテンツで使用できるようになります。
    image.png
  7. +新しいステップでGoogleスプレッドシートから複数行のデータを取得するアクションを設定する。
    6と同様にアクションから複数行を取得を選択する。
    以下アクションの設定内容となる。4で作成したスプレッドシートからメールアドレスを取得する。
    image.png  
  8. スプレッドシートから取得したメールアドレスにメールするアクションを作成する。
    7で取得したメールアドレスは複数の可能性があるので複数回に分けてメール通知する必要がある。
    ポイントとしては以下2点となる
    ・forのように繰り返しができるApply to eachのアクション設定
    Apply to each内でGmailの送信ができるメール送信(V2)のアクション設定
    image.png
    【入力箇所解説】
    以前の手順から出力を選択:動的コンテンツからスプレッドシート複数行取得アクション出力値を設定
    終了:送信先メールアドレスを設定(動的コンテンツのスプレッドシートメールアドレスを設定)
    件名:メールタイトル
    ボディ:メール本文(動的コンテンツを使える)
    添付ファイル名:動的コンテンツからファイル名を設定
    添付ファイル コンテンツ:動的コンテンツから6のアクションで取得されるファイルコンテンツを設定
    添付ファイル コンテンツの種類:ファイルの種類を設定(今回はCSVファイル)
    ※その他は、デフォルトで問題なし。
    また、Gmailのアクションを選択した場合、Googleアカウントのサインインと許可が必要となります。

②追加・変更したファイルをGoogleドライブフォルダに新規で保存

  1. ①のフローに+新しいステップGoolgeドライブにファイル作成アクションを追加する。
    image.png
    フォルダーのパス: ファイルを保存するドライブのルート
    ファイル名 : replace(triggerBody()?['Name'],'csv','xlsx')
    ファイルコンテンツ: 動的コンテンツからファイルコンテンツを選択
    【フォルダ名の解説】
    ドライブに保存するファイルをcsvからExcelに変更して保存する関数を設定している。
    関数は動的コンテンツと式があるので式で作成する必要がある。
    image.png
    triggerBody()?['Name']: トリガーイベントで出力されたName値(ファイル名)
    replace(triggerBody()?['Name'],'csv','xlsx') : ファイル名のcsvという文字列をxlsxに置き換える

③取得したファイル(CSV)のデータ整形

  1. 取得したファイルデータをjsonに整形します。 整形には作成アクション選択アクションを設定します。
    image.png
    【作成アクション解説】
    作成アクションでは入力時に関数を用いて、データを整形するのに用いられます。以下が今回使用する関数です。
    split(body('ファイル_コンテンツの取得'),decodeUriComponent('%0A'))
    こちらは、改行コードごとに文字を区切って配列にしています。要はcsvデータのRowsを一行づつ配列の文字列にしていきます。
例)
CSVファイル
date,time,status,message
2020/04/01,12:10:01,Error,テストメッセージ
2020/04/01,12:10:01,Error,テストメッセージ
↓↓↓以下のように一行ごと文字列にした配列を出力する↓↓↓
[
"date,time,status,message",
"2020/04/01,12:10:01,Error,テストメッセージ",
"2020/04/01,12:10:01,Error,テストメッセージ"
]

【選択アクション解説】
作成アクションの出力された値を該当の変数名とマッピングされたjson形式のデータに変更します。
開始で設定している関数は以下です。
range(1,sub(length(outputs('作成')),1))
sub関数では作成アクションの配列の個数から第2引数の数値分引いています。
range関数は第1引数から第2引数までの数値で配列を作成しています。
マップの設定は、それぞれ左側が変数名で右側が値を設定しています。
左側の関数は、CSVの列名を取得するように設定しいます。
右側は各Rowデータでで区切って配列にした値を左側の変数名に紐づくように設定しています。

例)
作成アクションの出力値
[
"date,time,status,message",
"2020/04/01,12:10:01,Error,テストメッセージ",
"2020/04/01,12:10:01,Error,テストメッセージ"
]
↓↓↓以下の様に変更して出力する↓↓↓
[
  {
    "date": "2020/04/01",
    "time": "12:10:01",
    "status": "Error",
    "message": "テストメッセージ"
  },
  {
    "date": "2020/04/01",
    "time": "12:10:01",
    "status": "Error",
    "message": "テストメッセージ"
  }
]

④整形したデータをスプレッドシートとPower BIのデータセットに追加

③で整形したデータをスプレッドシートに追加します。
また、Power BIのデータセットにデータを追加できるにようにPower BI側で設定してフローにアクションを追加します。

【スプレッドシートに行を追加】
①の4で作成したスプレッドシートに以下のようシートを追加します。
image.png
作成後、フローの続きとして以下のアクションを追加する。
③で整形した配列をforで繰り返して一行ごと追加する。
image.png

現在のアイテムは以下のようなデータとなっており、スプレッドシートの列名とjsonの各ObjectNameが紐付くようにデータが追加されます。

{
    "selectYear": "2019",
    "selectMonth": "04",
    "selectDay": "04",
    "fixFlag": "0",
    "selectTime": "08",
    "date": "2019/04/04",
    "time": "08:01:55",
    "status": "Error",
    "massege": "bug test massege内容はいろいろw"
  }

【Power BIのデータセットに追加】

1. Power BIでデータセットの設定を行う
Power BIにアクセスして以下の流れでストリーミングデータセット作成画面を開きます。
マイワークスペースデータセット+作成ストリーミングデータセット
image.png  
新しいストリーミングデータセットでAPIを選択します。
これで、APIを利用してデータセットにデータを追加できるようになります。
image.png  
次に以下の画面でデータセット名ストリームからの値(RequestBody)を設定して作成をおこないます。
image.png
2. データセットに追加するアクションを設定
スプレッドシートに追加したアクションのあとにデータセットのアクションを追加します。
以下のアクションを設定します。
image.png
ワークスペースデータセットはPower BIで作成したものを設定。
テーブルはデフォルトでRealTimeDataを設定
payloadについては関数で③の選択アクションの出力値を設定する。以下のように関数を設定
body('選択') 

以上でフローを保存する。

Power BIでデータセットからレポートの作成

データセットからレポート作成する場合、データセットにデータが存在している必要があるのでのPower Automateで作成したフローを一度実行します。
以下の内容のcsvを作成してファイルが追加・変更されたときのトリガーが監視しているフォルダにcsvファイルを追加します。

log_20190401.csv
date,time,status,massege
2019/04/01,17:01:55,Error,bug test massege内容はいろいろw
2019/04/01,18:01:55,Error,bug test massege内容はいろいろwwk
2019/04/01,18:01:55,Warning,bug test massege内容はいろいろww
2019/04/01,19:01:55,Warning,bug test massege内容はいろいろwwk

フローが完了すると、以下のフロー詳細画面で正常に実行されたか確認できます。
image.png
また、実行の開始列の日付を選択すると以下の様にフローの各アクションの実行ログが確認できます。
image.png
正常に実行できたことが確認できたらレポートを作成します。

①Power BIのレポート作成

  1. データセットにデータが追加されると、Power BIのワークスペースデータセットの画面でレポートが作成できるようになっています。
    クリックしたらレポート作成画面が表示されます。
    image.png
  2. レポート作成画面でデータセットのデータを確認するテーブルを作成。
    以下のように作成します。
    image.png
    作成すると以下の様にデータが表示されると思います。
    image.png
  3. テーブルに表示するデータの抽出範囲を指定する為スライサーをレポートに追加
    以下のようにレポートに作成する。
    image.png
    作成したスライサーで以下のようにドッロップダウンを選択する。
    image.png
    selectDateだけではなくselectMonthselectDayも以下のように作成することで、条件指定でテーブルにデータを表示できます。
    image.png
  4. Power Appsをレポートに追加するためアプリを作成
    レポートに追加するためPower Appsでアプリを作成する。
    作成方法は前回の【Microsoft Power Platform】Power AppsでNoCodeでアプリ作成を参考にしてください。
    Power Automateでフロー作成で作成しているスプレッドシートを元に作成する。
    アプリは、以下のような機能となっています。
    【アプリ概要】
    ・ホーム画面
    こちらではファイルシステムトリガーで取得したデータを一覧で確認できます。また、「対応済み」にチェックをすると担当者が「対応済み」にしたデータのみ確認できます。
    image.png
    ・詳細画面
    各データの詳細を確認できる画面です。
    対応完了はについては未対応 : 0対応完了 : 1のようにしています。
    image.png
    ・更新画面
    この画面で更新を行う。基本は対応完了のみを更新する。
    image.png
  5. Power AppsアプリをPower BIレポートに追加する。
    以下のようにPower Appsの部品を追加する。
    image.png
    レポートに追加されたPower Appsでアプリを以下のようにして呼び出す。
    image.png
    呼び出せたら以下のように位置やサイズを調整する。
    image.png
  6. 月分析」と「日分析」のレポートを作成する。
    月分析はを指定することで1ヶ月内の日付ごとのデータを表示します。
    日分析はを指定することで指定日付の時間ごとのデータを表示します。
    【月分析】
    ・新規のレポートページを追加してページ名を変更(1〜5で作成したレポートページ名はアプリケーションとする)
    ・アプリケーションページのスライサーと同じ様に追加
    ・日付ごとのグラフをレポートに作成
    image.png
    【日分析】
    ・スライサーをレポートに追加する
    ・時間ごとのグラフをレポートに追加する
    image.png

レポートの作成が完了したら保存します。
以上で、アプリケーション実装完了

成果物について

今回、ファイルシステムトリガーが監視するオンプレミス環境で出力されるログファイル(csvファイル)は2019/05/01〜2019/05/05を想定しています。
また、一日一つのログファイルが出力される想定のアプリケーションですが、今回だけはlog_20190501.csvに2019/05/01〜2019/05/05分のデータを準備して手動でフォルダに置きます。

log_20190501.csv
date,time,status,massege
2019/05/01,17:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/01,18:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/01,18:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/01,19:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/02,10:01:54,Error,bug test massege Error
2019/05/02,11:30:00,Error,bug test massege Error
2019/05/02,15:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/02,15:45:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/02,16:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/02,17:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/03,10:01:54,Error,bug test massege Error
2019/05/03,11:30:00,Warning,bug test massege Warning
2019/05/03,15:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/03,15:45:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/03,16:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/03,17:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/04,18:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/04,18:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/05,10:01:54,Error,bug test massege Error
2019/05/05,10:21:24,Error,bug test massege Error
2019/05/05,10:22:24,Error,bug test massege Error
2019/05/05,10:30:00,Warning,bug test massege Warning
2019/05/05,11:22:24,Error,bug test massege Error
2019/05/05,11:30:00,Warning,bug test massege Warning
2019/05/05,14:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/05,14:45:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/05,15:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/05,15:01:55,Error,bug test massege Error
2019/05/05,16:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/05,16:01:55,Warning,bug test massege Warning
2019/05/05,17:01:55,Error,bug test massege Error

監視しているフォルダでファイルが追加・変更されると設定したオンプレミスゲートウェイをかいしてPower Automateのフローが実行されます。
ファイルを追加すると以下の4点が自動で実行されます。

  • メール通知
  • スプレッドシート更新
  • ドライブに追加
  • データセットに追加されレポートが更新

Power Automateフロー実行結果

メール通知
追加されたファイルが添付されメール通知されていることを確認できます。

image.png
スプレッドシート更新
スプレッドシートにデータが更新されていることを確認できます。

image.png
ドライブ追加
ドライブにファイルが追加されていることを確認できます。
image.png
データセットに追加されレポートが更新
Power BI で作成したレポートを開くとデータが追加されてレポートに反映されていることが分かります。
image.png 

Power BIで更新されたPageについて

1. アプリケーションのページ

オンプレミスのcsvで出力されたデータが自動でPower BIのデータセットに追加されています。
selectYearselectMonthselectDayのスライサーで日付別でテーブルに表示させることが可能となっています。
また、レポート画面でPower Appsのアプリを使えるのでレポートページで対応済みの登録ができます。
image.png 

2. 月分析のページ

selectYearselectMonthのスライサーで指定した月のデータをグラフで確認できます。
グラフは、データが増えても良しなに動的表示をしてくれます。
ただ、データとして無い日付は件数が0ではなく、グラフの日付軸に表示されません。
※調べてみましたがグラフにユーザが日付を選択して配置する方法はありませんでした。
image.png 

3. 日分析のページ

各スライサーで指定した日付の時間別件数がグラフで確認できます。
こちらも、データセットにデータとしてない時間の値はグラフに表示されません。
image.png 

Power Appsのアプリケーション実行について

本アプリケーションではスプレッドシートのデータと同期をしており、アプリケーションで対応完了を更新して管理できるアプリとなっています。
こちらはPower BIのレポートに追加していますが、モバイルアプリとしても利用が可能となっております。

image.png 

既存開発との比較

今回もノーコーディングで実装を行いまいしたが、実際コーディングをするとどうなるのか...
例えば、メール通知部分で比較してみます。
メール通知をコーディングする場合は、Node.jsのexpress等でAPIを作成してメール通知する場合はサードパーティのサービスを利用して通知を行います。また、実行する環境としてはサーバレスにするとしてもGoogle Cloud Platform(GCP)やAWSのサービスで作成を行います。そして、メールの内容等をjsonデータで作成してメール通知を行います。

述べたようにコーディングだけではなく、サードパーティのサービスの設定や実行する環境を考えなければなりません。Power Automateのように一つの作成管理画面(サービス)で完結できないので、作業工数は多くなります。

ただ、今回利用したPower Platformのサービスは外部向けや、同じ組織内アカウントのユーザと共有等するプランにすると料金がかかります。こちらの料金はGCPやAWS等で実行環境を管理するより料金が高くなってしまいます。
サービスによりますが、今回は利用したPower Platformは作業工数は少なくできるが料金のコストが高いと感じました。

また、Power Platformだけ言えることでは無いですが、このようなサービスが終了する場合を考える必要があります。現在、このような問題も視野にいれてノーコーディングのサービスで作成した処理をコードに落とせるノーコード・ローコードのサービスもあります。ちなみに、Power Automateのフローでもアクション設定をコードにして閲覧することも可能となっています。
今後、開発スピードを上げるのも重要ですが、サービス終了した場合など移行がしやすかったりなども考えてサービスを選択する必要があります。

まとめ

今回はPower Platformのサービスをそれぞれ連携させたアプリケーションを作成しました。
Power Autmateのフローで使えるサービス(コネクタ)に関して何ができるのかや実際に使う際の制限を調査するのに時間がかかった感じがします。実際にフローを作成する際は、動的コンテンツ等で選択したりするので効率よく作成できました。ただ、アクション設定の項目が同じものを使おうとしているのに使えなかったり等、予想に反することがあるので設定を修正しないといけない場合がありました。こちらは管理に関しては少し難しいと思いました。
また、オンプレミス環境のレガシーなシステムに簡単に連携でき、RPAも実装が可能ですのでちょっとした機能強化で業務改善を実現できそうでした。
Power BIについては、今回は簡単なレポートを作成しましたが、他の方のPower BIのレポート集という記事では様々なレポートを作成されていてアイデアがあれば色々なレポートを作成できそうだと思いました。
次回は、まだPower Platformのサービスで紹介ができていないPower Virtual Agents (ノンプログラミングBot作成サービス)について書きたいと思います。

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