Amazon SQSとは？
Amazon Simple Queue Service（SQS）は、分散アプリケーション間で非同期にメッセージを送受信できるマネージド型のメッセージキューサービスです。SQSを活用することで、システムの疎結合化、スケーラビリティ向上、耐障害性の強化が可能になります。
Amazon SQSのユースケース
1. 非同期処理の実装
例：ECサイトの注文処理
- ユーザーが注文を確定すると、注文情報をSQSに送信。
- バックエンドで在庫確認や決済処理を非同期で実行。
2. マイクロサービス間の疎結合化
例：異なるマイクロサービス間のデータ連携
- 直接API通信をせず、SQSを経由することで、マイクロサービスの独立性を向上。
3. バッチ処理のトリガー
例：データ処理パイプライン
- SQSに蓄積したデータをLambdaやEC2のバッチジョブで一定間隔ごとに処理。
4. システムの耐障害性向上
例：分散システムのリカバリ
- 一時的な障害が発生しても、SQSがメッセージを保持し、システムが復旧した後に処理を再開可能。
標準キュー（Standard Queue）とFIFOキューの違い
🟢 標準キュー（Standard Queue）
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特長
- 高スループット（秒間数万メッセージ）
- ベストエフォートの順序保証（順番が変わる可能性あり）
- 少なくとも1回の配信（メッセージが重複する可能性あり）
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適用例
- スケーラブルな非同期処理（例：ログ処理、行動分析）
- 順序が厳密でなくてもよいシステム
🔵 FIFOキュー（First-In-First-Out Queue）
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特長
- メッセージの順序保証
- 重複排除（Exactly-Once Processing）
- スループットは標準キューより低め（最大3,000メッセージ/秒）
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適用例
- 金融取引の処理（決済処理など）
- タスクのワークフロー管理（ジョブキュー）
AWSサービスとの連携例
1. AWS Lambda + SQS（イベント駆動の非同期処理）
📌 例：画像アップロード → SQS → Lambdaでサムネイル生成
2. Amazon EC2 / ECS + SQS（ワーカー処理）
📌 例：動画変換ジョブをキューに送信 → EC2が順次処理
3. Amazon SNS + SQS（ファンアウトパターン）
📌 例：注文通知をSNSで複数のSQS（在庫管理、請求処理、メール通知）に配信
4. Amazon EventBridge + SQS（イベント駆動型アーキテクチャ）
📌 例：S3のオブジェクト削除イベント → SQS経由でログ保存処理を実行
まとめ
✅ 標準キュー：高スループット、順序保証なし、重複あり → 汎用的な非同期処理向け
✅ FIFOキュー：順序保証、重複なし → 厳密な順序管理が必要なケース向け
✅ AWSサービスと組み合わせることで、柔軟でスケーラブルなアーキテクチャを構築可能
Amazon SQSを活用して、より効率的で信頼性の高いシステムを構築しましょう！