はじめに
本記事は,IoT CentralとReButtonを使ってIoTデバイスを接続する(IoTプラグアンドプレイのテンプレートのみ使用する場合)の後続記事です。確かにIoT Centralのプラグアンドプレイのテンプレートを使用しただけでもIoTデバイスの接続簡素化は可能なのですが,今回はさらに踏み込んでIoT Centralのプラグアンドプレイのテンプレートも使用せずにIoTデバイスをIoT Centralに接続してみようと思います。
必要なもの
前回の記事で記載した準備するモノと同じです。IoT Centralは無償評価版が使えますので,実質ReButtonとWiFi環境があれば大丈夫です。
ReButtonのFirmwareバージョン確認
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ReButtonをAPモードにします。APモードにするには,ReButtonのLEDが白点滅するまで長押しします(10秒程度)。LEDの色は青→黄→水色→白の順に変化します。
こんな感じでずーっと押して白点滅を待ちます。
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ブラウザを起動し,http://192.168.0.1に接続します。Firmwareのバージョンが1.xであれば,IoT Plug and Playに対応したFirmwareにアップデートする必要がありますので,後続の手順を実施します。もし,Firmwareのバージョンが2.0.public-previewであれば,後続の"ReButtonのFirmwareアップデート"はスキップしてください。
ReButtonのFirmwareアップデート
2019年11月6日時点で,ReButtonの最新Firmwareバージョンは1.7なのですが,IoT Plug and Playを使用するためには,2.0(Public Preview)にアップデートする必要があります。
ReButtonのFirmwareアップデートは,ReButton Docs for ReButton - Step 3: OTAプロセスの記載に準じて進めれば問題ないのですが,やはりスクリーンショット等があった方が分かりやすいかと思いますので,本記事で補足しようと思います。
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「ReButtonのLEDが白く光るまでボタンを押し続け、APモードに移行させます。 (リマインダー: アクセスポイント名はAZB-xxxxxxxxxxxxで、このページのURLはhttp://192.168.0.1です。)」
前の項目を実施し,ReButtonのLEDが白点滅の状態であれば大丈夫です。 -
「ReButton - Homeを開き、Firmware Updateをクリックします。」
すると、以下のような画面が表示されます。
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「以下の情報はこのドキュメントで解説しています。Seeedが公開しているファームウェアの情報はこちらから確認でできます。」
GitHub SeeedJP/ReButtonにアクセスして確認しますが,今はReButtonのAPモードなので閲覧できないと思います。以下に今回アップデートする2.0public-previewの情報を記載していますので,参考にしてみてください。
Package URI: https://seeedkk.blob.core.windows.net/rebuttonfirm/ReButtonApp.2.0.public-preview.bin
Package CRC: 0x6853
Package Size: 646616
です。これらの情報を入力します。
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「ReButtonのボタンを押している状態で、Updateをクリックしてください。」
ReButtonのボタンを押している状態で、
"Update"ボタンをクリックします。その際,ReButtonがインターネット経由でFirmwareを取得できるように,ReButtonに登録したWiFi環境を事前に有効にしておきます。
私は自分のWiFiルータを使用しているのですが,WiFiルータの電源を入れ忘れてFirmwareのアップデートを実行すると,ReButtonのLEDが赤点滅します。こうなった場合は合わせずWiFiルータの電源を入れた後に,この手順を再度実行すれば,問題ありません。
すると、Firmware Updating...の画面が表示されます。
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「LEDが点滅を始めるまで、ReButtonのボタンを押し続けます。ReButtonはファームウェアをダウンロードし、CRCを確認し、新しいファームウェアを書き込みます。この工程は30秒ほどかかります。」
しばらくLEDが点滅しませんが、LEDが赤点滅しない限り、ReButtonを信じて待ちます。 -
「LEDが白く光ったら、ボタンから手を離してください。APモードで新しいファームウェアが立ち上がった証拠です。」
これは文意のとおりですね。 -
「APモードの状態で、ReButtonのWi-FiとAzure connectionのセットアップをしてください。」
まず,WiFiの接続をAZB-xxxxxxxxに切り替えます。その後,ブラウザを起動し,http://192.168.0.1に接続します。Firmwareのバージョンが2.0になっていることを確認します。
その後,Wi-Fiのリンクをクリックします。
ご自身が使用されているWi-Fi SSID,Wi-Fi Passphraseを入力します。Time Serverについては入力不要です。必要な情報を入力後,「Save」ボタンをクリックします。
Wi-Fi savedの画面が表示されたら,「Shutdown」のボタンをクリックします。
これで,RebuttonのFirmwareアップデートは完了です。
IoT Centralにアクセス&スコープIDとSASの取得
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IoT Centralにアクセスします。
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新しいアプリケーションの設定を行います。Application name,URL,Application templateの必須入力項目は,こだわりがなければ特に変える必要はありません。もし,これから作成するIoTソリューションの名称やURL等を分かりやすくしたい場合は,変更しても問題ありません。
ここでは,7日間の無償試用(7 day free trial)にチェックを入れ,Contact infoのFirst NameとLast nameに自身の氏名を入力します。
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Contact infoに自身の電子メール(Email),電話番号(Phone number),Country/Region(国/地域)を入力します(①)。内容確認後,「Create」ボタンをクリックします(②)。すると,IoT Centralが「Provisioning your application...」というメッセージを表示し,クラウド上に必要なリソースを配備します。
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IDスコープをコピーして,メモ帳等に転記しておきます。本記事ではIDスコープをマスクしていますが,実際はアルファベットと数字の文字列があると思います。
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[認証方法]-[デバイス]-[Shared Access Signiture(SAS)]の項目にある「キーの表示」をクリックします。
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主キー・セカンダリキー共にマスクしていますが,実際は文字列があると思いますので,主キーをメモ帳に転記します。その後,[閉じる]ボタンをクリックします。
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これだけ
そう、これだけです。デバイステンプレートすら不要です。
RebuttonにスコープIDとSASを設定
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ReButtonをAPモードに切り替え
本記事冒頭の操作でReButtonをAPモードに切り替えます。 -
ブラウザを起動し,http://192.168.0.1に接続し、「Azure IoT Central」をクリックします。
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先ほどメモ帳に転記したScope IDとSAS Keyを各項目に転記します。また,Device IDですが,ここはなんと一意の値であれば,自分で決めることができます。今回は,「MyReButton-0001」と入力します。
実はここがIoT CentralによるPlug and Playの肝で,ユーザが自身でDevice IDを指定することができるようになると,デバイスを配備する際にわざわざIoT Centralが吐くDevice IDを登録するのではなく,自身が指定したDevice IDを指定することができるようになります。また,デバイステンプレートを作成しなくてもよいのもメリットですね。
「IoT CentralでScope IDとSASを取得し,それを登録する、以上。」という感じです。
Push!!
まとめ
IoT Central + Plug and Playを使用すれば,Scope IDとSASをIoT Plug and Playに対応したデバイスに登録するだけでIoTデバイス(今回はReButton)とクラウド(IoT Central)に接続することができます。これは簡単ですね。
免責事項
内容は筆者なりに確認しておりますが,このブログ記事はあくまで情報共有を目的としております。動作保証等を目的とした記事ではない点,ご留意ください。