HERE Technologiesでは、今年もアドベントカレンダーを開催します!
2025年も「地図」だけでなく、ローケーションデータ活用、ロケーションサービス、そして IoT をテーマに、さまざまな記事を募集します。
その初日として、本記事では HERE Technologies / HERE Japan にとっての 2025年の主なトピックを、パートナーシップ・コミュニティ・ソリューションという観点から振り返ります。
過去の Advent Calendar もぜひどうぞ:
2025年の主なハイライト
まずは、今年のトピックを一覧でまとめました。
- IAA Mobility 2025 における HERE × AWS「SDV Accelerator」発表
- 日本におけるパートナーエコシステムの拡大
- HERE Japan Partner Day 2025 の開催
- Geo Exhibition 2025(ジオ展) 出展
- AWS Summit Japan 2025 出展
- コミュニティ活動の本格スタート
- HERE Technologies User Group Japan(HUG-JP) 初回 Meetup 開催
- グローバルモビリティ案件
- CES 2025(ラスベガス) における Pioneer 様の二輪向けソリューション展示
- Bharat Mobility Global Expo 2025(ニューデリー) 出展
- ロジスティクス / モビリティ領域での取り組み
- ソニックス様 × 日本交通様による 5G を活用した観光タクシー向け実証
- ハコベル様における 運送手配サービスの地図プラットフォーム移管
ここからは、いくつかのテーマに分けて振り返っていきます。
1. SDV時代に向けた取り組み:HERE × AWS「SDV Accelerator」
2025年の HERE を語る上で欠かせないのが、AWS との共創による「SDV Accelerator」 です。
HEREとAWSが切り拓く、自動車ソフトウェア開発の新時代
~「SDV Accelerator」で加速するクラウド×位置情報の革新~
IAA Mobility 2025 にて、HERE Technologies と AWS は、自動車業界におけるソフトウェア定義車両(SDV)の進化を支える新たな取り組みとして、クラウドベースの 「SDV Accelerator」 を発表しました。
このソリューションは:
- AWS のクラウドおよび AI 機能 と
- HERE の高精度な地図・位置情報技術
を統合し、自動車メーカーが仮想化技術のメリットをより速く享受できる環境を提供するものです。業界リーダーとの連携により、開発の柔軟性と拡張性を大幅に強化しています。
SDV Accelerator によって期待されるポイント(ざっくり):
- クラウドネイティブな SDV 開発のための リファレンスアーキテクチャ
- サンプルコードや検証済みパートナーソリューションの提供による 開発スピードの向上
- HERE の地図・位置情報を、ADAS・ナビ・EV・フリートなど様々なドメインに統合するための 実践的なガイド
「クラウド × 位置情報 × エコシステム」を具体的な形で示した取り組みとして、日本のお客様からも関心をいただいています。
2. 日本のパートナーエコシステムの拡大
2-1. HERE Japan Partner Day 2025
2025年、「HERE Partner Day Tokyo 2025」を開催しました。
今年で 3 回目となる本イベントでは、パートナー企業・お客様が一堂に会し、共創のための新たな機会を探る場 となりました。
- HERE 国内外からの最新アップデート共有
- お客様・パートナー各社の成功事例紹介
- 位置情報テクノロジーが様々な業界に与えるインパクトをディスカッション
といった内容に加え、
- これまでの日本での Co-Marketing 活動に対し、MIERUNE 様 と 株式会社 INDUSTRIAL-X 様 に感謝状を贈呈
- パスコ様・ソニックス様・都築電気様によるデモの展示
- HERE SDK テックブレークアウトセッション を初開催(開発者向けセッション)
など、技術とビジネスの両面から「位置情報のこれから」を共有するイベントになりました。
2-2. ジオ展 2025 – 地図情報コミュニティとの対話
ジオ展 2025 では、HERE ブースに多くの皆様にお立ち寄りいただきました。
- HERE SDK や API を使った 二輪車向けナビゲーション
- 商圏分析・エリアマーケティングなどの ロケーションアナリティクス
- カスタムアプリ開発のための 地図プラットフォームとしての HERE
といったユースケースを中心にご紹介し、日本の地図情報コミュニティと対話する貴重な機会となりました。
2-3. AWS Summit Japan 2025 と #BuildWithHERE
2025年 6 月に開催された AWS Summit Japan 2025 では、AWS 様の会場にて HERE として出展しました。
- HERE の SDK / API を使った 二輪車向けナビゲーションデモアプリ
- HERE Location Services を活用したリアルなユースケース(モビリティ、ロジ、スマートシティなど)
を通じて、
「HERE の強力な SDK と API でロケーション技術を組み込むと、どんなソリューションが作れるか?」
を、さまざまな業種の方々と議論する場になりました。
HERE はハッシュタグ #BuildWithHERE を使って情報発信を行なっております。
3. コミュニティの誕生:HERE Technologies User Group Japan(HUG-JP)
2025年の大きな出来事のひとつが、HERE Technologies User Group Japan(HUG-JP) の立ち上げです。
HERE Technologies User Group Japan(HUG-JP)の記念すべき初回勉強会を、
五反田の株式会社ソニックス様のオフィスで開催いただくことになりました。
という形で告知させていただいた通り、
- 日時:2025年9月17日(水)19:00–21:00
- 場所:株式会社ソニックス スクエアオフィス(五反田)
にて、HUG-JP Meetup #1 を開催しました。
当日は、私も HERE の中の人として参加し、参加者の皆様と直接お話ししながら、
- HERE SDK / API の活用方法
- 実プロジェクトでのハマりどころ
- これから試してみたいユースケース
などについて、かなりざっくばらんにディスカッションすることができました。
HUG-JP は、
- HERE に興味がある方
- すでに使っている開発者
- ビジネスサイドでロケーション技術に関心がある方
が集まるユーザーコミュニティです。
今後もオンライン/オフライン両方で継続的にイベントを開催していく予定です。
- コミュニティページ:https://hugjp.connpass.com/
4. グローバルモビリティ案件:二輪車・新興市場・CES
4-1. CES 2025(ラスベガス)での Pioneer 様との共創
ラスベガスで開催された CES 2025 では、
Pioneer Corporation 様のブース(ラスベガス・コンベンション・センター 西ホール) にて、HERE の技術を活用したデモ展示を行っていただきました。
- 二輪向け「Smart & Safety Ride」ソリューション
- ライダーの安全性と利便性を高めるコネクテッド体験
- フリートマネジメントやナビゲーションへの応用
など、HERE の位置情報と Pioneer 様の UX / デバイスが組み合わさることで実現できる世界観を、来場者の皆様に体験いただきました。
4-2. Bharat Mobility Global Expo 2025(ニューデリー)
インド・ニューデリーの Bharat Mandapam で開催された
Bharat Mobility Global Expo 2025 に、HERE Technologies が出展しました。
インド市場向けに特化した:
- デジタルマッピング
- ロケーションサービス
- モビリティ技術
を紹介するとともに、CES で展示した Pioneer Corporation 様 の二輪車向けデバイス(Smart Display や Ride Recorder)のデモを通じて、急成長するインド・アジア市場でのソリューションをご紹介しました。
HERE は、交通渋滞やナビゲーションへの要望、インフラの複雑さといった 地域固有のモビリティ課題 に取り組みながら、各地域ならではのユースケースに注力しています。
5. ロジスティクス・モビリティ領域での実証・ソリューション
5-1. ソニックス様 × 日本交通様:5G を活用した観光タクシー実証
株式会社ソニックス様 が、日本交通様と連携し、観光タクシー車内での
- 5G を活用したインバウンド向け動画コンテンツ配信サービス
の実証実験を開始されました(Tokyo NEXT 5G Booster Project の一環)。
ソニックス様は、
- 「ソフトウェアで生活者とモノをつなぐ」というパーパスのもと
- 移動 DX と まちづくり DX の二軸で事業を展開
されており、モビリティ領域での多様な開発実績をお持ちです。
こうした モビリティ × 5G × 観光 の取り組みで、ロケーションテクノロジーの面で HERE をご活用いただきました。
5-2. ハコベル様:運送手配サービスでのHERE採用
2025年、ハコベル様 から、運送手配サービスを利用される荷主様向けに、地図情報サービスを HERE の地図プラットフォームに変更することに関するお知らせが公開されました。
このアナウンスを拝見し、改めて強く意識したのが 「お客様のお客様」 の存在です。
- ハコベル様を活用する荷主様
- その荷物を待っている「荷主様のお客様」
- 荷物を運んでくださるドライバー・運送事業者の皆様
物流は社会の根幹を支える仕組みであり、「その荷物が誰の生活を支えているのか?」という問いに真正面から向き合う必要があります。
HERE としても、単に地図や API を提供するだけでなく、
エンドユーザーの体験や価値創出にどう貢献できるか を常に考えながら取り組んでいきたいと改めて感じたトピックでした。
6. 2026年に向けて:ロケーションテクノロジーの「今」と「未来」をともに作る
2025年を振り返ると、
- SDV / クラウドネイティブな自動車ソフトウェア開発
- 二輪モビリティと新興市場(インドなど)
- ロジスティクス・観光・スマートシティ
- そしてユーザーコミュニティ(HUG-JP)
といった多方面で、「位置情報が当たり前に組み込まれた世界」 に一歩ずつ近づいた一年だったと感じています。
2026年も HERE は、パートナー・お客様・開発者コミュニティの皆様と一緒に、
- 新しいロケーション活用のユースケース
- オープンなエコシステム
- 実運用に耐える堅牢なプラットフォーム
を追求していきます。
Advent Calendar へのお誘いと参考リンク
最後に、この Advent Calendar を読んでくださっている皆様へのお誘いです。
- HERE の API / SDK を触ったことがある方
- これから使ってみたいと考えている方
- ロケーション技術・IoT・モビリティに興味がある方
どなたでも大歓迎ですので、ぜひ HERE Advent Calendar 2025 への参加をご検討ください。
- HERE Advent Calendar 2025
あわせて、参考になりそうなリンクもいくつか置いておきます。
- HERE Developer Portal: https://developer.here.com/
- HERE on GitHub: https://github.com/heremaps
- Open Source at HERE: https://heremaps.github.io/
- The HERE Maps Technical Book by MIERUNE: https://zenn.dev/mierune_inc/books/here-writings
- HERE User Group Japan(HUG-JP): https://hugjp.connpass.com/
この記事が、みなさんの
「HERE を使って、2026年はこんなことをやってみよう」
というアイデアのきっかけになれば嬉しいです。