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Instanaで実現するSREのベストプラクティス 第8章 Instana導入事例から学ぶSRE

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執筆者:小畑 啓、監修:山﨑政憲

8.1 国内外のInstana導入事例

Instanaは、国内外の多くの企業で導入され、システム監視やパフォーマンス管理の向上に貢献しています。具体的な導入事例については、様々なウェブサイトやブログなどで紹介されています。導入事例と該当するリンクは、下記の通りです。

GMOあおぞらネット銀行株式会社

インターネットバンキングのパフォーマンス監視とバックエンド環境の可視化・分析を効率化するためにInstanaを導入しました。これにより、サービスの拡充と安定運用を実現しています。
UIや自動化機能の使いやすさが導入決定の主な要因です。

【Instana導入事例】 ITシステム管理の自動化・効率化でサービスを拡充! - GMOあおぞらネット銀行様

株式会社日本総合研究所

SMBCグループのデジタル基盤の効率的な監視とテストを実現するため、Instanaを導入しました。
ライセンス体系のシンプルさや、コンテナベースのクラウドネイティブアプリとの親和性の高さが評価され、障害発生時の問題解決時間を30~40%短縮することに成功しました。

【お客様事例】Instanaで大規模プラットフォームを監視!〜日本総合研究所様

セブン&アイ・ネットメディア

クラウドへの移行を機に、インフラだけでなくアプリケーションも管理・監視できる仕組みへと変革するため、Instanaを採用しました。これにより、システム障害の原因究明を迅速化し、インフラチームと開発チーム間の連携を強化しました。
セブン&アイ・ネットメディアが「システム障害の原因究明」を迅速化できたワケ

Türk Telekom(トルコテレコム)

クラウドネイティブな複雑なシステム環境における運用の効率化と安定性向上を目的にInstanaを導入しました。自動依存関係の可視化やAIによる根本原因分析により、サービス可用性は70%向上し、ライセンスコストも約10%削減しました。

新たな運用上の洞察の発見 Türk Telekom社とIBM

これらの事例から、Instanaは多様な業種や規模の企業で効果的に活用されており、システムの可観測性向上、障害検知の精度向上、原因分析の迅速化など、多くのメリットをもたらしています。

8.2 ユーザーインタビューと成功談

Instanaを導入した企業からは、可観測性の強化と運用負荷の軽減に繋がったという声が多く寄せられています。
実際の企業事例やユーザーの声を通じて、SRE活動への活用価値を示唆する立場で紹介します。

例えば、あるEC企業では、従来のモニタリングツールでは見落としていたボトルネックを、Instanaのリアルタイムトレーシング機能によって即座に発見しました。
結果として、障害の初動対応が大幅に早まり、平均修復時間(MTTR)の短縮につながりました。

別の金融系企業では、マイクロサービス環境における依存関係の可視化が進んだことで、SREチームと開発チームの連携が強化され、リリース後のトラブルシューティングもスムーズになったといいます。

ユーザーインタビューからは、「Instanaによって問題の予兆を見逃さずに済むようになった」、「ログやメトリクスの統合管理ができて助かっている」といったコメントが得られました。
これらの成功談は、SRE活動にInstanaをどのように組み込むかを検討する際の具体的な指針となるはずです。

8.3 Instana導入時の課題と解決策

Instana導入時の主な課題と解決策

Instanaの導入によって多くの成功事例が生まれている一方で、すべての企業が初めから順調に成果を上げられるわけではありません。

実際には、環境構築や運用体制の整備など、導入段階でつまずきやすいポイントも存在します。Instanaを導入する際によく直面する課題や実践的な解決策を整理し、下表にまとめました。

課題 内容 解決策
エージェントの適用範囲の決定 どのサービスやコンポーネントを監視対象にするかが不明確 監視の目的を明確化し、重要なコンポーネントから順次導入
データ収集の負荷 エージェントの導入によるシステム負荷の増大 リソース消費をモニタリングし、必要に応じてデータ収集頻度を調整
アラートのチューニング 初期設定ではアラートが多すぎる / 逆に少なすぎる 異常検知ルールを最適化し、ノイズを減らしながら精度を向上
運用フローの最適化 Instanaのデータをどのように運用に活用するかが不明確 SLO/SLAを定義し、障害対応やパフォーマンス改善に活用

課題別の詳細な解決策

① エージェント適用範囲の決定
監視対象が多く、どこから着手すべきか判断が難しい場合は、まず決済システムや認証APIなどビジネスクリティカルな領域を優先しましょう。Instanaエージェントの適用可否は、段階的に導入しながら評価します。

② データ収集の負荷
Instanaエージェントの負荷やデータ保存期間の制限が課題になっている場合は、リソース制限や不要メトリクス無効化で負荷を軽減できます。
また、AWS S3やBigQuery等の外部ストレージにアーカイブして長期保存が可能です。

③ アラートのチューニング
初期設定ではアラートが多すぎたり、重要な障害が検知されにくい場合があります。ダイナミックベースラインと優先度の設定で重要アラートに集中し、ノイズを削減することが可能です。HTTP 500エラーの異常時のみ通知し、ノイズを50%減らした事例もあります。

④ 運用フローの最適化
Instanaのデータ活用方法が日常運用や障害対応時に不明確な場合は、SLOを基準に評価し、障害後の振り返りや改善策にトレースデータを活用します。さらにCI/CDと連携してデプロイ後の監視を自動化し、異常時は自動ロールバックを実施します。

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