こんにちは、京セラコミュニケーションシステム 井筒 (@kccs_naoto-izutsu) です。
Datadog シリーズの第2回目でご紹介した Datadog の GCP Integration なのですが、2023年6月に設定方法が大きく変わりました。
実際に使ってみて気付いた点もありましたので、半年前の話で恐縮ですが、第3回は新しくなった GCP Integration の設定方法についてまとめたいと思います。
連載記事一覧
- Datadog シリーズ 第1回目: Google Cloud に Datadog を導入してみよう - 全体説明編
- Datadog シリーズ 第2回目: Google Cloud に Datadog を導入してみよう - GCP Integration 編
- Datadog シリーズ 第3回目: Google Cloud に Datadog を導入してみよう - 新 GCP Integration 編 ★本記事★
この記事の対象者
- Datadog に興味がある人
- これから Datadog を使って Google Cloud(以降GCPと表現)をモニタリングしてみようと思っている人
- 新しい GCP Integration の設定方法を知りたい人
GCP Integration の概要
まず、Datadog の GCP Integration の概要について、おさらいしておきます。
GCP Integration は、以下のイメージ図のように Datadog の SaaS 側で動作している API クローラーが Cloud Monitoring API をコールして、各種データを収集します。
新しい GCP Integration も、この仕組みは変わりません。
新しい設定方法
新旧の設定方法 の比較
では、新旧の GCP Integration の設定方法を比べてみます。
設定ステップ | 新 | 旧 |
---|---|---|
GCP - API 有効化 | 〇 | 〇 |
GCP - Service Account 作成 | 〇 | 〇 |
GCP - Service Account キーの作成 | - | 〇 |
GCP - Service Account へのプリンシパルの追加 | 〇 | - |
Datadog - Service Account キーのアップロード | - | 〇 |
Datadog - プリンシパルの作成 | 〇 | - |
Datadog - Service Account の指定 | 〇 | - |
設定方法の詳細は、以下の公式ドキュメントを参照してください。
Google Cloud Platform - メトリクスの収集
違いとしては、
- 新
- GCP 側へ Datadog をプリンシパル登録する
- 旧
- Datadog へ Service Account キーを持たせる
といったところでしょうか。
新しい設定方法のいい(と思う)ところ
GCP Integration の設定方法が変わったタイミングで、ちょっとした機能改善も行われています。
私的にいいと思った点を挙げてみます。
JSON ファイルのやり取りが不要
新しい設定方法では、Service Account キーを JSON ファイルでやり取りする必要がなくなりました。これにより、キーの漏洩などのリスクが軽減されたので、うれしい改善点だと思いました。
GCP プロジェクトの自動検出
GCP の Service Account に他のプロジェクトやフォルダ、組織へのアクセス許可を行うことで、Datadog は自動的に GCP プロジェクトを検出してくれます。
プロジェクト毎に GCP Integration の設定が不要、ということですね。
ただ、これには考え方によってはデメリットにもなりうるので、運用方法は吟味が必要かなと思います。
Account タグ
Cloud Monitoring から収集したすべてのメトリクスに対して、任意のタグを付与することができるようになりました。
たとえば、PubSub などのように GCP 側ではラベル付与ができないリソースに対しても、Datadog のタグを付与できます。
設定方法は、以下のスクリーンショットの赤枠の部分にタグを記載するだけで OK です。
タグが付与される範囲は、Service Account に紐づいている GCP プロジェクトすべてです。
GCP プロジェクト毎に異なるタグを付与したい場合は、それぞれの GCP プロジェクトで Service Account を作成して GCP Integration を設定する必要があります。
こちらも、要件に合わせてタグの範囲を検討する必要はあると思いますが、うまく使えばとても便利な機能ではないかなと思います。
まとめ
本記事では、Datadog の GCP Integration の設定方法の変更点や機能改善についてご紹介しました。
GCP 環境をモニタリングする際には、GCP Integration は必須の設定だと思いますが、今回の変更でより設定しやすく、便利になったと思います。
また試したことがない方は、ぜひ設定してみてください。
弊社では、MSP サービスとして Datadog の導入や活用の支援を行っています。
少しでも興味がありましたら、お気軽にご連絡いただけたらと思います。
免責事項
本記事に記載している内容は、2023年12月時点の情報となります。
記事の内容を筆者の理解をベースに作成したものとなり、実際の内容とは異なる可能性があります。
正確な情報は、必ず Google Cloud や Datadog の公式ドキュメントを参照してください。