はじめに
こんにちは、京セラコミュニケーションシステム 西田(@kccs_hiromi-nishida)です。
私のQiita初投稿で思い出深いこの記事・・。
2023年7月にBigQueryの料金体系が改定されるので、これは後続記事を書かなければ!
というわけで、今回は新料金体系の解説をしたいと思います。
本記事は2023年6月ごろに作成しております。よって、引用している文章などはこの時点での最新となります。ご了承ください。
この記事の対象者
- BigQueryの新料金体系について知りたい方
- 旧料金体系とどこが違うのかを知りたい方
いつからどう変わる?
2023年7月5日 より、以下の変更が行われます。
-
ストレージ料金
・圧縮後のデータサイズに応じた課金への変更 -
分析料金 - オンデマンド分析
・25%の値上げ -
分析料金 - 定額料金
・年間定額、月次定額、Flex Slotsの販売終了
・既存の定額制、Flex SlotsのスロットをBigQuery Editionsへ移行
※年間契約の場合は、契約満了日に移行
※移行日までに移行先プランを選択しなかった場合、BigQuery Editions Enterpriseに移行
詳細は以下公式サイトをご確認ください。
変更内容をもう少し詳しく!
変更内容の概要は先述した通りですが、もう少し掘り下げてストレージ料金・分析料金の変更内容を紹介します。
ストレージ料金
ストレージ料金に関しては、以下のような違いがあります。
※料金は東京(asia-northeast1)の料金例となります。
新料金体系 | 旧料金体系 | |
---|---|---|
料金基準 | 圧縮状態のデータ量 | 非圧縮状態のデータ量 |
料金 | アクティブストレージ:0.052ドル/GB 長期保存:0.026ドル/GB |
アクティブストレージ:0.023ドル/GB 長期保存:0.016ドル/GB |
無料枠 | 毎月 10 GB まで無料 | 毎月 10 GB まで無料 |
パッと見たら、新料金体系の方が高い!と思うのですが、新料金体系では圧縮状態のデータ量に対して料金が発生するので、旧料金体系よりもストレージ料金の削減が期待できそうです。
圧縮率はデータによって変化しますが、Google Cloudの発表によると12分の1の圧縮率を達成したケース1もあるとのこと!
分析料金
分析料金は従来、オンデマンド分析と定額料金の2つの料金モデルがありましたが、このうち定額料金が廃止され、BigQuery Editionsという料金体系がリリースされます。
オンデマンド分析
オンデマンド分析の変更点は、25%の値上げが実施されるという点です。
すべてのリージョンが対象となります。
オンデマンド分析には無料枠が1TB/月あるため、スキャンするデータ量が無料枠を超えない場合は、引き続きオンデマンド分析を利用すれば問題ないかと思います。
無料枠を超える場合は、BigQuery Editionsへの移行を検討してみましょう。
BigQuery Editions
従来の定額料金に替わる新たな料金体系がBigQuery Editionsです。
BigQuery Editionsは定額料金と同じくスロット単位での課金となり、料金の異なる3つのエディションから成ります。
- Standard
- 標準的なSQL分析のための低コストオプション
- Enterprise
- 高度なエンタープライズアナリティクスをサポート
- Enterprise Plus
- ミッションクリティカルなエンタープライズアナリティクスをサポート
まずは料金を比較してみましょう。
Standard | Enterprise | Enterprise Plus | |
---|---|---|---|
料金 | $0.051/slot/1時間 | $0.0765/slot/1時間 | $0.1275/slot/1時間 |
1年契約 | なし | $0.0612/slot/1時間 ※20%割引 |
$0.102/slot/1時間 ※20%割引 |
3年契約 | なし | $0.0459/slot/1時間 ※40%割引 |
$0.0765/slot/1時間 ※40%割引 |
最新情報は必ず公式ドキュメントをチェックしてください。
※記事作成時点(2023/6)で、日本語のドキュメントは古い情報のままなので、英語の公式ドキュメントのリンクを紹介しています。
次に使える機能を比較してみます。
Standard | Enterprise | Enterprise Plus | |
---|---|---|---|
SLA | 99.9% | 99.99% | 99.99% |
スロット上限 | 最大1600スロット | 制限なし | 制限なし |
提供機能 | ・自動スケーリング ・Google管理が管理する暗号鍵 |
Standard機能+ ・BI Engine ・BigQuery ML ・VPC Service Controls ・行レベルのセキュリティ ・列レベルのアクセス制御 ・動的データのマスキング |
Enterprise機能+ ・顧客管理の暗号鍵(CMEK) ・Assured Workloads |
より詳細な機能比較に関しては公式ドキュメントをご確認ください。
まとめ
2023年7月5日に改訂されるBigQueryの新料金体系について、ざっくり紹介しました。
オンデマンド分析のみ使用されている方は今回影響はあまり受けない(25%の値上がりはありますが、無料枠が1TBあるので)と思われます。
定額料金を使用されている方はどのBigQuery Editionsのプランを使用するのかによって料金もですが、使用できるBigQueryの機能自体も変わってきます。
公式ドキュメントを参照しながら、移行先のBigQuery Editionsのプランを決定する必要があると言えます。
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Google Cloud公式ブログの[データストレージのコストを削減]に記載 ↩