こんにちは、京セラコミュニケーションシステム 石関 (@kccs_daisuke-ishizeki)です。
2024/3 Cloud Storage の削除(復元可能)(Soft Delete)機能がリリースされました。
すべての既存および新規のバケットでこの機能が自動的に有効化されます。
記事執筆時点で本機能はプロモーション期間中のため無償となっていますが、2024/8/31 でプロモーション期間が終わり 2024/9/1 から課金が発生します。
当該機能が不要でコストを発生させたくない場合、2024/8/25までに無効化する必要があります。
リマインドも含め簡単に記事にしてみます。
あと個人的に削除(復元可能)
の表現が頭に入ってこないので英語ドキュメントに倣ってSoft Delete
とこの記事では併記します。
Cloud Storage の削除(復元可能)(Soft Delete)機能とは
オブジェクトの削除や上書きから指定期間は保持し必要に応じて復元を可能とする機能です。
「オブジェクトが削除されるとごみ箱に一定期間入り、その後削除される。誤って削除してしまった場合でも期間内であれば復元できる!」とイメージいただければ良いと思います。
デフォルトでは7日間に設定され、最大は90日間、最小は7日間です。
削除済みオブジェクトは、指定した削除(復元可能)の保持期間が経過すると完全に削除されます。
削除(復元可能)(Soft Delete)の料金
料金を簡単にまとめてみました。
- 復元可能な指定期間のストレージ料金がかかる
(ごみ箱に入ってる間ストレージ料金が課金される) - ストレージ料金とはオブジェクト削除時のストレージSKUが基準
- 例:
Standard Storage Tokyo (1845-1496-2891)
- 例:
- 2024/3 のリリースから 2024/8/31 までのプロモーション期間のため料金は発生しない
- 2024/9/1 から課金が開始される
金額感
金額感をつかむためざっくり試算してみます。
目安として、東京リージョンの Standard ストレージで 0.023USドル(1GB / 1month) です。
Standard Storage Tokyo(1845-1496-2891) 0.023 USD per 1 gibibyte month
その他前提条件
- 1ヶ月は730Hとします
- バケットのトータルサイズ: 1,000 GiB
- 為替レート: 157円/$
試算その1: バケットの1%(10GiB)を削除
デフォルトの場合7日間(24×7=168H)オブジェクトが保持されるので、当該機能によるコストは以下になります。
$0.023 × 10GiB / 730H × 168H = $0.052932
$0.052932 × ¥157 = ¥8.31
日本円にして約 8 円 が追加でかかるコストになります。
試算その2: オブジェクトが短時間で削除されるような使い方の場合
オブジェクトが短時間(下記の例では24時間)で削除されるような使い方の場合、もともと想定していた金額に加え、デフォルト保持期間分のストレージ料金が追加になります。
1,000GiBを24時間保管し、削除した場合
$0.023 × 1,000GiB / 730H × 24H = $0.756164
$0.756164 × ¥157 = ¥118.72
デフォルト保持期間による追加コスト
$0.023 × 1,000GiB / 730H × 168H = $5.29315
$5.29315 × ¥157 = ¥831.03
1,000GiBの場合、上記の金額ですんでいますが、規模が大きくなると影響もでてきそうです。
ユースケースや要件に応じて削除(復元可能)(Soft Delete)を無効にすることも検討した方が良いかと思います。
まとめ
削除(復元可能)(Soft Delete)は偶発的・悪意的なデータ削除から保護するのに非常に役立つ機能です。
一方ユースケースによっては想定していないコストが発生しうりますので、プロモーション期間中に設定を見直しはいかがでしょうか。
また、複数のバケットに対して一括で無効にする機能がリリースされましたので合わせてご参照ください。
参考ドキュメント