はじめに.
latexdiff は二つのTeXのソースコードを比較する際に便利なコマンドです.たとえば,before.tex に見つけたスペルミスを訂正して after.tex に保存したとします.latexdiff を使うと次のように,二つのファイルのどこが異なるのかがひと目で確認できます.
[latexdiff の標準的な出力]
ところが,訂正後のみを強調させるだけでよく,訂正前の記載が邪魔になることがしばしばあります.つまり,以下のように出力したくなるわけです.
[理想的な出力]
ここではこの方法を記載します.
方法.
ここでは以下の before.tex を訂正し,after.tex として保存した場合を考えます.
before.tex
\documentclass{jlreq}
\begin{document}
以下の文章を訂正します.\\
hallo warld ? \\
こんにちわ世界.
\end{document}
after.tex
\documentclass{jlreq}
\begin{document}
以下の文章を訂正します.\\
hello world ? \\
こんにちわ世界.
\end{document}
latexdiff を使い,diff.tex を生成します.
bash
$ latexdiff before.tex after.tex > diff.tex
diff.tex を vi 等のテキストエディタで開き,プリアンプルにある次の二行を書き換えます.
diff.tex(変更前)
(前略)
\providecommand{\DIFadd}[1]{{\protect\color{blue}\uwave{#1}}}
\providecommand{\DIFdel}[1]{{\protect\color{red}\sout{#1}}}
(後略)
diff.tex(変更後)
(前略)
\providecommand{\DIFadd}[1]{{\protect\color{red}#1}}
\providecommand{\DIFdel}[1]{{}}
(後略)
最後に,diff.tex をLuaLaTeXなどの適切なエンジンでコンパイルします.すると,上記 [理想的な出力] が出力されたdiff.pdf が得られます.