はじめに
Claude Codeを使い始めると、最初は「1つのアプリを速く作れる」ことに驚きます。
でも、さらに効くのは 「作る工程そのもの」をClaude Codeに覚えさせて、2本目、3本目と同じ品質で回すこと です。
この記事では、地域情報ブログや小さなWebアプリを横展開してきた中で固まった、量産のためのノウハウをまとめます。
全体像
① テンプレートリポジトリ(雛形)
↓
② CLAUDE.md(ルール・設計方針)
↓
③ カスタムコマンド / Skills(定型作業の手順書)
↓
④ git worktree で並列開発
↓
⑤ ヘッドレス実行(claude -p)でバッチ化
↓
⑥ 人間がレビュー → 公開
ポイントは 「Claudeにどう頼むか」を毎回考えない ことです。指示は全部ファイルに書いておきます。
1. テンプレートリポジトリを1つだけ丁寧に作る
量産の品質は、1本目の雛形でほぼ決まります。
site-template/
├── CLAUDE.md
├── .claude/
│ ├── commands/
│ │ ├── new-article.md
│ │ └── new-site.md
│ └── agents/
│ └── reviewer.md
├── src/
├── content/
│ └── _sample.md
└── package.json
- デザイン・ビルド・デプロイ設定は雛形で固定する
- サイトごとに変わるのは
content/と設定ファイルだけにする - 「サンプル記事」を1本入れておくと、Claudeがそれを手本にしてくれる
2. CLAUDE.mdに「暗黙知」を全部書く
Claude Codeはプロジェクト直下の CLAUDE.md を毎回読みます。人に引き継ぐつもりで書くのがコツです。
# プロジェクト方針
## 目的
〇〇エリアの地域情報ブログ。読者は観光客と地元在住者。
## 記事ルール
- 1記事 2,000〜3,000字、見出しはH2/H3まで
- 店舗情報は必ず公式サイトで確認し、出典URLを記事末尾に記載
- 営業時間・価格など変わりやすい情報には「〇年〇月時点」と書く
- 推測で事実を書かない。不明な点は TODO コメントを残す
## 技術ルール
- 新しい依存パッケージを追加する前に確認すること
- ビルドが通ることを確認してから完了報告すること
- コマンド: `npm run build`
「やってはいけないこと」と「完了の定義」 を書いておくと、手戻りが目に見えて減ります。
3. 定型作業はカスタムスラッシュコマンドにする
.claude/commands/ にMarkdownを置くと、/new-article のように呼べるようになります。
<!-- .claude/commands/new-article.md -->
次のテーマで記事を1本作成してください: $ARGUMENTS
手順:
1. content/_sample.md の構成とトーンを参考にする
2. WebSearchで一次情報(公式サイト)を確認する
3. content/ に slug 名でファイルを作成する
4. npm run build でビルドが通ることを確認する
5. 確認できなかった事実を一覧にして報告する
使い方:
/new-article 恵比寿駅周辺の深夜まで開いているカフェ
手順が固定されるので、何本書いても品質がブレにくくなります。
4. レビュー専用のサブエージェントを置く
書く役とチェックする役を分けると、品質が安定します。
<!-- .claude/agents/reviewer.md -->
---
name: reviewer
description: 記事やコードを公開前にチェックするレビュアー
---
あなたは編集者です。以下を確認し、問題点だけを箇条書きで返してください。
- 事実関係に出典があるか
- 他記事と内容が重複していないか
- 誤字脱字、不自然な日本語
- リンク切れ
5. git worktreeで並列に作る
サイトや機能ごとにworktreeを切れば、複数のClaude Codeセッションを同時に走らせても衝突しません。
git worktree add ../site-ebisu -b site/ebisu
git worktree add ../site-harajuku -b site/harajuku
それぞれのディレクトリで claude を起動し、別々の作業を進めます。
6. ヘッドレスモードでバッチ化する
claude -p を使うと、対話なしでタスクを実行できます。
#!/bin/bash
# topics.txt の各行を1記事として生成
while read -r topic; do
claude -p "/new-article ${topic}" \
--allowedTools "Read,Write,Edit,WebSearch,Bash(npm run build)"
done < topics.txt
⚠️
--allowedToolsで使えるツールを絞っておくのがおすすめです。何でも許可した状態で無人実行するのは避けましょう。
7. 量産で失敗しないための注意点
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| 似た記事ばかりになる | テーマ一覧を先に作り、重複チェックをレビュアーに任せる |
| 事実誤認 | 出典必須ルール+確認できなかった項目の報告を義務化 |
| 検索エンジンに評価されない | 独自の体験・写真・一次情報を人間が足す |
| 雛形の修正が全サイトに反映されない | 共通部分をパッケージ化 or テンプレートから定期的に取り込む |
量産=手抜きではありません。 AIが下書きと定型作業を受け持ち、人間は「取材・判断・最終チェック」に時間を使う。この役割分担が一番効きます。
まとめ
- 1本目は時間をかけて 雛形とCLAUDE.md を作る
- 定型作業は スラッシュコマンド / サブエージェント に落とす
- worktree で並列、claude -p でバッチ
- 公開前の 人間のレビュー は省略しない
「アプリを作る」から「アプリを作る仕組みを作る」へ。これがClaude Codeで量産するときの一番のコツです。
