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MSX用64 KB ROMカートリッジを作製する話

Last updated at Posted at 2025-12-11

はじめに

MSX用自作カートリッジとして、32 KB ROMカートリッジの作製例はたくさんありますが、64 KB ROMカートリッジの作製例は限られています。
MSXMakersの公開している64 KB ROMカートリッジでは、32 KBのROMイメージ2種類、16 KBのROMイメージ4種類を書き込んで、DIPスイッチを切り替えることにより、それぞれのROMイメージを動作することが可能です。

また、ROMイメージの書き込みのために、カートリッジとROMライターのアダプタが用意されているので、ICチップを取り外さなくても、ROMの書き換えが可能です。
本記事では、カートリッジを作成し、64 KBのROMイメージを動作させた例を紹介します。

少数のスルーホール型部品を半田つけ

基板作成に必要なガーバーデータはGithubで公開されています。

組み立て方法および利用方法は、MSXMakersのページに詳しく説明されています。

カートリッジ基板に搭載する部品は、LEDとLED制御用抵抗、セラミックコンデンサ、電解コンデンサ、12系統のDIPスイッチ、28ピンのICソケットです。

また、書き込み用アダプタに搭載する部品は、50ピンのカートリッジソケットと細い丸ピンのピンヘッダです。
ピンヘッダのピンが細くないと、ROMライタのゼロプレッシャーソケットとの接触が悪くなり、書き込みに失敗するようです。

詳細は、MSXMakersのページを参照してください。

作製したカートリッジと書き込み用アダプタ

カートリッジの前面の写真を示します。
IMG_09922.jpeg

ROMを直接はんだ付けしてもいいのですが、ICチップの置き換えが可能なようにソケットを使っています。

カートリッジ裏面です。
IMG_09932.jpeg
ピンが細いので、はんだ付けが比較的簡単です。

アダプタの上面です。
IMG_09942.jpeg
MSX用カートリッジのスロットを搭載しています。

アダプタの下面です。
IMG_09952.jpeg
ROMライタとの接触に配慮して、丸ピンになっています。

64 KBのROMイメージの書き込み

64 KBのROMイメージの書き込みでは、複数のDIPスイッチをONに設定します。
ONにするスイッチは、基板にも印刷されており、
P1->A15
RD
P27->A14
で、残りのスイッチはOFFにします。

ROMライタで搭載しているEEPROMの型番を選んで書き込みを行います。

カートリッジ使用時に、すべてのDIPスイッチをOFFに設定する必要はありません。

ROMカートリッジの起動

64 KBのROMイメージにfuzix.cartを書き込みました。
fuzix.cartはMSXで動作するUNIX風OSのローダーとカーネル部分を含んでいます。

rootfs部分を含むカートリッジを搭載していないので、動作途中で停止します。

おわりに

64 KB Linear ROMに対応したカートリッジを作成しました。

また、32 KBのROMイメージ2種類、16 KBのROMイメージ4種類を書き込んで利用することも可能です。
搭載したいROMイメージを準備し、Windowsで動作するツールを使って、このカートリッジに対応する64 KBのファイルに変換します。
ファイル変換用ツールは、MSXの同人カートリッジを作成している「RBSCグループ」が64 KB未満のROMイメージの変換ツールを公開していますので、こちらを使用します。

SGC_ImageCreator.exe」がWindows用のファイルです。

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