はじめに
公開されている基板のガーバーデータをアップロードすることで、様々な、コンピュータ用周辺機器を作製できるようになりました。
特に、基板1枚当たりの値段が百円程度になると、気になったプロジェクトの再現をどんどん試したくなります。
結果として、はんだ付けをある程度正確にできるようになると、様々な電子機器を作製することが可能にあります。
かずえだの場合、基板制作料と送料を考慮して、JLCPCBを利用しています。
2024年は9種類の基板の注文でしたが、2025年に作成した基板は、倍の18種類でした。
手元に届く枚数は、各5枚ずつですので、90枚届きました。
各種類1枚しか使っていないので、72枚は保存されています。
他の方と基板交換できたらいいな。
さて、以下に、どのような基板を作製したか紹介します。
セガサターンのコントローラポートに接続するSDカードアダプタ
このSDカードアダプタをSDLoaderというソフトと組み合わせて使うと、本体内のゲームのセーブデータの読み書きができます。また、自作のプログラムをSDカードから起動可能です。
SDLoaderは、起動用プログラムをCD-RやActionReplayカートリッジに書き込んで起動します。
JLPCBワークショップの名札
公開されている基板データを活用しているのですが、いつかは、自分でも基板を作成したいとワークショップに参加しました。
ワークショップではマイクロコントローラでLEDを制御できるネームカードを作成しました。
初めて作製した基板がカラー基板というところも、21世紀を感じます。
Arduino CNC ミニプロッタ用モータードライバ基板
プロッタのX軸、Y軸、Z軸を制御するステッピングモーター用ドライバICを一つの基板に搭載可能です。

通信販売で購入したサーボーモータとドライバIC基板のセットからICを取り外して、搭載しています。
展示の時に配線がまとまるので、重宝しています。
ちくわ帝国製Slot 1-2-3の本体基板
MSX1のCasioのPV-16にはカートリッジスロットが1つしかありません。Casio製のスロット拡張機の中古が存在するのですが、結構な値段です。
そんな時ちくわ帝国さんがカートリッジスロットを3つに増やす拡張機を公開されたので早速作製しました。
2枚構成のうち、こちらは、カートリッジを差し込む側です。

ちくわ帝国製Slot 1-2-3のスロット挿入用基板
こちらの基板は、本体のカートリッジスロットに挿入する側の基板です。

二つの基板はL字のピンソケットで接続します。
MSXMakers製ROMカートリッジ
MSXのROMカートリッジには最大32 KBのROMを搭載したものが多いですが、こちらは、64 KBのROMを搭載した基板です。

DIPスイッチがついていて、16 KBのプログラム4個や32 KBのプログラム2個を書き込んでいても、このDIPスイッチの設定変更で、起動したいプログラムを起動可能のとなります。
Githubのページにガーバーデータがあり、MSXMakersのホームページのスペイン語解説を読みながら組み立て、データ書き込み、設定を行います。
MSXMakers製MSX用64 KB ROMカートリッジ用ROMライターアダプタ
MSXMakers製MSX用64 KB ROMカートリッジには、ROMのICを外さずにROMライターに接続して書き込めるアダプタが存在します。

組み立て時の注意点として、ピンヘッダに細い丸ピンのピンヘッダを使います。断面が正方形のピンヘッダだと、接触不良でICの認識に失敗します。
kuninetさん製PC-8001用 SDカード、8k SRAM、RTCボード
PC-8001を使ったプロジェクトを動かそうと情報収集を行っています。
カセットテープレコーダーをエミュレートして、プログラムのロードをしてもいいのですが、ランダムアクセスできるメディアを使った事例を探していました。

その時に、kuninetさんが、PC-8001用 SDカード、8k SRAM、RTCボードを公開されているのを知りました。
基板は作ったのですが、先行プロジェクトが収まらないので、積み基板のままです。
セガ SG-10000互換機Soggy-1000
8ビットCPUのマシンとして、MSXの情報が豊富なので、MSX上のプロジェクトを動かしています。
MSXと構成の似たゲーム機にSG-1000があります。
SG-1000本体の入手が困難な状況下、互換機を作製するプロジェクトを見つけました。

SOGGY-1000では、基板上のROMからソフトを起動できるだけでなく、バンクRAMも搭載しています。キーボードインターフェースが、SK-1100用とこれまた入手の困難なキーボードようなので、MCUを使って、キーボードエミュレータを作る必要があります。
表面実装部品をつけるところまで進みました。
MSXgoauld v4.1基板
MSXgoauldは、MSX1マシンのZ80CPUのソケットに取り付けることで、MSX1マシンをMSX2マシンにアップグレードする基板です。

FPGA部分にはTang Nano 20Kを使い、基板は本体との通信のタイミングをつかさどる部品を搭載しています。
省スペースを優先して、表面実装のv4.1を組み立てましたが、MSX1本体で認識しませんでした。
時間ができたら、修復して利用できればと考えています。
MSXMakers製MSX用IDEインターフェース
MSXMakersでは、MSXの機能を拡張する基板を複数公開していて、これは、MSX用のIDEインターフェースです。
特に、汎用性の高いSunrise IDEと同等の動作をするため、既存のプログラムの活用が容易です。

搭載IC等々の入手が大変ですが、SunriseIDEに対応するプログラムは、問題なく動作します。
MSX本体の数だけ、組み立ててしまいます。
https://github.com/capsule5000/MSX_IDE_Clon_SUNRISE
以下の説明は古いバージョンの基板のものですが、組み立ての参考になります。
https://msxmakers.design.blog/proyectos/proyectos-msx/interfaz-msx-ide/
kuninetさん製PC-8001用増設RAMボード
PC-8001で、64 KBのRAMが使用できるだけでなく、バンク切り替えにも対応しています。

こちらも、先のボードと同様、PC-8001を使ったプロジェクト用に作成しました。
解説記事はこちらです。
https://kuninet.org/2021/04/12/pc-8001%e7%94%a8-128k%e3%83%90%e3%82%a4%e3%83%88%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%89-%e3%83%97%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%83%88%e5%9f%ba%e6%9d%bf%e5%8c%96/
ガーバーデータは
https://github.com/kuninet/PC8001-MEM/releases/tag/1.0
yanataka60さん製PC-8001にSD-CARDからCMT形式ファイルのロード、セーブ機能を実現するボード
SDカードに保存したCMT形式のファイルを選択して、ロードできるボードです。

PC-8001用プロジェクト用に組み立てました。
MSXgoauldスルーホール部品用基板
MSXgoauldの表面実装基板の作製に失敗したので、スルーホール基板を使うことにしました。

基板サイズが大きくなるので、内蔵できるか心配でしたが、周辺のコンデンサ類の足を折り曲げることで、設置できました。
こちらの基板を使って、MSX1をMSX2として動作させることができました。
Kuninetさん製Z80CPUボード基板
本体基板のチップが見える自作MSX1を使うと、MSXgoauldの説明がしやすいので、自作MSX1を探していました。
日本語情報で発信されているものに、「KZ80基板たちで偽MSX1」があります。
https://kuninet.org/2024/04/28/kz80%e5%9f%ba%e6%9d%bf%e3%81%9f%e3%81%a1%e3%81%a7%e5%81%bdmsx1/
こちらで公開されている「KZ80-CPUB REV3 (Z80 CPUボード)」を作製しました。

この記事を書いていて気づきましたが、MSX1として動作させる場合、水晶振動子の周波数は3.579545 MHzにするとの注意がありました。
kuninetさんMSXカートリッジボード基板
「KZ80基板たちで偽MSX1」内の2番目に作成した基板です。
カートリッジスロットが2個あります。

MSX用WonderTang
WonderTangは、FPGAのTang Nano 20Kを搭載することで、以下の機能を実現するカートリッジです。
MicroSD Nextor 2.1 Drive
FM OPLL + MSX Music ROM
2MB Super Mega RAM SCC+
4MB Memory Mapper
Sega Master System VDP + PSG to allow running SMS roms from SofaRun (Franky HDMI)

基板の組み立ては簡単に進められますが、fsファイルを書き込むと、JTAGの設定を書き換えてしまうので、fsファイルの書き込みに失敗します。
この点は、注意が必要です。
MSXとRaspberry pi zeroとを通信させるMSXPi
レトロマシンの世界には、レトロマシンが苦手なことを、最近のボードに担当させる周辺機器があります。
MSXPiは、Raspberry pi zero wを搭載したカートリッジで、MSXがRaspberry piを介して、データのやり取りが可能です。

各種コマンドの使用方法が、Hackaday.ioに掲載されています。
https://hackaday.io/project/26224/instructions
Raspberry pi zeroでファイルを更新し、そのファイルをMSXから利用するような使い方をします。
おまけ セガサターン通信ポート用コネクタ
3Dプリンタサービスで、作製しました。
白色のフィラメントを選択しました。
細部までしっかり印刷されていました。

実際の使用には、Molex KK 2759 のピンに配線して、目的の端子の位置にこのピンを差し込む工作が必要です。
おわりに
振り返ってみると、Z80CPU向けの基板が大半を占めています。
特に、後半のMSX関連の基板の多いこと。
2026年は自分で設計した基板を作ってみようと思います。

