能書き
私的サーバー構築日誌:仕切り直しからの自宅サーバー構築の続き。
目標
私の憧れだった Intel NUC の最新マシン NUC13ANHI5000 に、Ubuntu 22.04 をインストールしてサーバーマシンに仕立てます。
ストレージの暗号化はしない方針です。家庭用なので。
参考文献
- 自宅サーバー構築譚:Ubuntu 22.04 LTS on ZFS in デスクトップパソコン(BIOS,MBR)・その2
- 自宅サーバー構築譚:Xubuntu 22.04 LTS on ZFS in Hyper-V(第2世代)
インストール環境の整備
デスクトップインストーラーを起動しsshの環境整備
サーバーをインストールする場合でもデスクトップ版のisoを使用します。2023/08/15の最新版は22.04.3のようですな。これをUbuntuのサイトからダウンロードして、USBメモリに焼きます。
私は普段使いのWin10マシンでRufusというツールを使いましたが、ここはお好みでどうぞ。
このUSBメモリをインストール対象マシンに挿入して、ここから起動。
GUI インストーラーが立ち上がって Welcome という画面が表示されたら、 TAB キーを押して Try Ubuntu ボタンにフォーカスを移動して(ボタンにオレンジの枠がつきます) Enter キーを押します。
ウィンドウ環境に切り替わったらターミナルを起動しますが、マウスが繋がっていない場合はショートカットキー Ctrl+Alt+T でどうぞ。
主な作業はsshで接続して行いたいので、そのように準備します。sshで接続するのはコマンドをコピペできるから。私もやってみてわかりました。これ良いですな。
ターミナルで下記のコマンドを実行。
sudo apt update
OpenSSHサーバーと、フルのvimをインストール。
sudo apt install -y openssh-server vim
ssh接続用にユーザー ubuntu のパスワードを設定。
passwd
ssh接続先のIPアドレスを確認します。
ip a
別のマシンから対象のサーバーに ssh してインストール作業を続行
ssh はほとんどのOSで利用可能でしょう。Windows10でもコマンドプロンプトからsshコマンドを実行できます。
ssh ubuntu@接続先のIPアドレス
インストール作業を同じマシンでやり直してたりすると、ここでエラーが出る事があります。そんな時には .ssh\known_hosts
を削除してから、sshコマンドを実行します。
del %USERPROFILE%\.ssh\known_hosts
rootユーザーになります。
sudo -i
debootstrapとZFSを Live CD 環境にインストールします。
apt install -y debootstrap zfsutils-linux
systemctl stop zed
ディスクのフォーマット
起動用のUSBメモリを挿します。ここにブートローダを仕込んで常時付けっ放しにしておく予定。
そのUSBメモリを含めたフォーマット対象ディスクを確認します。
lsblk
今回は下記のように表示されます。
# lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
loop0 7:0 0 3G 1 loop /rofs
loop1 7:1 0 4K 1 loop /snap/bare/5
loop2 7:2 0 63.4M 1 loop /snap/core20/1974
loop3 7:3 0 237.2M 1 loop /snap/firefox/2987
loop4 7:4 0 73.9M 1 loop /snap/core22/858
loop5 7:5 0 349.7M 1 loop /snap/gnome-3-38-2004/143
loop6 7:6 0 485.5M 1 loop /snap/gnome-42-2204/120
loop7 7:7 0 91.7M 1 loop /snap/gtk-common-themes/1535
loop8 7:8 0 53.3M 1 loop /snap/snapd/19457
loop9 7:9 0 452K 1 loop /snap/snapd-desktop-integration/83
loop10 7:10 0 12.3M 1 loop /snap/snap-store/959
sda 8:0 1 58.2G 0 disk
└─sda1 8:1 1 58.2G 0 part /cdrom
sdb 8:16 1 7.5G 0 disk
nvme0n1 259:0 0 1.9T 0 disk
loop0
~loop10
はインストーラによる設定でしょうか。
sda
が今回のUbuntuインストーラでしょう。
sdb
はブートローダを仕込む為のUSBメモリです。
nvme0n1
は内蔵させたSSDと思われます。
ディスクの指定にはIDを使います。
ls -l /dev/disk/by-id
これを変数に設定するのがubuntu流らしいですが、ここは私の流儀で取得する事にします。
BOOTDISK=$(cd /dev/disk/by-id; ls nvme-* usb-* | while read d; do if [ "$(readlink -f $d)" = "/dev/sdb" ]; then echo "/dev/disk/by-id/$d"; fi; done)
SSDは何故か2つ登録されているので、片方のみ選択します。
DISK=$(cd /dev/disk/by-id; ls nvme-* usb-* | while read d; do if [ "$(readlink -f $d)" = "/dev/nvme0n1" ]; then echo "/dev/disk/by-id/$d"; fi; done | tail -n1)
スワップパーティションが使用されていない事を確認します。
swapoff --all
ブート用USBメモリのパーティションを全削除します。
wipefs -a $BOOTDISK
ブート用USBメモリにパーティションを作成。GPTにします。
まずはパーティションテーブルをクリアします。
sgdisk --zap-all $BOOTDISK
ブートローダー パーティションを作成します。
sgdisk -n1:1M:+512M -t1:EF00 $BOOTDISK
ブートプールパーティションを作成します。以前領域不足になった事があるので、十分多目に確保しておきます。
sgdisk -n2:0:+4G -t2:BE00 $BOOTDISK
残りを確保しておきます。
sgdisk -n3:0:0 -t3:8300 $BOOTDISK
設定を確認するコマンドは下記になります。
sgdisk -p $BOOTDISK
$DISK
はパーティションに分けません。
wipefs -a $DISK
スワップについて。
参考文献によると、zvolにスワップを置くとデッドロックの危険性があるので非推奨だそうです。バグレポートが上がっているらしい。
更に今回はSSDです。ここにスワップ領域を確保するのは危険です。SSDの場合は書き込み回数の上限が結構少ないとの事なので。
と言う訳でスワップは無効にします。本当は有効にした方が、Linuxメモリ管理の都合上、良いらしいですが。諦めます。
いよいよzfsフォーマットします。ここが今回最大のコピペポイント!これをコピペする為にssh経由で接続していると言っても過言ではありません。
因みにこのzpool名はbpool
固定らしい。変更したい場合はupdate-grub
後に/etc/grub.d/10_linux_zfs
を修正すればいいらしいのですが、試していません。
※なおインストール2回目以降でエラーが出る際には、コマンドの末尾かどこかに -f
オプションを付加します。
zpool create \
-o ashift=12 \
-o autotrim=on \
-o cachefile=/etc/zfs/zpool.cache \
-o compatibility=grub2 \
-o feature@livelist=enabled \
-o feature@zpool_checkpoint=enabled \
-O devices=off \
-O acltype=posixacl -O xattr=sa \
-O compression=lz4 \
-O normalization=formD \
-O relatime=on \
-O canmount=off -O mountpoint=/boot -R /mnt \
bpool ${BOOTDISK}-part2
エラー「not in specified 'compatibility' feature set.」(指定された「互換性」機能セットにない)は無視します。
そして内蔵SSDもzfsフォーマットします。
こちらのzpool名は何でも良いそうです。zfsの伝統に則ってtank
にしてみました。
zpool create \
-o ashift=12 \
-o autotrim=on \
-O acltype=posixacl \
-O xattr=sa -O dnodesize=auto \
-O compression=lz4 \
-O normalization=formD \
-O relatime=on \
-O canmount=off -O mountpoint=/ -R /mnt \
tank ${DISK}
作成したプール一覧の確認は下記。このコマンドはコピペではなくて zpool list
zpool status
と手打ちでお願いします。別に良いよねこの位は。
# zpool list
NAME SIZE ALLOC FREE CKPOINT EXPANDSZ FRAG CAP DEDUP HEALTH ALTROOT
bpool 480M 612K 479M - - 0% 0% 1.00x ONLINE /mnt
tank 1.86T 416K 1.86T - - 0% 0% 1.00x ONLINE /mnt
# zpool status
pool: bpool
state: ONLINE
status: One or more features are enabled on the pool despite not being
requested by the 'compatibility' property.
action: Consider setting 'compatibility' to an appropriate value, or
adding needed features to the relevant file in
/etc/zfs/compatibility.d or /usr/share/zfs/compatibility.d.
config:
NAME STATE READ WRITE CKSUM
bpool ONLINE 0 0 0
usb-SanDisk__Cruzer_Fit_00006706073021110149-0:0-part2 ONLINE 0 0 0
errors: No known data errors
pool: tank
state: ONLINE
config:
NAME STATE READ WRITE CKSUM
tank ONLINE 0 0 0
nvme-SUNEAST_SE900NVG3_2048G_30096680360 ONLINE 0 0 0
errors: No known data errors
システムのインストール
ディレクトリ構造に合わせたデータセット作成
Linuxのディレクトリ構造については、大昔にちょっと調べただけで実はあんまり良く分かっていません。その為なるべく参考文献通りにしていたんですが、やたらめったら細かく分かれています。ハッキリ言って管理し切れません。そのため必要最小限にしました。
また、スナップショットを撮る時にこのパスを入力する事になります。その際、英大文字があるとキーボードを打ちづらくなります。その為ROOT
やBOOT
はroot
boot
と小文字にしてみました。
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=none tank/root
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=none bpool/boot
ルートおよびブート ファイル システムのファイル システム データセットを作成します。
参考文献はUUID(っぽいランダムな6文字)を付加したデータセット名にしていますが、これをやると後々とっても扱いづらくなります。ubuntu以外はインストールしないし、複数インストールもしない予定なので、UUIDは無しの方向にしました。
zfs create -o mountpoint=/ \
-o com.ubuntu.zsys:bootfs=yes \
-o com.ubuntu.zsys:last-used=$(date +%s) tank/root/ubuntu
zfs create -o mountpoint=/boot bpool/boot/ubuntu
最小限のデータセットを作成します。ここでもUSERDATA
は英小文字`userdata゛にしました。
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=/ tank/userdata
zfs create -o com.ubuntu.zsys:bootfs-datasets=tank/root/ubuntu \
-o canmount=on -o mountpoint=/root tank/userdata/root
chmod 700 /mnt/root
/run
に tmpfs をマウントします。
mkdir /mnt/run
mount -t tmpfs tmpfs /mnt/run
mkdir /mnt/run/lock
debootstrap
Ubuntu 22.04 LTS 通称 jammy をインストール。
debootstrap jammy /mnt
終わったら以下のコマンドを実行します。
mkdir /mnt/etc/zfs
cp /etc/zfs/zpool.cache /mnt/etc/zfs/
システム構成
マシン名
まずはホスト名を決めます。
hostname ホスト名
hostname >/mnt/etc/hostname
ネットワーク関連
以前の記事に基づいてIPアドレスを割り振ります。
IPADDR=172.16.1.2
hostsファイルを修正。
sed -i -e"/^127.0.0.1/a $IPADDR\t$(hostname)" /mnt/etc/hosts
ネットワークインターフェイス名を確認。どうやらenp86s0
のようですな。wlo1
は無線LANでしょう、今回は無視します。
# ip a
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host
valid_lft forever preferred_lft forever
2: enp86s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000
link/ether 48:21:0b:58:8d:a2 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 172.16.2.29/16 brd 172.16.255.255 scope global dynamic noprefixroute enp86s0
valid_lft 80956sec preferred_lft 80956sec
inet6 fe80::30c5:b1ed:5cb6:80f6/64 scope link noprefixroute
valid_lft forever preferred_lft forever
3: wlo1: <NO-CARRIER,BROADCAST,MULTICAST,UP> mtu 1500 qdisc noqueue state DOWN group default qlen 1000
link/ether b0:dc:ef:9e:7f:50 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
altname wlp0s20f3
netplan のネットワーク設定ファイル/mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml
を作成します。今回はIPv6は使わないようにするので下記のようにしてみました。
参考文献:固定IPアドレスの割当(IPv4、IPv6) - Netplanの使い方 - komeの備忘録
cat > /mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml <<___
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
enp86s0:
dhcp4: no
addresses: [$IPADDR/16]
gateway4: 172.16.2.1
nameservers:
addresses: [172.16.2.1]
___
パッケージソース
cat >/mnt/etc/apt/sources.list <<___
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy main restricted universe multiverse
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-updates main restricted universe multiverse
deb http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-backports main restricted universe multiverse
deb http://security.ubuntu.com/ubuntu jammy-security main restricted universe multiverse
___
chroot
Live CD 環境の仮想ファイルシステムをバインドマウントして、上記でセットアップした環境に chroot します( --bind
ではなく --rbind
を使っていることに注意)。
mount --make-private --rbind /dev /mnt/dev
mount --make-private --rbind /proc /mnt/proc
mount --make-private --rbind /sys /mnt/sys
chroot /mnt /usr/bin/env BOOTDISK=$BOOTDISK bash --login
chroot 環境内の apt のインデクスを更新します。
apt update
ロケール
en_US.UTF-8 と ja_JP.UTF-8 と、後は個人的な好みで。私は ja_JP.EUC-JP を入れます。
locale-gen --purge en_US.UTF-8 ja_JP.UTF-8 ja_JP.EUC-JP
エディタ
個人的な好みで vi です。
apt install -y vim
タイムゾーン
参考文献には書かれていませんが、タイムゾーンを設定します。
日本なら Asia/Tokyo です。
ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
dpkg-reconfigure -f noninteractive tzdata
EFI ファイルシステム
EFI ファイルシステムを作成します。
apt install -y dosfstools
mkdosfs -F 32 -s 1 -n EFI ${BOOTDISK}-part1
mkdir /boot/efi
echo /dev/disk/by-uuid/$(blkid -s UUID -o value ${BOOTDISK}-part1) /boot/efi vfat defaults 0 0 >> /etc/fstab
/etc/fstab
を設定したらすぐにmountしたい所ですが、連続して実行するとなぜかエラーが発生します。一瞬の間が必要なようです。理由は不明。
と言う訳で下記mountコマンドは分けておきます。
mount /boot/efi
/boot/grubを設定します。
mkdir /boot/efi/grub /boot/grub
echo /boot/efi/grub /boot/grub none defaults,bind 0 0 >> /etc/fstab
mount /boot/grub
カーネルイメージなど
Linux のカーネルイメージと ZFS を chroot 環境にインストールします。
apt install -y grub-efi-amd64 grub-efi-amd64-signed linux-image-generic shim-signed zfs-initramfs zsys
Windowsなど他のOSを入れる予定は無いので、os-proberを削除します。
apt purge -y os-prober
ここで下記のエラーが出ますが、これは無視して良さそうです。多分。
ERROR couldn't connect to zsys daemon: connection error: desc = "transport: Error while dialing dial unix /run/zsysd.sock: connect: no such file or directory"
rootパスワード
パスワードを設定します。
passwd
スワップ無し
スワップは諦めたので、該当手順は実施しません。
tmpfs
次回起動時に tmpfs を /tmp にマウントするようにします。
cp /usr/share/systemd/tmp.mount /etc/systemd/system/
systemctl enable tmp.mount
システムグループ
無くてもいいかなと思ったけれど、一応Ubuntuなので、念の為に作成しておきます。
addgroup --system lpadmin
addgroup --system lxd
addgroup --system sambashare
SSH
SSH をインストールします。
apt install -y openssh-server
ここでも下記のエラーが出ますな。無視。
ERROR couldn't connect to zsys daemon: connection error: desc = "transport: Error while dialing dial unix /run/zsysd.sock: connect: no such file or directory"
rootログインできるように設定。
sed -i -e"/^#PermitRootLogin /a PermitRootLogin yes" /etc/ssh/sshd_config
GRUB のインストール
ZFSの認識
ZFS のブートファイルシステムが認識されていることを確認します。zfs
と出力されれば OK です。
grub-probe /boot
initrd更新
initrdファイルを更新します。
update-initramfs -c -k all
設定ファイル
メモリのゼロ化を無効にします。
sed -i -e'/^GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=/s/"$/ init_on_alloc=0"/' /etc/default/grub
ブート構成を更新します。
update-grub
ブートローダーをインストール
UEFI 用に GRUB をインストールします。
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=ubuntu --recheck --no-floppy
ZFS のモジュールがインストールされていることを確認します。
ls /boot/grub/*/zfs.mod
grub-initrd-fallback.serviceを無効にします。
systemctl mask grub-initrd-fallback.service
ファイルシステムのマウント順序を修正
zfs-mount-generator
を有効にする必要があります。これによりsystemdは個別のマウントポイントを認識します。これは/var/log
や/var/tmp
などにとって重要です。また、rsyslog.service
はlocal-fs.target
を介してvar-log.mount
に依存し、systemdのPrivateTmp
機能を使用するサービスは自動的にAfter=var-tmp.mount
を使うようになります。
……との事。なるほど、わからん。
mkdir /etc/zfs/zfs-list.cache
touch /etc/zfs/zfs-list.cache/bpool
touch /etc/zfs/zfs-list.cache/tank
zed -F &
これらが空でない事をチェックして、キャッシュが更新された事を確認します。
空だった場合の対応は参考文献を参照。
cat /etc/zfs/zfs-list.cache/bpool
cat /etc/zfs/zfs-list.cache/tank
キャッシュにデータが含まれたらzed
を停止します。
fg
(Ctrl-C)
パス/mnt
を除去するように修正します。
sed -Ei "s|/mnt/?|/|" /etc/zfs/zfs-list.cache/*
chroot終了
chroot環境を終了して LiveCD 環境に戻ります。
exit
初回のブート
LiveCD 環境で次のコマンドを実行して、すべてのファイルシステムをアンマウントします。
mount | grep -v zfs | tac | awk '/\/mnt/ {print $3}' | xargs -n 1 -r umount -lf
zpool export -a
なぜかエラーが出ます。原因不明。仕方が無いので放置します。
root@ubuntu:~# zpool export -a
cannot export 'tank': pool is busy
そのままシャットダウン。
shutdown -h now
その後、インストールメディアを取り出して、それからマシンの電源を入れます。
grub
案の定、grubでエラーが出ます。
ここで慌てず騒がず、grubのプロンプトで普通にzpoolをimportします。
zpool import -f tank
exit
今度はちゃんと起動します。
rootログイン
SSHサーバを入れたのでssh
で接続できます。rootユーザーでパスワードを入力してログインします。
ssh root@172.16.1.2
日本語キーボード配列
サーバーのコンソールで記号を打ってみるとわかりますが、英語配列になっています。日本語配列に変更する手順は以下の参考文献を参照。バージョンは古いですが、画面キャプチャがあるのでわかりやすいです。
参考文献:Ubuntuでキーボードレイアウト変更 - Ragnite Blue
コマンドは下記。
dpkg-reconfigure keyboard-configuration
設定後、次のコマンドを打つ必要があるようです。
setupcon
ユーザーアカウントの作成
管理者を作成します。
username=管理者アカウント名
zfs create -o com.ubuntu.zsys:bootfs-datasets=tank/root/ubuntu -o canmount=on -o mountpoint=/home/$username tank/userdata/$username
adduser $username
cp -a /etc/skel/. /home/$username
chown -R $username:$username /home/$username
usermod -a -G adm,cdrom,dip,lpadmin,lxd,plugdev,sambashare,sudo $username
フルのソフトウェアインストール
ミニマムインストールをアップグレードします。
apt dist-upgrade -y
サーバ用としてコマンドライン環境のみをインストールします。
apt install -y ubuntu-standard
再起動して確認
reboot
サーバーコンソールでログインします。
そして色々確認。
- キーボードが日本の配列になっている事。アットマーク @ を打ってみて確認。
- ネットワ-クが有効になっている事。仮想環境など状況によってNICの名称が変わる事があり、その場合は上述の設定
/etc/netplan/01-network.yaml
のNIC名eth0
を変更する必要があります。
ネットワークに関しては、次のようなコマンドを試してみればわかります。
※ example.com はドメインの例示の際に使うべしとRFC2606で定められています。何か適当なサーバーを選んで下さい。
ping -c2 example.com
失敗した場合には、上述のネットワーク設定ファイル/mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml
を修正します。その為のNIC名取得は下記のコマンドで。
参考文献:Linux から認識されている、すべてのネットワークインターフェイス名だけを取得する - Qiita
for d in `find /sys/devices -name net | grep -v virtual`; do ls $d; done
手打ちのコマンドとしてはip a
の方が簡単ですが、上記のコマンドならNIC名だけを取り出せますので自動化が可能です。
root 無効化
引き続きサーバーコンソールで作業するか、あるいはssh接続。
そしてrootパスワードを無効にします。
usermod -p '*' root
rootでのSSHログインを無効にします。
sed -i -e"/^PermitRootLogin /s/yes/no/" /etc/ssh/sshd_config
一度ログアウトして、rootではログインできない事を確認します。
スナップショット
管理者としてログイン後、初回インストールのスナップショットを作成しておきます。こういう事をしたいが為にZFSを使うのです。
sudo zfs snapshot -r tank/root/ubuntu@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_install
スナップショットの一覧を表示して確認します。
zfs list -t snapshot
ただ、どうも、自動的にsnapshotを撮られているようです。apt-getのタイミングなんでしょうかね。自分で手動snapshotした分を表示するには下記コマンドが良さそうです。
zfs list -t snapshot | grep -v autozsys
仕舞い
これで最小限のUbuntuサーバーをZFSの上にセットアップできました。