この記事ではCStr関数の使い方と注意点について解説します。
他のよく使うVBA関数一覧はこちら。

CStr関数の使い方と注意点

CStr関数は、指定した値を文字列（String型）に変換する関数です。
数値・日付・論理値など、さまざまなデータ型を文字列として扱いたいときに使用します。

構文

CStr(式)

式 : 文字列に変換したい任意の値（数値、日付、ブール値など）
戻り値 : 指定された式を文字列に変換した結果（String型）

使用例

数値を文字列に変換

Sub Sample()
    Dim Myint As Integer
    Myint = 123
    Debug.Print TypeName(Myint)
    Debug.Print TypeName(CStr(Myint))
End Sub

▶ 出力結果

Integer
String

日付を文字列に変換

Sub Sample()
    Dim Mydatetime As Date
    Mydatetime = #2025/7/14 15:30:00#
    Debug.Print CStr(Mydatetime)
End Sub

▶ 出力結果

Date
String

論理値（Boolean）を文字列に変換

Sub Sample()
    Debug.Print TypeName(True)
    Debug.Print TypeName(CStr(True))
End Sub

▶ 出力結果

Boolean
String

通貨型（Currency）を文字列に変換

Sub Sample()
    Dim price As Currency
    price = 1980.5
    
    Debug.Print TypeName(price)
    Debug.Print TypeName(CStr(price))
End Sub

▶ 出力結果

Currency
String

⚠️注意

日付・時刻の出力形式は「システムの設定」に依存する

Sub Sample()
    Debug.Print CStr(#2025/12/31 13:45:00#)
End Sub

▶ 出力結果（Windowsの地域設定が「日本」の場合）

2025/12/31 13:45:00

表示形式を明示的に指定したい場合はFormat関数を使いましょう。

Sub Sample()
   Debug.Print Format(#12/31/2025 1:45:00 PM#, "yyyy年mm月dd日 hh時nn分ss秒")
End Sub

▶ 出力結果

2025年12月31日 13時45分00秒

EmptyやNullを渡すと空文字やエラーになる

Sub Sample()
   On Error Resume Next

   Debug.Print "Empty → [" & CStr(Empty) & "]"
   
   Debug.Print "Null → [" & CStr(Null) & "]"
   If Err.Number <> 0 Then Debug.Print "Null変換時のエラー：" & Err.Description
   
   On Error GoTo 0
End Sub

▶ 出力結果

Empty → []
Null変換時のエラー：Null の使い方が不正です。

上記ではエラー発生時にエラーを無視して次の処理を実行するよう記述していますが、
エラーを無視する記述が無い場合、エラー時に処理が止まってしまいます。
引数に渡す内容には注意しましょう。

オブジェクト型は変換できない（エラー）

Sub Sample()
   Dim obj As Object
   Set obj = CreateObject("Scripting.Dictionary")

   On Error Resume Next
   Debug.Print CStr(obj)
   If Err.Number <> 0 Then Debug.Print "オブジェクトは変換できません：" & Err.Description
   On Error GoTo 0
End Sub

▶ 出力結果

オブジェクトは変換できません：引数の数が一致していません。または不正なプロパティを指定しています。

関連するVBA関数

Str関数
Format関数
CInt関数
CDate関数

その他のVBA関数

【Excel VBA】VBAでよく使う関数一覧＆基本の使い方

参考リンク

データ型変換関数（Microsoft Learn）