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オブジェクト指向関係の(一部)書籍の時代感を把握する

Last updated at Posted at 2024-03-03

概要

技術書には、いわゆる名著というやつがあります。名著はいつ読み返してもいいものですが、読んでいるうちに少しは時代性を抑えたほうがいいのではという気持ちになってきました。ので、とりあえず手元のものを一覧にしてみました。

主に、プロセス本、パターン本を念頭に置いています。

年表

ざっと調べた程度なので、間違いがある可能性があります。

出版日 出版日(邦訳) 書籍名(邦訳) 副題(邦訳) 著者
1990/??/?? 1992/??/?? オブジェクト指向方法論OMT モデル化と設計 ジェームズ・ランボー
1992/??/?? 1995/??/?? オブジェクト指向ソフトウェア工学OOSE use-caseによるアプローチ イヴァー・ヤコブソン
1995/??/?? 1995/??/?? Booch法 オブジェクト指向分析と設計 グラディ・ブーチ
1995/??/?? 1995/??/?? オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン (なし) (ギャング・オブ・フォー)
1996/7/?? UML 0.9
1996/8/8 1999/4/1 ソフトウェアアーキテクチャ ソフトウェア開発のためのパターン体系 Frank Bushmann、Regine Meunier、Hans Rohnert、Peter Sommerlad、Michael Stal
1996/10/9 2002/4/1 アナリシスパターン 再利用可能なオブジェクトモデル マーチン・ファウラー
1997/1/?? UML 1.0 OMG(スリー・アミーゴス)
1997/10/30 1998/12/31 実践UML オブジェクト指向分析設計と反復型開発入門 クレーグ・ラーマン
1999/2/4 2000/3/30 UMLによる統一ソフトウェア開発プロセス オブジェクト指向開発方法論 (スリー・アミーゴス)
2000/11/6 2004/3/18 ソフトウェアエンジニアリング 実践的オブジェクト指向技術体系 エリック・J・ブロディ
2001/7/13 2003/10/1 実践UML(第2版) オブジェクト指向分析設計と反復型開発入門 クレーグ・ラーマン
2002/11/5 2005/4/1 エンタープライズアプリケーションアーキテクチャパターン 頑強なシステムを実現するためのレイヤ化アプローチ マーチン・ファウラー
2003/8/22 2011/4/8 ドメイン駆動設計 ソフトウェアの核心にある複雑さに立ち向かう エリック・エヴァンス
2007/??/?? 2007/10/6 ユースケース駆動開発実践ガイド オブジェクト指向分析からSpringによる実装まで ダグ・ローゼンバーグ, マット・ステファン

おま感

  • 「実践UML」が、第2版という言葉と紐付いているのは謎だなと思っていたけれど、初版が「UMLによる統一ソフトウェア開発プロセス」より前なので、第1版はかなり差異があるのかもしれない(未確認)
  • 「アナリシスパターン」の表記がUMLと違って読みにくいけど、「デザインパターン」の後ではあるけどUML1.0より前なのか……
  • 「アナリシスパターン」は「デザインパターン」をめっちゃ意識した書籍名なのだなあ(「エンタープライズアプリケーションアーキテクチャパターン」もだけど)
  • 90年代後半の熱い時代の風を感じる(ポエム)。これは結果論なのかも知れないけど、21世紀にはいってすぐ、PofEAAとDDDが全てを総括していった完結篇の流れなのかなと感じた。
  • 一方で、XP本が2000年、アジャイルソフトウェア開発宣言が2001年、TDD本が2003年なので、おおむねパターンとプロセスが整った土壌のうえでアジャイルへの動きが出てきたのも感じられた。

追記

  • 「実践UML」初版は、Unified Processへの言及はなく、ジェームズ・ランボーによるRPM (Recommended Process Models)に基づいているという記述がありました。
  • 「~デザインパターン」初版は、UMLへの言及はなく、OMT、Objectory(OOSE本で詳述)、Booch法に(図によって)基づくという記述がありました。
  • 「ソフトウェアアーキテクチャ」(POSA本)は今となってはあまり参照されないでしょうが、「アナリシスパターン」は参照が多い?ので、ぜひUML版を出してほしい……
  • こういうオタク(GeekではなくNerd的な)ことしてないで、もっと勉強したほうがいい自覚はあります。。。
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