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エンジニアの中身のないことを賢く言い換えるテクニック

Last updated at Posted at 2025-07-25

なぜエンジニアは「賢く見せる」ことが重要なのか?

それっぽいことを言ってるだけで評価されるなんてイヤだ。

―そう思う気持ちはもっともですが、現実のIT業界では「中身」よりもまず「それっぽさ」が求められる場面が確実に存在します。

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エンジニアの仕事は、コードを書くことだけではありません。
むしろこんなことが多くの時間を占めます:

  • 提案書を書く
  • 会議で意見を述べる
  • 非エンジニアに説明する
  • 他部署と調整する
  • 仕様をまとめる

つまり、「頭の中をどう“それっぽく”外に出すか」 が評価に直結します。
どれだけ中身があっても、伝わらなければ 「なんか頼りない人」 になってしまうのです。

TL;DR

  • 抽象度を上げ、横文字にし、フレームワークに当てはめるとそれっぽくなる
  • 断定を避け、「仮説」「示唆」「示唆に富むファクト」で反論が飛んでこないように予防線を設置する
  • 最後に「アラインメント」「スコープ」「クイックウィン」で締めると完成

注意:本記事は半分ジョークです。実務でここに書かれたテクニックを乱用すると、信頼とキャリアを溶かす恐れがあります。逆に「相手が使ってきたときに見抜く目」を養う用途でご活用ください。

この記事は、私自身が”それっぽいこと”を言うことが多く、それを同僚に指摘されて、自分を戒めるために書いています。

ChatGPT Image 2025年7月25日 14_04_21.png


目次

  1. なぜ「中身がないのに賢そう」に見えるのか (思い込み)
  2. 10の基本テクニック
  3. すぐ使える“それっぽい”言い換え辞書 20選
  4. 会議でのサバイバル台詞テンプレ
  5. バズワード自動生成器(JavaScript)
  6. こうなるとバレる:アンチパターン
  7. 健全な活かし方(=本質に戻るチェックリスト)

1. なぜ「中身がないのに賢そう」に見えるのか (思い込み)

  • 抽象語・横文字は検証しにくい:検証困難=ツッコミ困難
  • フレームワークを当てると“体系立ってる感” が出る
  • 曖昧なまま意思決定を先送りする構文が確立されている
  • “まだ考えてません”を直接言わずに“探索フェーズです”と言える便利さ

ただ、「賢そう」に見えてると思ってるのは自分だけかも(おそらく)
見抜いてる人からみれば、「あ、また、はじまったよ⋯」と呆れられてるかもしれません。。。


2. 10の基本テクニック

01. 抽象度を一段上げる

「A案とB案、どっち?」
→ 「まず意思決定のレイヤーを整理しましょう。戦略・戦術フェーズ・実装フェーズに分けると…」

02. 横文字化する

「やる気ないです」
→ 「まだモチベーションのスパイクに反応しないですね」

03. フレームワークに当てはめる

「ただの感想です」
→ 「これはPESTのS観点での示唆です」

04. "失敗した"と言い切らない

「失敗しました」
→ 「仮説検証の結果、示唆が得られました

05. “一次情報”を強調する

「ネットで見ました」
→ 「プライマリーデータとしてユーザー10名にヒアリングしたところ…(n=10)」

06. 結論をぼかす“両論併記”

「A案でいきましょう」
→ 「A案はコスト面で優位ですが、B案は長期的なスケーラビリティが示唆されます。トレードオフですね」

07. “スコープ外”で逃げる

「その質問、答えられません」
→ 「この議論のスコープからは外れますね。一旦Ice Boxに置きましょう」

08. 即答しないで“宿題化”する

「今決めてください」
→ 「ここは次回までに精緻化して持ち帰らせてください」

09. “整合性”でマウントを取る

「よくわかりません」
→ 「そのロジック、上流のKGIとのアラインメントが取れてない気がします」

10. “As-Is / To-Be / Gap / Action”の4点セット

「今これで、次にこうしたい」
→ 「現状とこういうGapがあるね、打ち手(Action)で整理すると…」


3. すぐ使える “それっぽい” 言い換え辞書 20選

素の表現 賢そうに言い換える
とりま、適当にやってみます 仮説検証フェーズを進めます
よくわかってません まだ仮説の精度が担保されていない段階です
まだ考えてません エクスプロレーションのフェーズです
忙しくて無理です リソースがひっ迫しています
やりたくない スコープ外です
何も選びたくない 要はバランスですね
たまたまです 偶発的に得られたインサイトです
思いつきです トップダウンでの仮説出しです
やらかしました デグレが発生しました
それは違うと思います ファクトベースで再整理しませんか?
反対です 合理性の観点で再検証が必要です
成果出てません クイックウィンは得られませんでした
責任取りたくない 意思決定プロセスにコミットしていません
どうでもいいです ビジネスインパクトが限定的です
決められません 意思決定のアラインが揃っていないですね
それ後でやりましょう Ice Boxに置きましょう
議論それてます スコープがドリフトしています
わかりやすく言ってください 抽象度を一段下げてもらっていいですか
つまり? 要はどこにレバレッジをかける話ですか?
なんでそれやるの? KGI/KPIとの整合を明確にしてください
とりあえずやってみましょう スモールスタートで検証しましょう
それ古いです 市場環境の変化に対するアップデートが未反映です

4. 会議でのサバイバル台詞テンプレ

  • 「まずは仮説ドリブンでファクトを取りにいきましょう」
  • 「そこはAs-Is / To-Be / Gap / Actionでブレイクダウンしましょう」
  • 抽象度を上げると、議論の土台は“提供価値”と“実装手段”の2レイヤーに分解できます」
  • スコープの切り方を再定義しないと、議論が閉じません」
  • 「その論点、プライオリティの観点で言うと今は下げたいですね」
  • クイックウィンを狙うならB案ですが、スケーラビリティの観点ではA案です」

5. バズワード自動生成器(JavaScript)

const buzz1 = ["仮説ドリブン", "ファクトベース", "レイヤー化", "抽象度を上げる", "整合性の担保"];
const buzz2 = ["アラインメント", "レバレッジ", "スコープ定義", "スケーラビリティ", "ROI最大化"];
const buzz3 = ["As-Is/To-Be整理", "ギャップ分析", "ベンチマーク", "クイックウィン", "ナレッジシェア"];

function genSentence() {
  const a = buzz1[Math.floor(Math.random() * buzz1.length)];
  const b = buzz2[Math.floor(Math.random() * buzz2.length)];
  const c = buzz3[Math.floor(Math.random() * buzz3.length)];
  return `まずは${a}${b}を行い、${c}していきましょう。`;
}

console.log(genSentence());

6. こうなるとバレる:アンチパターン

  • ファクトゼロで「ファクトベースで」と言い続ける
  • “仮説”と言い続けて永遠に検証しない
  • フレームワークに当てはめただけで“考えた気”になる
  • “スコープ外”を多用して問題を永遠にIce Boxへ
  • 横文字を使うほど、図と数字が減っていく

7. 健全な活かし方(=本質に戻るチェックリスト)

  • これは「誰の」「どんな課題」を解いている話?
  • それは測定可能な指標(KPI/KGI) に紐づいてる?
  • 具体例(Example) と言い換え可能?(できないなら曖昧)
  • なぜ今やるのか」「やらない理由は?」に答えられる?
  • 意思決定者は誰? いつ、何を判断する?
  • データ(n, 期間, 手法) は明示した?
  • 結局どうするの?」を最後に1行で言える?

まとめ

  • 「中身のないことを賢く言い換える」テクニックは、知っていると“見抜ける” ようになります。
  • 実務で本当に効くのは、具体・事実・数字・再現可能性
  • 「抽象→具体→検証→学習」のループを回し、言葉よりアウトプットで勝ちましょう。
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