いい加減にapt-getからaptに乗り換えようと思った
Linux(Ubuntu)やラズパイ(Raspberry Pi OS)でよく使う、パッケージ管理コマンドのapt
。今まで、互換性を重視して基本的にapt-get
を使うようにしてきました。ただ、Ubuntuは6年前の14.04から、Raspberry Pi OSもRaspbian Jessieからapt
コマンドが使えるようになったので、そろそろ互換性の問題が起こることもよほど無いだろうと思いapt
コマンドに乗り換えることにしました。
というわけで、apt-get
とapt
の違いと忘れがちなapt
コマンドとかを備忘録がわりにまとめておきたいと思います。随時更新していきます。
apt-get
とapt
の違い
そもそもapt
が何で、apt-get(apt-cache)
と何が違うかというと、以下くらいのようです。
-
apt
は新しいパッケージ管理コマンドでapt-get
とapt-cache
が統合したもの -
apt
はプログレスバーがついて進捗がわかりやすい - upgradeのとき
apt
よりapt-get
の方が条件が厳しい(慎重)
あんまり使い手側が意識する必要はないですね。apt-cache
も古いからapt
を使うようにした方がよいのと、apt
はプログレスバーが出るのでちょっとカッコいい(?)くらいでしょうか。コマンドの対応表を最後の方にのっけたのでそちらも参考にしてみてください。
他パッケージインストールするコマンドで似たものにaptitude
やsnap
といったものがあります。aptitude
はapt
と似た外部パッケージですが、基本的に積極的に使用する必要はないと思います。snap
はapt
がdebパッケージをインストールするのに対して、snap
はsnap
パッケージをインストールします。仕組みの詳細は割愛しますがsnap
パッケージはクリーンにインストールしやすく、apt
とも共存可能なので、パッケージによってはsnap
を選択するのも良いかと思います。
aptコマンド基本
パッケージのリストをアップデートして、インストールするのが基本ですね。<package>
のところは、対象のパッケージの名前を入れてください。
$ sudo apt update
$ sudo apt install <package>
インストールするとき、いちいち Yes or Noを聞かれるのが嫌な場合(特にスクリプトで自動化したい場合)は、以下のように-y
オプションをつけましょう。-y
の位置はinstallの前でも後ろでもOKです。
$ sudo apt -y install <package>
ログを極力表示させたくないときは-qq
オプションを使う。
$ sudo apt -qq update
$ sudo apt -qq install <package>
ログを全く表示させたくないときは、コマンドの後に> /dev/null 2>&1
をつける。これはapt
以外のコマンドでも使える。
$ sudo apt update > /dev/null 2>&1
$ sudo apt install <package> > /dev/null 2>&1
パッケージのバージョン一覧確認
インストール可能なパッケージのバージョンの一覧の確認方法です。<package>
のところは、対象のパッケージの名前を入れてください。
$ apt list -a <package>
インストール済みのパッケージのバージョンを確認する方法は、正確にはaptコマンドではないですがapt-show-versions
というパッケージを使う方法があります。
$ apt-show-versions <package>
apt-show-versions
がインストールされていなかったら、以下コマンドでインストールしましょう。
$ sudo apt-get install apt-show-versions
もしくは、以下のようにdpkgコマンドでも確認できます。
$ dpkg -l <package>
自動更新を止める
パッケージの更新を止める場合は以下です。
$ sudo apt-mark hold <package>
使うのは、例えばCUDA関係とかですかね。ついでに、aptではないですがカーネルの自動更新を止める方法は以下です。
$ sudo dpkg-reconfigure --priority=low unattended-upgrades
続いて出てくる画面で「自動的に安定版の更新をダウンロードしてインストールしますか?」というようなことが聞かれるので「いいえ」を選択すれば自動更新を止められます(「はい」にすると、自動で更新されます)。
実際に設定されるのは以下のファイルです。
/etc/apt/apt.conf.d/20auto-upgrades
手動で設定したい場合は、以下の通りに0
に設定することで自動更新を停止できます(1
にすると自動更新します)。
APT::Periodic::Update-Package-Lists "0";
APT::Periodic::Unattended-Upgrade "0";
aptコマンドとapt-get/apt-cacheコマンドの対応表
代表的なコマンドの対応表を載せます。apt-get
やapt-cache
を使っている人はapt
コマンドへ置き換えを進めると良いのではないかと思います。
apt | apt-get/apt-cache | 内容 |
---|---|---|
sudo apt update |
sudo apt-get update |
パッケージリストの更新 |
sudo apt install <package> |
sudo apt-get install <package> |
パッケージのインストール |
apt search <package> |
apt-cache search <package> |
パッケージの検索 |
sudo apt remove <package> |
sudo apt-get remove <package> |
パッケージの削除 |
sudo apt remove --purge <package> |
sudo apt-get remove --purge <package> |
パッケージの完全な削除 |
sudo apt upgrade |
sudo apt-get upgrade |
パッケージの更新(apt-getの方が慎重) |
apt list -a |
apt-cache policy <package> |
バージョンの一覧確認 |
Dockerfileではaptでなくapt-getが推奨
Docker ドキュメントをみたところ、どうもDockerのDockerfileでは、apt
でなくapt-get
が推奨なようですね。
全部apt
に置き換えたいのに、紛らわしいです…
まとめ
apt
関係の情報をまとめました。これで心置きなくapt-get
からapt
に乗り換えられそうです。
関連ページ
参考
- https://qiita.com/SUZUKI_Masaya/items/1fd9489e631c78e5b007
- https://qiita.com/ironsand/items/1a1612996b52b4d4c62e
- https://qiita.com/komeda-shinji/items/339b8e14b3f8b658b288
- https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1709/07/news016.html
- https://linuxfan.info/package-management-ubuntu
- https://qiita.com/SUZUKI_Masaya/items/1fd9489e631c78e5b007
- https://askubuntu.com/questions/916199/install-apt-show-versions-inside-an-ubuntu-docker-container
- https://teratail.com/questions/158844
変更履歴
- 2020/11/27 Dockerfileに関して追記
- 2020/11/04 基本コマンドと対応表を追記