はじめに
拡張ローマ字入力のAZIK1(または任意のローマ字変換規則)をWindows11 PCに導入する方法の備忘録です。
下記のブログで紹介されているWindows10向けの方法とほとんど同じ内容ですが、Windows11向けの変更点についての記述と、自分用に行間を埋める説明を追加しています。
1. 既存のローマ字配列用設定用レジストリファイルをコピーする
1-1. レジストリエディターを開く
タスクバーの検索ボックスに「レジストリ」と入力してレジストリエディターを開きます。
レジストリエディターとは、Windowsのシステムやアプリケーションの設定ファイルを表示、編集できるツールです。今回はそのレジストリエディターを使ってオーソドックスなローマ字変換規則とは別のローマ字変換規則を導入します。
1-2. MS-IMEをエクスポートする
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\IME\15.0\IMEJP\RomaDef\MS-IME
を右クリックしてエクスポートを選択します。
今回はAZIKを導入するのでエクスポートしたファイルはAZIK.reg
という名前で保存しました。
2. レジストリファイルをカスタマイズする
2-1. レジストリキーを変更する
保存したファイルを開いたら、レジストリの項目名であるレジストリキーを変更します。今回はMS-IME
をAZIK
と書き換えます。
Windows Registry Editor Version 5.00
-[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\IME\15.0\IMEJP\RomaDef\MS-IME]
+[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\IME\15.0\IMEJP\RomaDef\AZIK]
"table"=hex:2d,3d,81,5b,00,61,3d,82,a0,00,62,61,3d,82,ce,00,62,65,3d,82,d7,00,\
...
2-2. 変換規則をカスタマイズする
下記のツールを使用すると、任意のローマ字変換規則をバイナリ形式でコピー出来ます。
http://jgrammar.life.coocan.jp/ja/tools/imekeys.htm
コピー出来たら、reg
ファイルの"table"=
以下に貼り付けます。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\IME\15.0\IMEJP\RomaDef\AZIK]
"table"=\
hex:\
-2d,3d,81,5b,00,61,3d,82,a0,00,62,61,3d,82,ce,00,62,65,3d,82,d7,00,\
-...
+3A,3D,81,5B,00,\
+...
3. レジストリファイルをインポートする
レジストリエディターの上部メニューバーからファイル/インポート
を開き、先ほど保存したファイルを選択します。これで、新しいファイルがレジストリファイルとして登録されます。
4. 設定の変更
ここからが元記事の手順に加えてWindows11向けに追加で必要な手順です。
4-1. 以前のバージョンのMicrosoft IMEを利用できるようにする
下記の手順に従ってWindows10のMicrosoft IMEを利用できるようにします。これにより、Windows11では表示されなくなってしまったMicrosoft IMEの詳細設定を利用できるようになります。
4-2. 新しいローマ字変換規則を適用する
詳細設定を開いたら、ローマ字/色の設定
から追加したレジストリキーを選択し、適用します。
5. 確認
適当に文字を打って自分が設定したローマ字変換規則が適用されていれば設定完了です。
AZIKを導入した場合は、元記事にならって、「skkzsd」と入力して「しんかんせん」と入力されればOKです。
6. 調整
追加したローマ字変換規則を調整したい場合は、詳細設定の中にあるローマ字設定の変更
ボタンから修正できます。
少しずつ調整して最適化していきましょう。
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AZIK(エイズィック)は、ローマ字変換規則を拡張することで日本語によく出てくる読みを少ないキー操作で入力する方法。1993年頃に木村清さんによって考案され、1994年に情報処理学会で『学習の移行性を重視した拡張ローマ字入力 : AZIK』として発表された。
木村さん本人によるAZIK総合解説書が公開されている。 ↩