コミュニケーションスキルは、エンジニアにも必要なスキルです。
今回は、Udemyでコミュニケーションスキルの向上を目的とした演習を受講しました。
- 講座はこちら =>> エンジニアのための「コミュニケーション」講座
その中で、相手に対して物事を伝える段取りであるストーリーラインの作り方について、印象に残ったので、まとめてみます。
空・雨・傘
- ものごとを考える時の思考整理の方法
- 物事を「空」「雨」「傘」の3つに分けて整理することで、状況を俯瞰し、課題解決へのきっかけを見つけるフレームワークのこと
参考例
- 下記のように、事実と解釈、行動を切り分けて順に説明する構成
- 空を見上ると曇行が怪しい:事実
- これから雨が降りそうだ:解釈
- 傘を持って出かけるべきだ:行動
1. 空を見上ると曇行が怪しい:事実
- 正しい現状の認識を行うため、「事実」のみ伝える
- 事実認識を誤ると、以降の解釈や判断/行動に影響を及ぼす
2. これから雨が降りそうだ:解釈
- 認識した事実に対して、解釈を行う
- 解釈の際には、論理の飛躍がない解釈を示す。(※)
※例:「1. 事実」曇行が怪しい → 「2. 解釈」空から隕石が降ってくる。- 上記の場合は、事実と解釈につながりがないため、論理の飛躍となる。
- あくまで、事実と解釈につながりがある説明となる必要がある。
3. 傘を持って出かけるべきだ:行動
- 解釈に対して、具体的な行動/対策を考える
- 解釈と同様に、論理的な飛躍がないような行動/対策を示す
問題・原因・対策
- 空・雨・傘と類似しており、事象について、「問題」「原因」「対策」の順に切り分けて説明する構成
- 障害対応でよく使用される説明パターン
- 問題:「あるべき姿」と「現状」のギャップは何か?
- 原因:なぜ「問題(ギャップ)」が発生したのか
- 対策:「原因」に対して、どのような「対策」をとるのか
参考例
- 新サービス開始前に本番環境が外部からアクセス可能な状態になっていた事象
1. 問題
- 新サービス開始前に本番環境が外部からアクセス可能な状態になっていた
2. 原因
- テストで外部アクセス確認を行った際に、外部アクセスを閉じる手順が漏れていた
3. 対策
3.1. 既存対策
- 現在は既に外部からアクセスできないよう対応済み
3.2. 将来対策
- テストで外部アクセスを閉じる作業を手順として組み込んだことにより再発防止済み
背景/目的・要求・対応
- 背景や目的を踏まえたうえで、要求につなげ、要求をどう実現していくのかの流れで説明していく
-
- 背景や目的・要求が理解できている人同士以外の場で使用することで、認識合わせを行いながら、合意を取ることが可能
- 要件定義であったり、仕様変更で使用されるパターン
- 背景/目的:「要求」が発生した背景や目的が何か
- 要求:「何(What)」をしたいのか
- 対応:「どのように(How)」実現するのか
参考例
- 社内向け勤務表の要件定義時の説明時
1. 背景/目的
- サービスを取り巻く状況の説明
現在、社員勤務表は、Excelで管理しているため、勤怠を会社へ提出する際に、管理や手間がかかっており、効率が悪い状況。
このため、勤務表についてWeb化を行うことで、効率性の向上が期待できる。
2. 要求
- 求められる機能の説明
求められる機能としては下記が挙げられる。- 社員情報をWeb上で登録できる
- 閲覧権限を設定できる
- Web上で勤務時間の管理ができる
3. 対応
- 要求を踏まえた予定している対応
上記要求に対し、下記を予定している- Webベースの管理画面の構築
- ロールベースのアクセス制御の導入
- Web上で勤務時間の管理ができる画面とサーバ側処理の構築
松竹梅
- 問題・原因・対策や、背景・要求・対応において、「対策」や「対応」を検討する際に、だれが見ても明らかな対応がない場合は、松竹梅の3案を用意することで納得感を得やすくなるフレームワークのこと
- 松竹梅では、3つの選択肢を提示するが、3案を比較するための軸が必要となる
→ 案を選択する際のポイントが理解しやすくなる - 選択をすることで、判断している感覚を得ることができる
1. 梅
- コスト重視向けで、最小限の機能や対応を想定する
2. 竹
- バランス型で、最も選ばれやすい(アンカリング効果)
3. 松
- 高付加価値プランとして、必要にお維持手上位選択を促す
参考例
- 社内業務改善ツールの導入提案
項目 | 松 | 竹 | 梅 |
---|---|---|---|
機能 | 勤怠・経費・ワークフロー・チャット連携・AI分析 | 勤怠・経費・ワークフロー | 勤怠管理のみ |
コスト(月額) | ¥100,000 | ¥50,000 | ¥20,000 |
MECE
- Mutually Exclusive, Collectively Exahustiveの訳(モレなく、ダブりなく)
- 論理的思考の基本ともいえる重要な概念で、論理の全体集合において、「モレ」も「ダブり」もない状態を表す
- 原因や対策、対応を説明する際に、論理的なモレやダブりがある場合、不信感や疑念の原因となる。このため、モレやダブりがない状態にして説明することが重要
- MECE分類は、ツリー構造やマトリクスで図解することで見やすくなり、5W1Hを用いると、もれなくチェックすることも可能
参考例
- 交通手段の分類
- 交通機関の分類として、下記のように分類した
- NG例:
バス/電車/交通機関
→上記の場合、バス/電車も交通機関に含まれているため、重複(ダブり)がある。 - OK例:
徒歩/自転車/自動車/公共交通(バス・電車、地下鉄)
- NG例:
- 交通機関の分類として、下記のように分類した
まとめ
講座を受講して感じたことは、これまで言葉として定義されていると知らずに使っていたフレームワークや考え方がほとんどだった。ということでした。
今回、言葉として言語化して理解できたことで、具体的な場面で相手にどういった論理構成を用いて説明を行えば伝わりやすいかが明確なりました。
今回の記事作成を踏まえて、今後人への説明時には、今回記載した4つの論理構成を使用して説明をしていくことで、コミュニケーションを円滑に進めていきたいです。