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Enterprise APIsAdvent Calendar 2015

Day 11

社内でAPIに対する理解を深めてもらうために始めたこと諸々

Last updated at Posted at 2015-12-10

Enterprise APIs Advent Calendar2015への投稿です。

娘の寝かしつけに苦戦し、日付が変わってしまいましたがご容赦を。

EnterpriseなAPIネタならなんでもOKということで、いま私が担当している自社APIのプロモーション活動について書いてみようと思います。


弊社は某IT企業で、数十のサービスをお客さまに提供しています。
しかしながらAPIを外部公開しているサービスはほんのわずかで、お客さまにバリバリAPIを活用してもらっているとは言い難い状況です。

なぜこのような状況なのか、、、理由の一つに社内のAPIに対する理解、意識が低すぎるという問題があります。

ということで、最近になって社内に対するAPI推進活動を強化しはじめました。
言い換えると、API意識改革みたいな活動です。

活動の対象はサービス開発部、営業部の2つです。
本当は運用保守を担当している部署にも意識改革をしていく必要があるのですが、まだ手をつけられていません。
今日は、上述した2つの部署に対するAPI意識改革活動の一部をご紹介したいと思います。

理想形

理想形といいますか、以下のようなサイクルで社内の関連部署がうまく連携し動いてくれればいいなぁと思っています。

image.jpg

  1. APIの拡充
    サービスのAPIラインアップを増やす。
    増やしたAPIやユースケースなどを営業部へインプット。

  2. お客さまへの提案・ヒヤリング
    インプットされた情報をもとにお客さまへ提案。

  3. フィードバック
    お客さまへの提案活動から得たコメントをサービス開発部へフィードバック。
    サービス開発部でAPIの改善、また新たなAPIの開発へとつながる。

ちなみに現状どうなっているかというと、理想形の真逆、悪循環な状態が続いています。

  • サービス開発部「お客さまからAPIに対するニーズがあがっていないので開発予定なし」
  • 営業部「そもそも提案できそうなAPIがない」

これはどうにかしなくてはいけません!!
どちらか一方の意識改革をするだけではダメで、同時並行でサービス開発部、営業部へ意識改革を進めていく必要があります。

サービス開発部に対しては「APIファーストなサービス開発の推奨」

ということで、まずはサービス開発部に対するAPI推進活動ですが、APIファーストでサービス開発を進めるメリットを社内勉強会などで訴えかけています。
個人的に考えるAPIファーストのメリットは以下の通りです。

  1. 収益アップ、ブランド価値向上
    TwitterやFaceboookなど世界的に成功しているサービスのほとんどはAPIを提供しており、かつAPI関連の収入がExpediaなんかですと90%を超える勢いで伸びているそうです。BtoBの世界でも2016年には50%がWeb API経由になるというデータもあったりします。

  2. エコシステムの形成
    自社で全てを対応する時代ではない。企業間が連携し互いが協調し足りない部分を補完しながらビジネスを展開していく、この連携でキーとなるのがAPIであると思います。

  3. オープンイノベーション
    APIを公開することで第三者のアイデアを活用しながら新たなビジネスを展開することもできます。

  4. マルチデバイス・マルチプラットフォーム
    APIファーストなアーキテクチャは、バックエンドにAPIを整備し、フロントエンド(UI)はAPIを通じてバックエンドとやりとりするモデルとなるため、マルチデバイス・マルチプラットフォーム対応も簡単にできてしまいます。

  5. 開発効率化
    フロントエンドとバックエンドでチームを分けて開発に集中できます。テスト時の役割分担も明確化できますね。

  6. メンテナンス性の向上
    フロントエンドとバックエンドの疎結合化により、フロントエンド側の改修がバックエンドに影響を及ぼさないなどメンテナンス性の向上も期待できます。

「ソフトウェアの未来はAPIが支配する」
これはIntel CEO Brian Krzanichの発言ですが、今後SDx化が進んでいく中でAPIはその中心となるものであり、いずれAPI化が必須になるわけだから対応するのは今でしょ!(少し古いか)なんてことをサービス開発部に訴えかけています。

営業部に対しては「APIで実現できることをキーワード化」

APIは技術的要素が強いため、営業部に対するAPI推進活動はより一層困難に思えますが、技術的な内容を全て理解してもらう必要はなく、APIを使って何ができるのかを理解してもらうことが重要かと思います。

APIはあくまでお客さまのニーズや課題を解決するための手段の一つであるということ。
私も過去は法人営業部署にいたことがあるので痛いほどよく分かりますが、APIを全面に打ち出すような技術オリエンテッドな提案はお客さまに全く響ません。
お客さまのニーズや課題の中にあるキーワードからAPIを連想し、解決手段としてAPIをお客さまへ提案できるようになれば目的達成です。
そのためには、APIを使って何ができるかをキーワードレベルでリスト化し、営業担当者の心の引き出しに植え付けてあげることができればよいかなと思ったりしてます。
あとは社外事例ですね。最近だとFintechが熱いのでこの辺りの実例を紹介するなどして具体的な提案イメージを理解してもらうことも重要です。

最後に・・・

色々書きましたが、本当はAPI推進活動を各組織に働きかけていくのではなく、関係者に当事者意識をもって活動してもらうこと一番の近道だったりします。
企業規模が大きくなればなるほど組織間の壁や関係者の利害関係が柵となって、調整に時間ばかりかかって上手くいかないケースが多いです。
ということで、今後は組織横断のAPI Teamなるものを作って、関係者一丸となって自社のAPIを盛り上げていく活動ができればと目論んでおります。(まぁ、体制を作ることが一番労力を伴う話だったりしますが・・・がんばります)

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