AWS認定資格の道 〜各試験の難易度と体験談〜
こんにちは、みなさん。久しぶりの投稿となりました。嬉しいご報告があります。3月に、現在有効なAWS認定資格を全て取得し終えることができました! AWS AIF以降、毎月1〜2つのペースで取得を進めてきた結果です。
この記事では、各AWS認定試験の難易度や私の体験談を共有したいと思います。これから認定資格取得を目指している方々の参考になれば幸いです。
AWS認定資格の全体像
まず、現在提供されているAWS認定資格の全体像についておさらいです。
ファンデーショナルレベル
- AWS Certified Cloud Practitioner (CLF)
- AWS Certified AI Practitioner (AIF)
アソシエイトレベル
- AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA)
- AWS Certified Developer - Associate (DVA)
- AWS Certified SysOps Administrator - Associate (SOA)
- AWS Certified Data Engineer - Associate (DEA)
- AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate (MLA)
プロフェッショナルレベル
- AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP)
- AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOP)
スペシャルテ
- AWS Certified Advanced Networking - Specialty (ANS)
- AWS Certified Machine Learning - Specialty (MLS)
- AWS Certified Security - Specialty (SCS)
各試験の難易度比較と体験談
AWS Certified Cloud Practitioner (CLF)
難易度:★☆☆☆☆(5段階中1)
クラウドやAWSの基本的な概念、サービス、セキュリティ、料金体系などの基礎知識を問う試験です。
実務経験がなくても取得可能な、まさに入門レベルの試験です。この試験でAWSの基本的な概念をしっかり理解しておくことが、その後の試験攻略の土台になります。広く浅くなイメージです。
AWS Certified AI Practitioner (AIF)
難易度:★★☆☆☆(5段階中2)
私はベータ版を受験しました。それまでAIについて全く知識がなかったため、難しく感じました。また、新しい試験だったので情報も少なく、公式ドキュメント、AWSスキルビルダーとG検定の本を活用して理解を深めました。
この試験はAIの基本概念から、AWS上でのAIサービス(Amazon Bedrock、SageMaker、Comprehendなど)の活用方法、生成AIのプロンプトエンジニアリングや責任あるAI実装まで幅広いトピックをカバーしています。
AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA)
難易度:★★★☆☆(5段階中3)
AWSのサービスを使った基本的なアーキテクチャ設計能力を問う試験です。範囲が広く、様々なサービスについて理解している必要があります。特にEC2、S3、RDS、VPC、IAM、Lambda、DynamoDBなどの主要サービスは深く理解しておく必要がありました。
実際の試験では細かい設定項目や最適なアーキテクチャの選択など、深い理解が必要な問題も多かったです。
AWS Certified Developer - Associate (DVA)
難易度:★★☆☆☆(5段階中2)
AWS上での開発に焦点を当てた試験で、特にLambda、API Gateway、DynamoDB、CodePipelineなどのサービスについての知識が問われます。SAA取得後に受験したため、重複する知識も多く、比較的取り組みやすかったですが、開発特有のトピック(CI/CD、サーバーレス、コンテナなど)については追加で学習が必要でした。
実際の開発経験がある方なら理解しやすい内容ですが、開発未経験の方は概念理解に時間がかかるかもしれません。
####AWS Certified SysOps Administrator - Associate (SOA)
難易度:★★★☆☆(5段階中3)
アソシエイトレベルの中では最も難易度が高いと感じました。AWS上でのシステム運用に焦点を当てた試験で、特にCloudWatch、Systems Manager、Config、Trusted Advisorなどの運用管理系サービスの深い理解が求められます。
####AWS Certified Data Engineer - Associate (DEA)
難易度:★★★☆☆(5段階中3)
AWSのデータ関連サービスを活用してデータパイプラインを設計・構築・管理するスキルを検証する試験です。
この資格試験では、データ関連のAWSサービス(S3、Glue、Athena、Redshift、EMRなど)に関するスキルと知識、データの取り込みと変換、プログラミングの概念を適用しながらのデータパイプラインのオーケストレート、データモデルの設計、データライフサイクルの管理などの勉強が必要です。
触ったことのないサービスが多かったので知るきっかけになってよかったです。
AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate (MLA)
難易度:★★★☆☆(5段階中3)
AWSの機械学習サービスを使用したMLソリューションとパイプラインの構築、運用化、デプロイ、保守能力を検証する試験です。
AIFよりもAWSの機械学習のサービスを問う問題が多かったです。特にAmazon SageMakerファミリーのサービスに関する深い理解が求められます。機械学習のライフサイクル全体(データ前処理から、モデルトレーニング、デプロイ、モニタリング、再トレーニングまで)を理解していることが重要です。
プロフェッショナルレベル
AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP)
難易度:★★★★☆(5段階中4)
複雑なマルチアカウント環境、ハイブリッドアーキテクチャ、大規模移行、コスト最適化など、高度な設計能力とAWSの深い知識が求められます。
問題文も長く、75問を180分で解くため、時間管理も重要でした。私は公式ドキュメント、実際のハンズオンなど、あらゆる教材を活用しました。
合格したときは本当に達成感がありました。
AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOP)
難易度:★★★★☆(5段階中4)
CI/CD、インフラストラクチャ自動化、モニタリング、ロギング、セキュリティ自動化などDevOps実践に関する深い知識が問われます。CodePipeline、CodeBuild、CloudFormation、ElasticBeanstalkなどのサービスについて詳細な理解が必要でした。
SAPほどではありませんが、かなり難易度の高い試験です。問題文が長いのと理解するのに時間がかかり前資格の中で時間ギリギリまで使った資格でした。
スペシャルティ
AWS Certified Security - Specialty (SCS)
難易度:★★★★☆(5段階中4)
AWSのセキュリティに特化した試験で、IAM、KMS、CloudHSM、GuardDuty、Security Hub、Network Firewallなど、セキュリティ関連サービスの深い理解が求められます。また、暗号化、ネットワークセキュリティ、ログ監査なども重要なトピックです。
この試験はかなり専門的で、セキュリティバックグラウンドがない方には難しいかもしれません。私はセキュリティに関する学習、実務経験が少なかったため、特に暗号化関連の概念理解に苦労しました。
AWS Certified Advanced Networking - Specialty (ANS)
難易度:★★★★★(5段階中5)
VPC、Transit Gateway、Direct Connect、Route 53、Global Accelerator、PrivateLink、Network Firewallなど、AWSのネットワーキングサービスに関する深い知識が問われます。また、ハイブリッドネットワーク設計、ルーティング、マルチリージョン接続なども重要トピックです。
ネットワークエンジニアのバックグラウンドがある方でも難しいと感じる試験です。特にCIDR計算、BGPルーティング、VPCエンドポイントポリシーなど、かなり技術的な問題も多く出題されました。
オンプレとの連携もしっかり理解しておきたいです。
AWS Certified Machine Learning - Specialty (MLS)
難易度:★★★★☆(5段階中4)
SageMaker、Comprehend、Rekognition、Polly、Transcribeなど、AWSの機械学習サービスに関する知識が問われます。また、データ前処理、モデルトレーニング、ハイパーパラメータチューニング、デプロイなど、機械学習のライフサイクル全般についても理解している必要があります。
この試験の特徴は、AWSサービスの知識だけでなく、機械学習自体の概念(アルゴリズムの選択、評価指標など)についても問われることです。私は機械学習の基礎知識はあったものの、SageMakerの詳細な機能については集中的に学習する必要がありました。
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全資格取得を振り返って
すべてのAWS認定資格を取得してみて、改めてAWSサービスの広範さと深さを実感しました。最初は単なる資格収集から始まりましたが、学習を進めるうちに実務にも活かせる知識が着実に増えていったと感じています。
特に印象に残ったのは、各試験が単なる暗記ではなく、実際のビジネスシナリオに基づいた問題解決能力を問うていることです。「この状況ではどのサービスを選ぶべきか」「このアーキテクチャのどこを改善すべきか」といった実践的な問いに答えるためには、サービスの特性や制限を深く理解しておく必要があります。
おすすめの学習リソース
私が活用した学習リソースを共有します:
- AWS公式ドキュメント - 最も信頼性の高い情報源です
- AWS公式サンプル問題 - 出題傾向を把握するのに役立ちます
- AWSスキルビルダー - AWS認定試験対策のコンテンツが充実しており、ゲームを通してAWSのサービスを学べます。また、ラボというハンズオンができるサービスなど豊富なコンテンツがあります。体系的に学びたい時におすすめです
- Udemy講座 - 試験対策としての利用は限定的でしたが、サーバレスやWEBアプリケーション開発をAWSで実装する方法など、実践的なスキルを身につけるために活用しました
- chat GPT - 理解できているか不安な時に壁打ちを行なって理解度高めました。
下記は資格問題サイトです。問題数が多いので試験直前は繰り返し解きました。
- クラウドテック
- クラウドライセンス
最後に
AWS認定資格は取得することがゴールではなく、資格取得を通じて得た知識を実務に活かし、さらに技術を深めていきたいと思います。
基礎レベルから順に取得していくことで、知識を段階的に積み上げることができます。
長文になりましたが、私のAWS認定資格取得の体験が皆さんの参考になれば幸いです。
そして未経験ながらも資格を通して無事転職もでき現在はクラウドアーキテクトとして勤務してます。
資格やハンズオンを通じて訳がわからないという事象はあまりなくあぁこうだったなや調べれば解決することが多く取得してよかったと実感しております。