この投稿は、アジャイル開発 Advent Calendar 2018 の23日目です。
#はじめに
皆さんはカイゼンジャーニー(著:市谷聡啓/新井剛)という書籍をもう読みましたか?
主人公の江島が問題だらけのプロジェクトをアジャイルにおける「プラクティス」を活用してカイゼンしていく心温まるストーリーです。主人公の江島に自分を重ねて後半には泣いてしまうという方もいるようです。
本記事は、カイゼンジャーニーを読んでみてアジャイル開発のプラクティスであるKPT
を開発だけではなく日常生活に取り入れてみた、という記事です。
#KPTとは
Keep(良かったこと)、Problem(問題と感じていること)、Try(次に試してみたいこと)を紙に書き出して振り返りを行うものです。
KPTの細かい定義は割愛しますが、私がKPTの一番良いなと考えているところは「Keep」が用意されている点です。Keepを挙げることで雰囲気が良くなり、心理的安全が確保され、遠慮しがちなProblemも言いやすくなります。そうすると、本当に改善しなければならないことが可視化されてきますし、より本質的なカイゼンへ導く最初のステップだと思います。
なぜ夫婦でKPTをしたのか?
最近、子供が生まれたのですが、初めての子育てに勝手がわからず上手く作業分担が出来なかったり、お互いの不満をいうことが以前と比べると多くなったことを実感していました。ちょうどその時通勤中に「カイゼンジャーニー」を読んでいて、「疲弊したプロジェクト」に今の家庭を重ねて、夫婦の関係も「カイゼン」できるのかな?(大げさ)と考えたのが始まりです。
そして「KPT」というフレームワークを選定したのは、前章でも書いていますがKeepがあって雰囲気も良くなると考えたからです。それに加えてシンプルで継続もしやすいと思いやってみることにしました。
#実際にやってみた
だいたい30分で実施
使用したツール
Trelloを使用しました。カンバン方式のタスク管理ツールですが、非常に洗練されたUIで取り組みやすいです。
他にもオンラインのサービスを探して試してみましたが自動保存されなかったり、書いたものが不定期に消えてしまうということがあったので、Trelloに決めました。
工夫したこと
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KPTを行う理由やきっかけを説明して納得した状態で始めること
なぜ二人でわざわざ時間を確保して振り返りをするのかということを明確にして相手に納得してもらいます。前向きに捉えてもらうことが大切です。 -
一人で一度リハーサルしておく
サービスの使い方が分からずにモタモタしてしまうと雰囲気が悪くなってしまうと思うので事前にリハーサルをしておくて円滑な振り返りができます。 -
リアクションを取る
話が脱線するほどのリアクションをする必要はないですが、「ほぅ」「なるほど」「そうだったのか」などと頷くことで、リズムが生まれて振り返りが活性化します
気をつけること
- 相手がKPTを実施する意義に共感できないのであれば、キッパリとやめましょう
- 厳密になりすぎないこと
やってみて思ったこと
- 相手が自分のいつもの生活のどこをKeep、Problemと思っているのか可視化されて、一人では分からなかった「振り返るべきポイント」が明確になった
- フレームワークに乗っかって、日常的に「感じていることを共有する機会」が増えた
- 充分に振り返り切れないところがあったが、普段の生活の中で「あ、これはKeepだね、ありがとう」、「ん?これはProblemやん!」とKPTフレームワークがちょっとずつ浸透した
どうなった?
我が家では、「スケジュールやToDoが二人で上手に管理されていないこと」が原因でやるべきことが間に合わないことお互いの不満を言ってしまう大きな問題という結論に至ったので、「スケジュールを管理して見える化すること」を課題にしました。
見える化とすぐに情報を更新できるようにスマホにTimeTreeとWunderListを入れ、共有カレンダーと共有ToDoを作成して、ホーム画面にガジェット追加しています。
最後に
ありきたりな結果だったかもしれませんが、なんとなく決め打ちで結論に至るのとKPTを通して結論を出すのでは成果物も雰囲気も変わってると思います。そして、そこには次回の振り返りのネタがたくさん転がっています。
これは今は上手く機能しているように見えますが、また1ヶ月後に振り返ってみるまで「よかったのか」「よくなかったのか」まだ分かりません。継続的な「振り返り」を行っていきたいと思います。
ぜひ普段の生活にも「振り返り」にKPTを導入してみませんか?
明日は @matsu0228 さんの「ヨーロッパ最大のアジャイル・テスト自動化カンファレンス「AgileTestingDays2018」に参加してきた」です。お楽しみに!