日曜日のことだ。
家族で何か遊びたかったが、手持ちのカードゲームや麻雀は飽きてしまった。SteamでDLゲームを探すのは大変で、FPS派・クラフト系派・メトロイドヴァニア派と、家族の好みが絶妙に揃わない。
令和の世、小学生から大人まで全員が楽しめる4人用ゲームというのは、案外レアらしい。
そんなとき、マリー・アントワネットの言葉が頭をよぎった。
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」
欲しいゲームがなければ、作ればいい。
ついでにヨレンタさんの言葉もなぜか頭をよぎる。
「全歴史がわたしの背中を押す」
言いたかっただけだろう。
先に遊びたい方はこちら。
コンセプトメイキング:丸投げしない壁打ち
AIとの壁打ち。はじめに投げたのはこんな一文だった。
4人で遊べるターン制のゲームが作りたいです。
GitHub Pages で公開できる static html ベース。
リアルタイム通信もしたい。
大事なのは、ここで丸投げしないことだと思う。
家族全員の「見えない好み」——誰が何を嫌いで、どんな雰囲気が好きか——脳内にある言語化できていない顧客の要求に寄せていく工程をやらないと、絶対に『顧客が本当に欲しかったモノ』はできない。
AIに「いい感じによろ」するのはコンセプトや企画をつくるのに「必要なインプット」をしないということだ。
「いい感じの案をいくつかください」とお願いして壁打ちをして「必要なインプット」を整えるのとは違う。
複数案を出してもらいながら、「犯人は踊るみたいな感じ」「お酒飲みながらでも遊べるやつ」「ドキドキしたい」と言い散らかすと、AIはぜんぶ拾ってくれる。本来1人で「広げる → まとめる」を繰り返す企画工程を、数分で終わらせる。
最終的に固まったコンセプトはこれだ。
思考停止で遊べるが、疑心暗鬼とハプニングで盛り上がるパーティゲーム。
お酒を飲みながらでも遊べる、「ババ抜き × すごろく × 人狼」。
4人用。Webブラウザ(バニラHTML + PeerJS によるP2P通信、サーバーレスでGitHub Pages対応)
仕様・実装:確認して微調整するだけ
コンセプトが固まれば、Claude Sonnet 4.6 に仕様書を書かせる。カードのバリエーション、マスの構成、ゲームバランスまで全部考えて書いてくれる。
いままでであれば、カードやマスの案出しだけで数日かかっていたところが、最後の味付けの美味しい部分だけやれば完了だ。人間に残されるのは「レビュー」というよりは「こういう物が欲しい」という考えと「それに寄せる言葉」かと思う。
仕様が固まったら詳細設計書を書かせて、実装させる。今のところ詳細設計書を挟んだ方が、実装が安定するように見えるので、省略せずに(同時に)やらせている。
シミュレーション:AIに4人動かしてもらう
4人用パーティゲームのバランス調整は難しい。
本来は頭の中で4人全員を動かしてプレイを想定しなければならないからだ。
「これ、AIにやらせたらどうなる?」と思ってお願いしたら、山札の枚数や4人分の手札まで考察してのシミュレーションを平然とやってのけた。シビれてあこがれた。
結果を確認して微調整。大幅に時短ができた。
完成:半日で遊べるようになった
半日ほどで最初のプレイアブル版が完成した。特に指示していないのにレスポンシブ対応もされていて、スマホでも動く。カード画像や演出は何もないが、家族で遊ぶには十分だった。ちゃんとしたゲームだった。
お父さんが子供に竹とんぼをつくったように、ゲームをつくる。
AI時代だと、そんなことができる。
その後、カード画像やエフェクトを追加開発しています。
よろしければどうぞ。