概要
X.Orgは古臭いということになり最近のGNOMEやKDEではwaylandがデフォルトになっています。ただGNOMEやKDEは余計なものが多く入っています。最小限(firefoxで日本語入力して音楽を聞く)ためのdebian最小インストールをメモします。以下の記述は/etc/apt/apt.conf
で APT::Install-Recommends 0;
と設定して推奨パッケージを入れない設定でもうまくいくようになっています。Ubuntuでもbionic (18.04 LTS)の場合以下の「インストール作業」の部分で、ubuntu serverをインストールするためのalternative installer (debian installer)で最初にF6を押してエキスパートモードを選び、現れるブートコマンドラインのubuntu-server.seedをubuntu-server-minimal.seedに変えればインストールされるパッケージを最小にしてほぼ同様のことが出来るはずです。NVIDIAのドライバ入れるとwayland/westonが使えないので注意
インストール作業(Debian)
エキスパートインストールを選んで、パッケージの選択で何も選択しない。インストーラー言語は日本語を選び、システムデフォルトロカールはja_JP.UTF-8
を選んでおく。
ファームウェアを含むインストーラーは https://cdimage.debian.org/cdimage/unofficial/non-free/cd-including-firmware/ にある
ネットワークの設定(debian busterで無線LANを使う場合)
Debian Busterで無線LANを用いてインストールすると起動後まったくネットワークが使えず新規パッケージのインストールが何も出来ないから以下の作業を行いネットワークが使えるようにする。
-
ip l
などを実行し無線LANのインターフェース名を確認し、以下のファイルを作成する
country=JP # crda パッケージインストールが必要
network={
ssid="SSID名"
scan_ssid=1
key_mgmt=WPA-PSK
psk="パスワード"
}
-
systemctl enable wpa_supplicant@無線IF名
を実行する - 以下のファイルを作成する
[Match]
Name=wl*
[Network]
DHCP=true
MulticastDNS=true
-
systemctl enable systemd-networkd.service systemd-resolved.service
を実行する -
ifupdown
,avahi-autoipd
パッケージは不要なのでapt-get --purge remove ifupdown avahi-autoipd
で削除する - Ubuntuの場合
netplan.io
とnplan
がDebianのifupdown
に対応するため削除してよい。また、もしwhiptail
,apt-utils
が入っていない場合なるべく作業のなるべく早い段階で入れておく。dpkg-reconfigure locales
を行いja_JP.UTF-8
ロカールを入れると共にシステムのデフォルトロカールを(再)設定しておく。
kernel command lineの設定(そうしたい場合のみ)
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="i8042.reset=1 cgroup_no_v1=all systemd.unified_cgroup_hierarchy=1"
を /etc/default/grub
に書いて update-grub
する
どういう用途でも必要そうなパッケージのインストール
apt-get install libnss-resolve libnss-systemd dbus-user-session policykit-1
またCPUのバグを直すためにintel-microcode
またはamd-microcode
をインストールする。必要なfirmware、例えばfirmware-intel-sound
など
mozcとibusによる日本語入力のためのパッケージインストール
apt-get install ibus-gtk3 ibus-gtk ibus-mozc mozc-utils-gui
音を鳴らすためのPulseAudio関係パッケージのインストール
apt-get install pulseaudio rtkit pavucontrol
音量のコントロールは後述のwayland-terminal
からpavucontrol
を実行する。
emacs関係パッケージ
apt-get install emacs emacs-el emacs-common-non-dfsg
Wayland/Weston関連のほぼ最低限のパッケージインストール
apt-get install weston xwayland xfonts-base fonts-vlgothic fonts-ipafont poppler-data
Firefoxのインストール
firefox-esr-l10n-ja
または firefox-l10n-ja
をインストールする。後者のほうがバージョンが高いがunstableからしかインストール出来ない
Wayland/Westonで日本語入力する手順(結構コツがいる)
weston.ini
の設定
例えばホームディレクトリに以下を置く。レイアウトを指定しないとアメリカ配列になりキートップと入力文字が一致しなくなる。
[core]
xwayland=true
require-input=false
backend=drm-backend.so
modules=systemd-notify.so
use-pixman=true
[keyboard]
keymap_layout=jp
[shell]
#client=/usr/bin/weston-terminal
locking=false
animation=fade
allow-zap=true
westonとwayland-terminalの起動
weston --log=weston.log --config=weston.ini
とGUIではないコンソールから打ってwestonを起動し、左上にあるアイコンを起動してwayland-terminal
を起動する。現状ではwayland-terminal
からはどうやっても日本語入力出来ない(ibus-wayland
パッケージがバグっているため)。ターミナルから日本語入力したい場合は例えばgnome-terminal
などを用いる
環境変数の設定
CLUTTER_IM_MODULE=ibus
QT4_IM_MODULE=ibus
QT_IM_MODULE=ibus
XMODIFIERS=@im=ibus
GTK_IM_MODULE=ibus
LANG=ja_JP.UTF-8
上記の環境変数を設定する。例えば /etc/environment
に書く。
ibus-daemon
の起動
$ ibus-daemon -d -r -x
$ ibus engine mozc-jp
上記コマンドの実行後にfirefox
等で日本語入力出来る。入力の設定はibus-setup
コマンドをwayland-terminal
などから実行する。firefox
を起動して日本語入力や音楽再生を確認して下さい。
uim
ibus
の代わりにuimを使う場合、環境変数設定のibus
をuim
に置き換えて、uim-xim
を起動すると日本語入力できるようになります。必要なパッケージは xfonts-base im-config mozc-data mozc-server mozc-utils-gui uim-mozc uim uim-data uim-gtk2.0 uim-gtk2.0-immodule uim-gtk3 uim-gtk3-immodule
uim-plugins uim-qt5 uim-qt5-immodule uim-xim
virt-manager
へのメモ書き
virt-manager
はwestonからでも動作するが、それとは独立に APT::Install-Recommends 0;
の設定だとgir1.2-spiceclientgtk-3.0
がインストールされないから画面が出ない。そのほかにもrecommendパッケージにいろいろ入っているので--install-recommends
を付けてインストールしたほうがよいかも。